
この記事では、バックミンスター・フラー『
「結果的に宇宙には、すべてが対称的な正3角形から構築されるシステムは3種類しかない。正4面体、正8面体、そして正20面体である。」(81頁)
「4面体と8面体は集合してすべての空間を充填する。この2種の構造は相補的である。ものごとを単一化する理論を求める人は、このシナジェティクス・モデルに満足しないだろう。」(91頁)
「シナジェティック幾何学では、正4面体と正8面体がすべての空間を充填するこの格子が、自然に内在する最も経済的な座標システムをモデル化するための有理数的な幾何学の基礎構造となる。正4面体と正8面体が格子を構成してすべてを充填するこのシステムを、私は〈等方ベクトルマトリックス〉と同定した。」(91頁)

バックミンスター・フラー『コズモグラフィー シナジェティクス原論』(梶川泰司 訳 白揚社)
システムとは、われわれ人間に可能な最も単純な物理的または超物理的な経験である。システムにはつねに内部性と外部性がなければならない。システムの認識は、自己または他者を最初に発見することから始まる。生命は他者性を意識することから始まることを想起すれば、自己と同時に発生する他者性がなければ意識もないことがわかる。内部性と外部性が存在しなければ、他者性も存在しない。それゆえに生命も思考も存在しない。(221頁)
われわれは、同調可能な経験はすべて、永遠の諸原理の複合体にある絶対的な完全無欠性の結果であることを発見した。
マクロ宇宙もミクロ宇宙もつねに、連続的な相互の張力と不連続な圧縮力のみがつねに組織化する構造システムでしかない。これが、私のいう〈張力による統合(tensional integrity)である。この概念を頻繁に使ってきた私は、やがて〈テンセグリティ(tensegrity)という新しい言葉に短縮した。今やこの言葉と概念はわれわれの言語の一部となった。つねに普遍的な現象を表すテンセグリティは、科学界が何世紀ものあいだ目標に掲げて実現を待ち望んでいる〈統一場理論のモデル〉への解決の鍵になるかもしれない。(278頁)
宇宙という統一体(unity)は、内在する複数の要素が複雑に調和したものである。宇宙とは、個々に独自に発見され法則化された不変的な諸原理をあらゆる特別な場合で認識する、既知となったあらゆる人間の経験を結合したものである。
これまで発見・法則化された、数学のみが定義できるあらゆる原理は、人間のマインドのみが発見してきた。人間のマインドだけが、感覚では本質をとらえられない(つまり脳に感知できない)宇宙の相互関係の発見に関与している。脳は、一時的な始まりと終わりのある特別な場合の経験のみを扱う。脳のメモリー・バンクから呼び戻される特別な場合の経験を再考する人間のマインドだけが、宇宙の不変的な原理を発見し、目的をもってその原理を利用することが許されている。(359頁)

漸進的変化の過程にいる人類全体が例外なく〈うまくやり遂げる〉選択肢を確実に手にしているその瞬間に、あらゆる大国の政府と五大宗教、そしてほとんどの大企業にとって人類が物理的にも代謝的にも経済的にも成功することを自らの存在を完全に危うくすると考えていることを知ったとき、私は驚愕するほかなかった。あらゆる政治機構と宗教組織、そして金儲けを目的とする企業の権力機構は、「この惑星には生命を維持する働きが基本的に不足している結果、大多数の人間が不幸になるのが当然である」とする誤った過程に基づき、それによって生じる苦難と欲望、苦痛、そして恐怖などの状況を改善する専門技術を基盤として成立してきたのである。(375頁)
この惑星に暮らす全人類に必要なものは、すでにある高度なテクノロジーを利用して供給できるので、生活費を稼がなければならないという前提条件はもはや陳腐化されたことがわかる。全人類の生活を高い水準で支えて維持するための充分な資源がある現在の状況が現実となったのは、投入される単位あたりの資源・エネルギー・時間で達成する仕事量からより優れた性能を絶えず引き出していく革命を、不可視のテクノロジーが実現してきたからにほかならない。この革命を現実化させることが、人間の日常生活における基本的な前提条件と活動を迅速に大きく変革していくだろう。(380頁)

すべての子供にはつねに、能力を証明するための強い意欲がある。生存のために生活費を稼ぐことが要求されなければ、たいていの人はより生産的に働くことを強く望むが、自ら選んだ仕事ではなく金を稼ぐために強いられて引き受けた人間に関しては受動的にしか動けない。強制される仕事をする代わりに、人間は惑星地球社会が本当に必要とする仕事を、自発的にその身に引き受けていくようになるだろう。
人類がこの生命維持に必要な選択肢の行使に挑戦すれば、全人類のための研究開発チームとしてサービスを任される個人間の激しい競争が繰り広げられる状況を目のあたりにするだろう。人間の独創的で利害を超越した生産的な活動が、生活費を稼ぐ労働と同一視されることは二度とないだろう。自分やその家族の生存に必要なことではなく、他者に対するサービスのための利己的でない生産に最善を尽くして取り組むことに大きな歓びを感じていることを仲間たちに示し、そしてわれわれが神という言葉で語っている宇宙の偉大な知的な完全無欠性に証してみせることで、人びとは達成感を得ることになるだろう。
私は、全人類は臨界点をすでに越えて〈最終審査〉の場に立たされているを考えている。最終審査の対象となるのは政治システムでも経済システムでもなく、人類としての個々人、つまりわれわれ自身である。(381頁)
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