マインドフルネスが自分のこだわりから距離を置くのに役立つわけとは?

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マインドフルネスが自分のこだわりから距離を置くのに役立つわけとは?

あなたの脳は変えられる 「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法

今回は、前回前々回に引き続き、『あなたの脳は変えられる 「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法』(ジャドソン・ブルワー 著 久賀谷亮 監修・翻訳 岩坂 彰 訳 ダイヤモンド社)という一冊を取り上げたいと思います。

 

本書『あなたの脳は変えられるで注目なのは、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる脳内ネットワークについて述べられている点だと思われます。

このデフォルト・モード・ネットワークとは、活動的な思考を行っていない時に、無意識に脳が行っている脳内ネットワークの活動のことだとされています。

ヒトの脳は意識的な活動を行っていない時は、休んでいると考えられてきましたが、意識的な活動をしていないときでも、実はかなりのエネルギーを消費しているといいます。

 

そしてこのデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)は、ジャドソン・ブルワー氏の『あなたの脳は変えられる』によれば、「「自己関連づけ」処理の際に活動が顕著に高まる」というのです。

 

 内側前頭前皮質と後帯状皮質は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる脳内ネットワークの中軸だ。DMNがいかなる機能を果たしているか、正確なところはいまだ議論の真っただ中になるが、「自己関連づけ」処理の際に活動が顕著に高まることから、これは「ミー」ネットワーク、つまり自己を内的世界や外的世界に結びつけるものとして機能していると考えられる。

たとえば、過去の自分についての記憶を思い出したり、2つの車種のどちらかを買うか選んだり、ある形容詞が自分に当てはまるかを判断したりするときに、DMNの活動は高まる。これらの思考はみな「自分」という特長を共有しているからだと考えられる。「私は覚えている」「私は判断する」というように。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p181)

 

瞑想がデフォルト・モード・ネットワークの活動を低下させる。

瞑想がデフォルト・モード・ネットワークの活動を低下させる。

しかし、ジャドソン・ブルワー氏らは、瞑想熟練者が瞑想を行うと、デフォルト・モード・ネットワークの中軸である内側前頭前皮質と後帯状皮質を含めた4つの領域の活動が低下していたことを研究によって突き止めたといいます。

そのうえで、ジャドソン・ブルワー氏は、『あなたの脳は変えられる』のなかで以下のように述べています。

 

 これら脳のDMNの研究は、どうやら私たちの日々の暮らしの中のある大切な事実を明らかにしている。それは私たちが、何かしたいとか、したくないとかいう努力にとらわれているということである。私たちはそこにもっと注意を向けていい。

かつての瞑想の修養会で、私は思考への執着を断ち切ろうと力一杯挑んだ。

単純な空想であれ、複雑な考え込み型の反応であれ、1つの考え方に慣れてそれに依存的になっているとしたら、「ろくでもない考え」(私のところに来るアルコール依存症の患者たちは、よくこう言う)から距離を置くのは難しい。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p199)

 

私たち自身の思考や感情や行動がどのように自分に関係しているかというパズルにおいて、私たちが得た脳のデータは鍵となるピースを埋めるものだった。思考は、私たちがそれを重視して興奮し、頭から振り払えないほどの状況にならなければ、単に1つの言葉、あるいはイメージにすぎない。同様に、渇望もまた私たちがそこに巻き込まれないかぎり、単なる渇望にすぎないのである。

つまり問題は、すべて自分の思考や感情にどのように関わるかにかかっている。

(同)

 

「デフォルト・モード・ネットワーク」は「自分の物語」に深く関わっている。

「デフォルト・モード・ネットワーク」は「自分の物語」に深く関わっている。

ところで、先程述べた「デフォルト・モード・ネットワーク」は、自動車がいつでも再発進できるよう、エンジンを低速回転でアイドリングさせている状態に例えられています。

そのため、何もしていないつもりでも、「デフォルト・モード・ネットワーク」が働いているということは、「デフォルト・モード・ネットワーク」とは、「自分」というものの形成に常に関係していることを意味するのかもしれません。

 

 私たちは特殊な眼鏡を通して繰り返して世界を見ているため、ついにはその見方をそのまま、自分のあり方であると受けとるようになりがちだ。自己像があること自体は問題ではない。朝起きたときに自分が何者であるかを覚えているというのは、非常にありがたい。しかし問題は、自分の生活の物語にからめとられてしまったとき、それを(良くも悪くも)どの程度自分に関係するものとして受けとるかだ。

