抗生物質

腸内フローラ

抗生物質は腸内フローラのバランスを乱す原因に。

抗生物質

今回は抗生物質が腸内フローラのバランスを乱し、腸内環境を悪化させる原因にもなるということについてです。

私たちの腸内には100種類・100兆個以上もの腸内細菌が存在しており、その群生の様子はお花畑になぞらえて「腸内フローラ」と呼ばれています。

その腸内細菌の集まりである腸内フローラや腸内環境は、免疫系に深く関わるなどしているため、普段から腸内細菌のバランスを整えるよう腸内環境を改善していくことは、日頃の健康維持と長寿の実現のためには欠かせません。

 

しかし、腸内フローラや腸内環境を悪化させてしまう要因があり、それらには、

  1. 食品添加物
  2. 抗生物質
  3. ストレス
  4. 食べ過ぎ
  5. 運動不足

などが挙げられるのですが、今回はそのうちの「抗生物質」について述べていきたいと思います。

 

医学の歴史において、ペニシリンやストレプトマイシンなどの「抗生物質」は、人びとを結核など多くの病気から救ってきました。

しかし近年は、必要以上に抗生物質を乱用することによって、腸内フローラの攪乱(かくらん)が起き、そのことが炎症性疾患や自己免疫疾患、アレルギー性疾患などの発症を引き起こすことが問題になってきているように感じます。

 

ちなみに以前の記事で取り上げた長崎大学熱帯医学研究所の教授である山本太郎氏の『抗生物質と人間』によれば、「抗生物質とは、微生物によって作られる、他の細胞の発育または機能を阻止する物質の総称」だとされています。

 

 抗生物質とは、微生物によって作られる、他の細胞の発育または機能を阻止する物質の総称であると書いた。ここでいう他の細胞には、当然、病原細菌だけでなく、宿主細胞も含まれる。例えば、抗生物質が病原菌の発育や機能を阻止したとしても、同時に宿主細胞のそれをも阻止したとすれば、その抗生物質は実用的には使用できない。別の言い方をすれば、できる限り宿主細胞を傷害することなく病原菌だけに作用することができれば、人体にとって副作用が少なく、効果が大きな抗生物質となる。専門用語でこれを「選択毒性」という。医療の現場で使用される抗生物質は、その意味では、なんらかの方法で細胞に対する選択毒性を発揮することによって、機能を発揮する物質なのである。

(山本太郎『抗生物質と人間―マイクロバイオームの危機』 p23)

 

抗生物質の乱用を見直すことは腸内環境の悪化を防ぐために大切。

抗生物質と人間―マイクロバイオームの危機

また、山本氏は「抗生物質の過剰使用は、耐性菌を生み出すだけでなく、使用者を他の感染症や免疫性疾患に罹患させやすくなる」と述べています。

さらに、『失われてゆく、我々の内なる細菌』(みすず書房)の著者であるマーティン・J・ブレイザー氏は、自動車が便利さを私たちの生活にもたらすと同時に交通渋滞や環境汚染を引き起こしたのと同じように、抗生物質にも病気を治すだけではなく病気を引き起こすという、光と闇の側面が両方ある諸刃の剣だということを述べています。

 

そして、次第に問題が大きくなり、気候変動のように訪れるであろうマイクロバイオームの壊滅的な状況を、「抗生物質の冬」と呼んでいます。

 

  私たちはこれまでのやり方を変えない限り、「抗生物質の冬」に直面するだろう。大きな悪夢である。私たちが隔離によって守られることはもはやない。私たち は今、ひとつの大きな村に、何十億人もの人と一緒に暮らしている。そのうちの無数の人々が、壊れた防御機構とともに暮らしている。疫病がやってくれば、それは速く、そして密に広がる可能性がある。川が氾濫し自然の堤防を越えても、避難場所もないような事態だ。こうした危機は、私たちの放蕩な抗生物質使用が増大させてきた。そのことはいずれ振り返ってみれば了解されるだろう。糖尿病や肥満といった問題も心配だが、私が警告を鳴らす最大の理由は、この抗生物質 の冬への恐怖なのである 。

(『失われてゆく、我々の内なる細菌』 山本太郎 訳 p220~221)

