インターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的なのか? 『ウォーキングの科学』

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インターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的なのか? 『ウォーキングの科学』

インターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的なのか? 『ウォーキングの科学』

近頃、おうち時間が増えると共に、運動不足によって体力が低下していませんか?

深刻な運動不足は細胞の老化につながってしまいますが、実はウォーキングを少し工夫するだけで、運動不足を解消し、さらに体力の低下を防ぐことが出来るのです。

そういうわけで今回はインターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的なのかということについてです。

 

40歳を過ぎてくると、疲れやすくなるなど、次第に加齢による体力の低下が気になってきますが、その体力を向上させるには、筋力と持久力を向上させることが必要になってきます。

そして、健康長寿や認知症予防のために大切なのは、上半身よりも衰えやすい下半身の筋肉を特に鍛えることだと言えます。

ちなみに私自身、近頃は雨の日と「おうち時間」が増えているため、油断すると家にこもりがちになり、そのぶん運動を怠けてしまうせいで足腰の筋肉が衰えてしまいます。

 

そして体力の向上に関して手軽に出来る運動としてオススメなのは、ウォーキングやゆっくりとしたジョギングなどですが、イチオシなのは、信州大学の特任教授である能勢博氏が提唱する「インターバル速歩」で、ゆるめの運動ときつめの運動を繰り返すことです。

 

能勢氏は、『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』(講談社ブルーバックス)のなかで、加齢による体力の低下は、ミトコンドリアの機能を低下させ、細胞や組織を傷つける活性酸素を発生させることになりますが、インターバル速歩によってミトコンドリアの機能を活性化することができると述べています。

 

加齢による体力の低下はミトコンドリア活性を低下させ、その結果生じる活性酸素は細胞や組織を傷つける。それに反応して炎症が起き、その炎症が生活習慣病、うつ病を引き起こす可能性が指摘されている。これに対し、インターバル速歩は、体内の酸素の流れをスムーズにし、ミトコンドリア機能を活性化し、活性酸素を産生しにくくする。これらの反応によって慢性炎症反応が抑制され、これらの疾患の症状を改善すると考えられる。

(能勢博『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』 94頁)

 

インターバル速歩は慢性炎症を抑制する

インターバル速歩は慢性炎症を抑制する

さらにインターバル速歩を実践すると、慢性炎症を抑制する効果も期待できるようなのです。

皮膚が赤くなったり腫れたりすることを「炎症」といいますが(発赤、腫脹、熱感、疼痛)、「慢性炎症」とは、一過性の急性炎症と違い、なかなか自覚することなく、だらだらと続いてしまうものです。

もし何となく不調が続くという場合は、この慢性炎症が体内で起きている可能性があります。

 

生活習慣病やアルツハイマー病を引き起こす要因となる「慢性炎症」については以前述べましたが、この「慢性炎症」の問題点については、たとえば『免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何か』(宮坂昌之 定岡恵 著 講談社ブルーバックス)のなかで、

  • 「炎症の悪影響が局所にとどまらずに全身に広がっていくこと」
  • 「炎症を起こしている組織の性状や形態が次第に変わり、ついにはその組織の機能が低下してくること」

などが挙げられています。

 

ところが「インターバル速歩」には、この慢性炎症を抑制する効果も期待できるといいます。

能勢氏によれば、5ヵ月間のインターバル速歩によって、炎症反応抑制遺伝子群の脱メチル化(活性化)が起こり、慢性炎症反応が抑制されることが、遺伝子活性の網羅的解析(パスウェイ解析)によって示唆されたといいます。

 

また能勢氏は『ウォーキングの科学』のなかで、

「インターバル速歩トレーニングは、マシンを必要とせず、大勢の中高年を対象に、体力向上効果に伴う生活習慣病など加齢に伴う疾患の症状改善効果も一度に明らかにすることができる」

とし、

  • 生活習慣病
  • 気分障害
  • 睡眠の質
  • 認知機能
  • 関節痛
  • 骨粗鬆症

の改善効果も実証研究によって示しています。

 

特に認知機能の改善については、「加齢による認知機能の低下の主な原因が体力(最高酸素消費量)であることを示唆する」としています。

 

インターバル速歩のフォーム・歩き方の基本

インターバル速歩のフォーム・歩き方の基本

その「インターバル速歩」とは、具体的には、

「本人がややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを3分間ずつ交互に繰り返すというウォーキング方法」

のことです。

この「インターバル速歩」を「1日5セット、週4日以上繰り返す」ことで、体力の向上や生活習慣病の症状の改善が期待できるといいます。

 

上体……「肩の力を抜いてリラックス」
姿勢……「背すじを伸ばして胸を張る」

足 ……「蹴るほうの足は指で地面を押すように」「地面に着くほうの足は伸ばし、つま先を上げ、かかとから静かに着地する」

歩幅……「ふだん歩きより大きめの歩幅で。男性はふだん歩き+5㎝、女性はふだん歩き+3㎝の歩幅が目安」

肘 ……「肘は90度くらいに曲げる。意識して引く」
目線……「25㎝先のやや斜め下を見る」

(『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』 96頁より抜粋)

 

ちなみに私自身、運動と瞑想をするために近くの河原に出かける際などは、徒歩で移動中、なるべくこのインターバル速歩を組み込むようにしていますが、そうしたら、体力が以前よりも向上し、長い時間歩いても疲れにくくなっているのを実感できています。

まさにインターバル速歩の効果、おそるべしといった感じです😲

 

今回はインターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的なのかということについて述べてみました。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪

 

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(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

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