空想に溺れたり、半数思考に巻き込まれたり、渇望に襲われたりするとき、私たちは身体の中で、そして心の中で少し固くなり、狭くなり、縮み、閉じこもるように感じる。興奮であれ、恐怖であれ、罠はいつでも待ち構えているのだ。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p200)

 

自分の偏った認知から一歩距離を置いてみるのに、マインドフルネス瞑想は役立つ。

 自分の偏った認知から一歩距離を置いてみるのに、マインドフルネス瞑想は役立つ。

ですが、マインドフルネス瞑想を継続し、深めていけば、デフォルト・モード・ネットワークの中軸である内側前頭前皮質と後帯状皮質の活動が低下するといいますから、ただ何もしていないつもりになっている時にデフォルト・モード・ネットワークを黙らせるのは難しくても、マインドフルネス瞑想を実践し続ければ、普段の自分自身のデフォルト・モード・ネットワークから解放される可能性がでてくるのかもしれません。

 

もちろん、この記事では、マインドフルネス瞑想によって「悟り」の状態に近づき、「自分」から真に解放されることを目指すべきだ、と言いたいわけではありません。

実際には、これまでの人生において培われてきた自分の習慣や特性から自由になることは簡単ではありません。

ですが、「私を見て」「私の話を聞いて」「私の見方」「自分のこだわり」など、何でも自分に関連づけてしまう脳の働きや、自分の主観的バイアスから一歩距離を置いてみるのに、マインドフルネス瞑想は、有効だと思われるのです。

 

マインドフルネスとは、世界を今よりもはっきりと見ることだ。主観的バイアスのせいで道に迷い、同じ場所をぐるぐると回っているとき、マインドフルネスはそのバイアス自体に気づかせてくれる。その結果、自分がどうやって迷ったかが見えてくるのである。どこにもたどり着かない道を歩いていることにいったん気がつけば、そこで立ち止まり、不要な荷物を捨て、違う方角に歩き出せる。たとえて言うなら、マインドフルネスは、人生を歩む際に役立つ地形図となりうるのだ。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p52)

 

 マインドフルネスを学べば、気づきと気遣いを深める生き方を身につけることができる。ドーパミンの分泌を求めて機械的にレバーを押し続けるよりも、あらゆる行動に注意を向けつつ、関わるものすべてを意識的に選択する生き方である。そのとき私たちは、浅い興奮に満たされるだけの人生ではなく、より幸せで健康的な人生を見出すだろう。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p325)

 

自己へのとらわれが瞑想の邪魔をする。

自己へのとらわれが瞑想の邪魔をする。

ちなみに本書の後半部ではいわゆる「フロー体験」にも言及されており、そのなかで、「「神聖な気持ちになる」ために瞑想」したり、「フローに至るべく努力」することは、「「自己関連づけ」(自己へのとらわれ)が目的に入っている」と説明されています。

このことは、たとえば「マインドフルネス瞑想を成功させよう」「雑念をなくそう」と思うこと自体が、「雑念」になってしまい、「雑念をなくそう」という意図とは逆に、瞑想を妨げてしまうことと関係しているように思います。

その何かを目的化するとうまくいかなくなるという点が瞑想の難しい点であり、それと同時に継続するに値する奥深いところだとも言えるのかもしれません。

 

 たとえば、何か素晴らしい状態になるために、あるいは「神聖な気持ちになる」ために瞑想するとしよう。この場合、暗黙のうちに「自己関連づけ」(自己へのとらわれ)が目的に入っている。自己が力んで縮こまり、経験にしがみついているとき、「私」は「私の経験」から離れている。その時点で両者は一体化しない。つまり、「私」が「私の自転車」に乗っている状態になってしまうのだ。

現在の中で展開していくある種の自己超越体験は、自己がそこに存在しないがゆえに、説明ができない。別の言い方をするなら、フローに至るべく努力すればするほど、興奮の力みが私たちをフローから引き戻し、私たちの中の「私」が邪魔をするのである。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 p276)

 

以上ここまで、『あなたの脳は変えられる 「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法』(ジャドソン・ブルワー 著 久賀谷亮 監修・翻訳 岩坂 彰 訳 ダイヤモンド社)という一冊を取り上げながら、マインドフルネスが自分のこだわりから距離を置くのに役立つわけについて述べてみました。

 

 

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