テロメアの短縮をもたらす「ストレス」への対策にはマインドフルネス瞑想が有効

生活習慣

『テロメア・エフェクト』が健康長寿のために大切なわけ。

テロメア・エフェクト

今回この記事では、2017年に発売された『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳 NHK出版) を取りあげ、テロメア効果がこれからの健康長寿やアンチエイジングのために大切なわけについて述べていきたいと思います。

 

細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳) を読むと、テロメアを長くしたり短くしたりする鍵を握っているのは、運動・食事・睡眠といった生活習慣だということが分かっています。

 

  • 運動・・・細胞の健康のためには有酸素運動が最適で、ストレスが多い場合は、運動は必須。
  • 食事・・・野菜や果物、全粒穀物、ナッツ類などを中心に、地中海式と呼ばれる食事をとるようにし、低脂肪で質の高いタンパク質やオメガ3脂肪酸も摂取するようにする。砂糖が入っている食べ物、飲み物、ハムやソーセージなどの加工肉は避ける。
  • 睡眠・・・テロメアは少なくとも七時間の睡眠を好む。寝室に液晶機器を置かないようにすることは、睡眠の質を高める。

 

では、『テロメア・エフェクト』の「テロメア」とは一体何でしょうか? テロメアとは「染色体の端に存在する非コードDNAの繰り返し配列」のことで、このテロメアの長さが私たちの寿命や疾患などに関わっているといいます。

 

 この本には、人間の「老い」についての新しい考え方が提示されている。科学の世界で現在主流の考え方によれば、人間の老化とは、細胞のDNAが徐々に損傷を受けた結果、細胞が不可逆的に老化し、機能を失うことで起きる。だが、損傷を受けるのは、どのDNAなのだろう? なぜ、損傷を受けるのだろう? 十分な答えはまだ出ていないが、複数の手がかりから、元凶の一つがテロメアであることが強く示唆されている。

(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p9)

 細胞が分裂するたびにテロメアは短くなる。それが細胞の老化の速度を決定し、さらにそれをもとに細胞の死期が決定される。だが私たちの研究や、世界各地のラボの研究からは、驚くべき発見がもたらされている。染色体の末端は伸びることもある――。その発見が示唆しているのは、老化とは早まったり遅くなったりする動的なプロセスであり、ある面においては逆転すら可能だということだ。老化とは長いあいだ考えられてきたように、病気や衰退へと一直線に滑り落ちる坂道ではない。人間はみな、年はとる。だが、どのように老いるかを大きく左右するのは細胞の健康状態なのだ。

(同 p19)

 

このテロメアについてかなり大ざっぱにいえば、テロメアが短ければ、病気になりやすく、寿命も短くなる可能性が高いのですが、テロメアが長ければ、健康を維持しながら長生きできるというわけです。

 

「テロメラーゼ」はテロメアに関わる酵素。

「テロメラーゼ」はテロメアに関わる酵素

また、テロメアの伸長には「テロメラーゼ」と呼ばれる、「細胞分裂のさいに失われたDNAの修復を受けもつ酵素」が関わっているといいます。

しかし、たとえテロメアが短くても、悲観する必要は無く、テロメアの長さは、日頃の生活習慣によって長くすることもできるといいます。

一方、テロメアが長かったとしても、テロメアが嫌がるような生活習慣を送ってしまえば、テロメアは短くなってしまうそうです。

 

あなたのテロメアは、あなたに耳を傾けている。あなたが出した指示を、あなたのテロメアは吸収する。あなたの生き方は、「細胞の老化を速めろ」とテロメアに指示を出してしまう危険もあるのだ。だが、逆のことをも起こりうる。何を食べるか、精神的苦痛にどう対応するか、どのくらい運動をするか、子どものころストレスにさらされたか、隣人をどのくらい信頼し、どのくらい安心して暮らしているか――。テロメアにはこうしたもろもろの要因が影響を与えているらしい。そしてこうした要因が、細胞レベルの早すぎる老化を防いでくれる可能性もある。つまり、長い健康寿命の一つの鍵は、健康な細胞の再生に必要なことをあなたが行なえるかどうかにあるのだ。

(『テロメア・エフェクト』NHK出版 p20~21)

 

テロメアの伸長に関わるのは3つの生活習慣

では、テロメアを長くしたり短くしたりする鍵を握っている生活習慣は何かといえば、冒頭でも述べましたが、運動・食事・睡眠です。

 

  • 運動・・・細胞の健康のためには有酸素運動が最適で、ストレスが多い場合は、運動は必須。
  • 食事・・・野菜や果物、全粒穀物、ナッツ類などを中心に、地中海式と呼ばれる食事をとるようにし、低脂肪で質の高いタンパク質やオメガ3脂肪酸も積極的に摂取するようにする。砂糖が入っている食べ物、飲み物、ハムやソーセージなどの加工肉は避ける。
  • 睡眠・・・テロメアは少なくとも七時間の睡眠を好む。寝室に液晶機器を置かないようにすることは、睡眠の質を高める。

 

またマインドフルネス瞑想や気功などを行う習慣は、ストレスによる炎症を低減する効果があるため、テロメアを長くするといいます。

 

ストレスとテロメアの関係とは?

