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新型コロナウイルスが原因で、お金についての悩みや息苦しさを抱えていませんか?
今回は、前回に引き続き、コロナ禍の今こそ読みたい『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤航陽 著 幻冬舎)を取り上げていきたいと思います。
前回の記事では、『お金2.0』のなかで述べられている「価値主義」に生きることが大切になってくると述べました。
ちなみにこの「価値主義」について、著者の佐藤航陽氏は以下のように説明しています。
資本主義上のお金というものが現実世界の価値を正しく認識できなくなっています。今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。
私はこの流れを「資本主義(capitalism)ではなく「価値主義(valualism)」と呼んでいます。2つは似ているようで別のルールです。資本主義上で意味がないと思われる行為も、価値主義上では意味がある行為になるということが起きます。
(佐藤航陽『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 p162~163)
また、『お金2.0』のなかで、佐藤航陽氏は、
「今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。」(p155)
「あらゆる「価値」を最大化しておけば、その価値をいつでもお金に変換することができますし、お金以外にものと交換することもできるようになります。お金は価値を資本主義経済の中で使える形に変換したものに過ぎず、価値を媒介する1つの選択肢に過ぎません」(p165)
と述べていますが、価値主義においては、「価値を保存・交換・測定する」ための手段として、必ずしも従来のようにお金が必要になってくるわけではない、と思われます。
そして、前回の記事で述べた通り、価値主義に生きるとは、お金という価値観を超えた生き方を実践するということに他ならないと思われるのですが、そのためにはまず、自分自身が、お金への見方をアップデートしなければならないように思います。
お金に対する見方を変えるのは簡単ではない。
しかし、自分自身のお金の見方をアップデートするというのは、簡単ではありません。
なぜなら、頭のなかでは「お金が全てではない」「一万円札はただの紙切れにすぎない」と思っていたとしても、想定外の金銭的報酬を得ることで大喜びしたり、何かをきっかけにもし自分の手持ちのお金が全て失われ、そのことで、恐怖心や不安感が増大したりするのであれば、無意識のレベルで、お金をこのうえなく重要視していることになるからです。
このことに関して、たとえば「第4章「お金」から解放される生き方」の以下の一節は、お金についての悩ましい一面を非常によく表していると思います。
本当にお金や経済が作り出す課題を解決したいと考えるのであれば、お金に自らがくっつけている「感情」を切り離して考えなければなりません。お金や経済が持つ特徴を理解した上で、それらを自分の目的のために「ツール」として使いこなす訓練が必要なのです。
たくさんのお金を動かしている人ほどお金が好きな拝金主義者や守銭奴のような印象を持っている人がいますが、実際は全くの逆です。よりたくさんのお金や経済を動かしている人ほど、お金を紙やハサミやパソコンと同様に「道具」として見ています。そこに何の感情もくっつけていません。純粋に便利な道具という認識を持っているからこそ、それを扱う時も心は揺れませんし、冷静に判断をし続けることができます。
一方で、お金がうまく扱えず困っている人ほど、お金に特別な感情を抱いていることが多いです。私もそうでした。それがないことによって起きる困窮や不安から、お金に感情をくっつけてしまい、道具以上の意味を感じてしまいがちです。お金や経済を扱うためには、お金と感情を切り離して1つの「現象」として見つめ直すことが近道です。
(佐藤航陽『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 p257)
お金に対するマインドを変えることが価値主義につながる。
つまり、不安に限らず喜びなど、お金に何らかの感情がくっついてしまうと、お金をただの道具と冷静に見なすような、お金に対しての適切な距離を保てなくなるのです。
したがって、お金への見方をアップデートするために必要なのは、佐藤航陽氏が述べている通り、
「お金と感情を切り離して1つの「現象」として見つめ直すこと」
なのです。
資本主義経済に浸かれば浸かるほど、お金による呪縛から逃れるのは難しくなりますが、やはりお金自体に意味や価値はなく、結局お金というものは、自己実現やお金を超えた価値を創造するための手段に過ぎないのです。
すなわち、お金に対するマインド(心の持ちよう)を変えることが、価値主義の実践につながっていくのです。
これまでは、資本主義という1つの大きな枠組みの中で競争するのがセオリーでした。それはより多くの資本を積み上げた人間がより多くの力を得るという世界でした。
これからは価値という観点から、自分なりの独自の枠組みを作れるかどうかの競争になります。枠組みの中の競争ではなく、枠組みそのものを作る競争です。そのためには自分の興味や情熱と向き合い、自らの価値に気づき、それを育てていく。そしてその価値を軸に自分なりの経済圏を作っていく。
(佐藤航陽『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 p231)
『お金2.0』を読むだけでおカネに対する狭い見方をアップデート。
以上ここまで、佐藤航陽氏の『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(幻冬舎)について述べてきましたが、本書はこれからの未来をよりよく生きるために、お金についての悩みや息苦しさを抱えている方にとっては必読の一冊だといえます。
なぜなら、まずは読むだけでお金に対する狭い見方をアップデートできるからです。
そのため本書『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の内容が気になる方は、ぜひ実際に手に取り、繰り返し読んでみることで、行き詰っている<お金>に対する見方を変えてみていただきたいと思います。
そうすれば新型コロナウイルスで生じた問題で経済的につらい思いをされていたとしても、何か発想の転換につながるかもしれません。
なお、前回の記事「『お金2.0』で価値主義に生きる。」はこちらです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