失われてゆく、我々の内なる細菌

抗生物質が感染症の多くから私たちを守って来たことは確かですし、私自身も抗生物質の存在を否定するわけではありません。

しかし、抗生物質の使用は最低限に抑えるなど、これまでの抗生物質の乱用を見直すことは腸内環境の悪化を防ぐために大切ですし、どのようにして腸内細菌・腸内フローラをはじめとした微生物群と共生していくかが、「ポスト抗生物質」の時代において問われているように思います。

当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

ピックアップ記事

  1. 自然の水音が心地良い自然音動画3選【ストレスやコロナ疲れの解消にオススメ】
  2. 竹酢液のお風呂で冬アトピーのかゆみ対策。
  3. マインドフルネス瞑想についての間違いと正しい理解とは?
  4. ブライトザマーのハチミツは濃厚&コスパ抜群。
  5. 『抗生物質と人間』から考える微生物とのつき合い方。

関連記事

  1. 便秘を解消していくための生活習慣とは?

    便秘の改善

    便秘を解消していくための生活習慣とは?

    普段から、ひどい便秘にお悩みではありませんか?今回は便…

  2. 納豆は腸内フローラにオススメな発酵食品。

    発酵食品

    納豆は腸内フローラにオススメな発酵食品。

    今回は、納豆が腸内フローラの改善にオススメな発酵食品である理由…

  3. 大麦の食物繊維は腸内環境の改善と便秘予防に効果的

    便秘の改善

    大麦の食物繊維は腸内環境の改善と便秘予防に効果的

    今回は食物繊維が豊富な大麦は、腸内環境の改善や便秘予防に効果的…

  4. 知って腸トクする【甘酒の効果・効能】毎日飲むことのメリットとは?

    甘酒

    知って腸トクする【甘酒の効果・効能】毎日飲むことのメリットとは?

    【飲む点滴】甘酒の効果効能を日々の健康のためにとりいれてみませ…

  5. 腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方

    腸内フローラ

    『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』は食物繊維の大切さを学ぶのに最適。

    今回は今年ハヤカワノンフィクション文庫にもなった『腸科学 健康…

  6. 腸内環境

    「うつ」をやわらげるには腸内環境の改善が必要。

    今回はうつをやわらげるには腸内環境の改善が必要なわけについて述…

特集記事

  1. 悟りの向こうにある真に幸福な生き方とは?ー苫米地英人『超悟り入門』
  2. 殺菌・抗菌力が強いマヌカハニー。
  3. アロエベラの効果・効能
  4. 短鎖脂肪酸の効果・効能
  5. 【ストレスに負けない!】心の免疫力を高めるには?

オススメ記事

  1. 般若心経の【色即是空】を感じることが心身のバランスを整え、一…
  2. 運命は変えられる?「エピジェネティクス」とは何か。
  3. テロメア・ストレス・マインドフルネス。
  4. マインドフルネスは関係性の中で活かすー『〈目覚め〉への3つの…
  5. 純粋・生の国産はちみつ「Megumi-めぐみ」は非加熱天然で…

カテゴリー

ブログ内検索

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content

Copyright © 2019 copyrights.ハチミツとミトコンドリア All Rights Reserved.

  1. 悟りの向こうにある真に幸福な生き方とは?ー苫米地英人『超悟り入門』

    ブッダ/仏教

    悟りの向こうにある真に幸福な生き方とは?ー苫米地英人『超悟り入門』
  2. 食事・運動・瞑想がうつを良くしていく

    うつ

    <食事・運動・瞑想>が【うつ】をやわらげていく理由とは?
  3. 『はちみつ・ミトコンドリア・腸健康法 これからの免疫力を高める生き方』

    電子書籍

    『はちみつ・ミトコンドリア・腸健康法 これからの免疫力を高める生き方』Kindl…
  4. 純粋国産はちみつ「Megumi-めぐみ」は非加熱天然

    ハチミツ

    純粋・生の国産はちみつ「Megumi-めぐみ」は非加熱天然でオススメ。
  5. 免疫力

    腸内環境の改善は免疫力を確実に高める。【腸活が免疫力をアップする理由】
PAGE TOP