ストレスとテロメアの関係とは?

一方、テロメアを短くするのは、慢性的な炎症を体内に起こすようなストレスだとされていますが、このストレスをどう捉えるかによって、テロメアに対する影響は変わってくるといいます。

本書『テロメア・エフェクト』のなかでは、ストレスに対するテロメアの心得として、

 

  • 「テロメアを維持するには、小さなことにはこだわらないいっぽうで、有害なストレスには注意すること。有害なストレスとは、長期におよぶ重度なストレスだ。そうしたストレスはテロメラーゼを抑え、テロメアを短くする危険がある。」
  • 「ストレスを消し去ることはできない。だが、ストレスフルな出来事に前向きに対処するように努力すれば、体においても心においても、ストレスへの耐性が高まっていく。」

 

などが挙げられています。

 

つまり、ストレスに対しては、打ち負かされるのではなく、楽観的な思考や、ストレスによる逆境をはねのけるような心持が大切になってくるというのです。このあたりのストレスとテロメアの関係や、ストレスへの対処法などについては、本書で詳しく書かれていますので、ストレスに苛まれている方は、本書を一読されると良いと思います。

 

ストレスと免疫系の抑圧とテロメアには、好ましくないつながりがある。何年ものあいだ科学者たちは、人の心の中にあるストレスがどのようにして免疫系にダメージを与えるのか、そのしくみをはっきり解明できずにいた。今私たちは、その答えの重要な一部を手にしている。それがテロメアだ。慢性的なストレスを抱えている人はテロメアが短く、テロメアが短いと免疫細胞は早く老いる可能性があり、免疫機能の悪化が引き起こされるのだ。

(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p118)

 

テロメア・エフェクトで健康長寿を実現するには?

テロメア・エフェクト

以上、ここまで『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』の内容について述べてきましたが、本書は健康長寿や本当のアンチエイジングを実現するためには、どのような生活習慣を選ぶことが大切か、ということについて書かれているように思います。

しかしテロメアが伸びるような生き方とは、これまでの多くの健康本でも言われてきたことと、それほど違いはないように感じました。

 

つまり、夜更かしなどを避け、規則正しい生活を行い、日頃から野菜や果物などを中心に、ビタミンやミネラル、アミノ酸、脂肪酸などの栄養素が豊富な食べ物を食べ、運動不足にならないようきちんと適度な運動を行ない、睡眠を十分にとるということが大切なのです。

また、心にストレスを溜めないよう、マインドフルネス瞑想などを行なったり、物事に対しては何でも悲観的にならず、なるべく楽観的に捉えたりすることです。

 

テロメアを伸ばすには日頃の生活習慣が大切。

テロメアを伸ばすには日頃の生活習慣が大切。

ここで何を言いたいのかといえば、テロメアが伸びるから健康長寿になるのではなく、健康的な生活習慣を自ら選択することで、少しずつでも自分の生活習慣を良い方向に変化させることが、結果的にテロメアを伸ばすことにつながるのだということです。

すなわち、健康長寿のために結果ばかりを求めるようにするのではなく、健康的な生活習慣を自ら選択し、続けることが、結果的に健康長寿につながるのです。

 

この健康的な生活習慣とは、人によって違ってくると思いますが、必要以上にストレスを感じないようにし、細胞内のミトコンドリアを増やすための生活習慣や、腸内細菌も喜ぶような、自分自身が気持ちいい、心地よい、楽しいと思えるような毎日を過ごすことが大切であるように思います。

 

 もし今度、招かざる感情が頭に入りこんできたのに気づいたら、次のことを試してみてほしい。まず目を閉じる。ふつうに呼吸をしながら、呼吸に意識を集める。何かの考えが頭の中に浮かんできたら、目撃者になったつもりでそれを見つめ、去っていくのを穏やかに待つ。頭に浮かんだ考え自体にも、それを思い浮かべてしまった自分自身にも、判断は極力下さない。注意をふたたび呼吸に戻し、息を吸って吐いてという自然な感覚に意識を集中させる。

(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p146)

 

 

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