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今回は『9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方』という本を、本当の意味でのアトピー改善を考えるためにご紹介したいと思います。
藤澤重樹医師による『9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方』(永岡書店)は、アトピー性皮膚炎の真の治療とは何か、ということを考えさせられる一冊です。
アトピー性皮膚炎に関しては、私自身アトピーを抱えているということもあり、「アトピーを治していくために続けていきたい生活習慣とは?」という記事を中心に以前何度か書きましたが、なかなか治らないアトピー性皮膚炎による湿疹やかゆみのつらさは、やはり当事者にしか分からないものがあると思います。
そこで、アトピー性皮膚炎を治すということになると、第一の治療法として「ステロイド剤」の皮膚への塗布が挙げられますが、問題はステロイド剤を塗っていても、アトピー性皮膚炎は完全に治るかどうかは定かではない、ということだと思われます。
ステロイド剤は正しく塗れば副作用もないから安全だという皮膚科医もいれば、免疫抑制剤であるステロイド剤を長期的に使用すると、だんだん効かなくなり、しかも途中で止めると、激しいリバウンド症状が待ち構えていると、警鐘を鳴らす皮膚科医もいます。
このように、肝心のアトピー患者が当惑するほど、アトピー治療のためのステロイド剤の使用に関しては、賛否両論がずっと続いているわけですが、藤澤重樹医師による『9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方』で主に書かれている内容は、ステロイド剤をいくら使っても、アトピー性皮膚炎は治らない、ということについての理由であり、ステロイド剤を長期間使用することによる問題点なのです。
アトピーを治すには「なにもしない」ことが大切!?
また、アトピーの治療については、保湿剤も塗る必要はなく、「なにもしない」ことが大切であると説明されています。
特に医師であるにも関わらず、「アトピー性皮膚炎の最大の特徴は、時間の経過とともに自然治癒することです」とし、「この特徴を最大限に生かした究極の治療法とは、ステロイドに頼らず、なにもしないで放っておくことに尽きる」と、著者の藤澤重樹氏が述べている点は、アトピー性皮膚炎の効果的な治療法を求めている方にしてみれば、かなり拍子抜けしてしまうかもしれません。
ですが、自分自身が、アトピーをステロイドに頼らずに治していこうと考えている場合に、藤澤医師が本書において「ステロイドを主体とする標準治療にこそ問題の本質がある」と捉え、
- 「はっきりしているのは、アトピーは薬や医師の力よりも、患者さん自身の自然治癒力が原動力となって治る病気」
- 「究極のアトピー治療は〝なにもしない〟ことです。」
- 「「なにもしない」と開き直れば心がずっと軽くなる」
としている点は、非常に参考になるといえます。
しかし実際には、ステロイド剤の使用を中止すると、リバウンド症状によって皮膚の乾燥や落屑がひどくなってしまい、本人にとってはつらい状態がしばらく続いてしまい、場合によって社会生活を送ることも困難になってしまうため(私自身経験済み)、この記事では脱ステロイドを一方的に勧めたいわけではありません。
ちなみに藤澤医師も脱ステロイドに踏み切ると生活の質が著しく低下するため、「職場の上司や仲間、家族や配偶者など、周囲の理解と協力が欠かせません」としています。
また保湿剤も塗る必要はないといっても、特に秋冬の季節などで、乾燥がどうしても気になる場合は、何らかの保湿剤を塗ることで、皮膚に潤いを与えたくなってしまうことも確かですので、どんな時も皮膚の状態を気にせず、100%あえて何もしないというのは、実際にはなかなか難しいという印象を抱きます。
以上ここまで、藤澤重樹医師による『9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方』をご紹介してきましたが、この本には、ステロイドも保湿剤も使わない代わりに、アトピーを自然治癒によって治していくために、
- 運動によって適度に汗をかく
- 食事では皮膚の修復のために良質なタンパク質を多く摂る
- お風呂の回数を減らす
- 皮膚を再生させるノンレム睡眠をしっかり活用
- 「いい人」をやめることでストレスを減らす
など、食事や入浴、運動に関して気をつけるべき点が書かれています。
それゆえ、アトピーを「あれもこれも」という足し算ではなく、「しなければならない」を減らす引き算で治していこうと考えている方は、本書を一読してみることをおすすめします。