痩せ菌の一種である「アッカーマンシア ムシニフィラ」を増やす

「アッカーマンシア ムシニフィラ」という痩せ菌を増やすには?

痩せ菌の一種である「アッカーマンシア ムシニフィラ」を増やす方法

今回は痩せ菌の一種である「アッカーマンシア ムシニフィラ」を増やす方法について述べていきたいと思います。

ダイエットの成功の鍵を握るのは「腸内細菌」であり、腸内細菌のうちのヤセ菌を増やすことがダイエットへの近道であると、これまでの記事でも述べてきましたが、その痩せ菌の一種に「アッカーマンシア・ムシニフィラ」という菌がいます。

このアッカーマンシア・ムシニフィラは、痩せた人の腸内では腸内細菌全体の4%を占めているそうですが、太っている人ではほとんどゼロだというのです。

 

また、『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』(ロブ・デサール , スーザン・L. パーキンズ 著 斉藤隆央 訳)という本によると、腸とのやりとりにおいて、このアッカーマンシア・ムシニフィラ菌の働きに狂いが生じると、消化や代謝の異常や肥満など、様々な問題が生じてくるそうです。

 

 高脂肪食は腸の粘膜を荒らすことで悪名高い。事実、腸の粘膜とその下にある腸自体の組織まで部分的に破壊する。どうやらA・ムシニフィラは、高脂肪食によってひどいダメージを受けた粘膜の修復をおこなっているようだ。A・ムシニフィラを与えられたマウスの腸壁を調べた研究者たちは、この微生物が実際に腸の粘膜層を修復し、腸を通る消化物と腸の組織自体とのあいだのバリアを強化することで、肥満や糖尿病によってもたらされる病変を治すことを突き止めた。

(ロブ・デサール , スーザン・L. パーキンズ『マイクロバイオームの世界』斉藤隆央 訳 p240)

この考えを確かなものにするために、研究者たちはフラクトオリゴ糖という分子を混ぜた高脂肪食をマウスに与えてみた。この分子は腸内微生物を適正に保つのに役立つプロバイオティクス(体に良い影響を及ぼす食品となるもの)として、ほかにも多くの治療の場面で使われている。すると驚いたことに、高脂肪食を与えられたマウスでも、A・ムシニフィラが大幅に増える。そうした効果がヒトにも現れるかどうかはまだわかっていない。

(同 p240)

 

つまり、もし腸内にアッカーマンシア・ムシニフィラ菌が少ないと、太りやすい体質になることは十分考えられますし、健康面においては、腸の粘膜層に問題が生じ、腸管のバリア機能が低下することによって、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の問題も生じてきたりすることが予測できます。

 

アッカーマンシア・ムシニフィラ菌を増やすための方法とは?

マイクロバイオームの世界

では、このヤセ菌であるアッカーマンシア・ムシニフィラ菌を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

海外では肥満症の問題の解決のために、アッカーマンシア・ムシニフィラ菌のサプリメントが研究開発されているようですが、現時点では、サプリメントの摂取によって、手軽にアッカーマンシア・ムシニフィラ菌を増やすのは難しそうです。

しかしロブ・デサール , スーザン・L. パーキンズ氏らによる『マイクロバイオームの世界』によれば、マウス実験では「プレバイオティクス」であるフラクトオリゴ糖で増えたとされますから、ヒトの腸内でも食物繊維やオリゴ糖などのプレバイオティクスを多く摂ることは有効である可能性が高いといえます。

 

さらに、『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(熊谷玲美訳 白揚社)の著者であるティム・スペクター氏は、アッカーマンシア属の細菌と断食の関係について、以下のように述べています。

 

主要な腸内細菌のなかで、とくにアッカーマンシア属の細菌は断食が大好きだ。この細菌は、腸壁を食べて、腸をきれいにする。さらに不思議なことに、ほかの細菌の多様性を高める働きもするのだ。とはいえ、あまりにも長時間食べずにいると、腸内細菌が腸壁にダメージを与えて、問題を引き起こすこともある。アメリカン・ガット・プロジェクトと、ブリティッシュ・ガット・プロジェクトのために私たちが実施した予備研究では、細菌に最も有益な変化が見られたのは断食をおこなったグループであり、腸内細菌の多様性が大幅に向上していた。

(ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p223~224)

 

アッカーマンシア・ムシニフィラ菌と断食(ファスティング)の関係とは?

ダイエットの科学

ここではアッカーマンシア・ムシニフィラ菌が断食で増えるとは言っていませんが、断食によってアッカーマンシア属の細菌が「腸壁を食べて、腸をきれい」にしたり、「ほかの細菌の多様性を高める働き」をしたりするというのです。

しかし、断食を長期間続けてしまうと、「腸内細菌が腸壁にダメージを与えて、問題を引き起こすこともある」といいますから、何日間も何も食べない生活、つまり腸内細菌にエサを与えない生活を送ることは、逆に腸内細菌叢(腸内フローラ)に悪影響を与えてしまいそうです。

当ブログでも、低血糖がストレス状態を引き起こしてしまうような長時間の断食(ファスティング)は、基本的にお勧めしていません。

 

ですが、サプリメントや長期間の断食ではなく、酵素ドリンクなどを用いた半日程度のプチゆる断食を時々行うことに加え、日頃の食生活に置いて野菜や果物から食物繊維オリゴ糖をたっぷり摂るようにすることは、結果的に痩せ菌の一種であるアッカーマンシア・ムシニフィラ菌を増やすことにつながるのではないかと思います。

腸内フローラを変えることによって痩せ菌を増やし、健康的にダイエットを成功させるには、日頃の食習慣がやはり大切なのだと考えられます。

 

 

当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

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