人生100年時代に健康長寿を実現するための効果的な方法についてご存知でしょうか?
前回の記事では、『ライフスパン 老いなき世界』を取り上げ、
- 食べる量を減らす……カロリー制限や間欠的断食でサバイバル回路を作動させる。またアミノ酸を制限することで、オートファジー(自食作用)を働かせる。
- 運動する……「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」などの運動によって体にストレスを与えると、サバイバル回路が始動する。
- 寒さに身をさらす……快適とはいえない温度に身をさらし、長寿遺伝子を働かせる。
といったことが、長寿遺伝子を働かせるための効果的な方法であるということについて述べました。
これらのうち、著者のデビッド・シンクレア氏が長寿遺伝子を働かせるために特に重視しているのは「運動」であるように思います。
デビッド・シンクレア氏は『ライフスパン 老いなき世界』(梶山あゆみ 訳 東洋経済新報社)のなかで、
「そもそも運動とは、体にストレスを与えることにほかならない。運動をするとNADの濃度が上昇し、それが今度はサバイバルネットワークを作動させる」
「運動が遺伝子のスイッチを入れ、私たちを細胞レベルで若返らせてくれる」
と述べています。
また、
なぜ運動が体にいいかといえば、運動によって数々の長寿遺伝子がプラスの方向に調節されるからだ。そのおかげで、テロメアが伸びる、細胞に酸素を運ぶ新しい微細血管ができる、ミトコンドリアの活動が高まって化学エネルギーが増える、といった効果が現れる。
としています。
さらに、「長寿遺伝子の力を余すところなく発揮させるには、強度は間違いなく大事になる」とし、メイヨー・クリニックの研究チームの調査を挙げ、
健康を増進する遺伝子を一番多く活性化したのは「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」だった。これを行なうと、心拍数や呼吸数が著しく上昇する。高齢の被験者ほど、HIITによる活性化効果が大きかった。
としています。
自分のしている運動が激しいかどうかは、きついと感じるかどうかでわかる。呼吸は深く速くなり、鼓動は最大心拍数の70~85%になる。当然ながら汗をかき、一息つかないと二言三言しか話せない。これが低酸素応答と呼ばれるもので、この状態は体に適度なストレスを与えるのにうってつけだ。永続的な害を及ぼすことなく、老化に対する体の防御反応を活性化させてくれる。
(デビッド・A・シンクレア『ライフスパン LIFESPAN 老いなき世界』 梶山あゆみ 訳 192‐193頁)
ここまで、3回にわたって、これからの不老長寿について書かれている話題の本、デビッド・シンクレア /マシュー・D・ラプラント『LIFESPAN ライフスパン 老いなき世界』を、要約を兼ねつつ取り上げてきました。
人生100年時代の健康長寿を実現するために、「インターバル速歩」や「スロージョギング」など、まずは週3、4回、30分程度の有酸素運動から始めてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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