もしストレス対策を根本的に実践したいのであれば、心理学のいう「リフレーミング」のように枠組みを変え、「ストレス」というものを違う視点から眺めてみることがオススメです。
私が精神的なストレスを感じるのはたいてい、自分の思い通りにいかなかった時や期待が外れた時、いつもとは違う予想外の出来事に直面にした時、他人に傷つけられた時など、自分自身のコンフォートゾーン(快適な空間・居心地の良さ)から外れる時なのですが、そういう時は「快」ではなく、イライラしたりムカムカしたりするといった「不快感」を味わう羽目になります。
また、そこに不安感や恐怖感があれば、ドキドキします。
しかしながら、そういった不快感を味わった際に、
- 「イヤだな~」
- 「ツイてないなあ~」
- 「最悪だな~」
- 「もう無理だ・・・」
とネガティブな気分に陥ってばかりいると、ストレスを味わうことに恐怖を感じ、ストレスに対して臆病になってしまうことがあります(かつての私自身がそうでした💦)。
しかし、心理学者のジュリー・スミス博士が『メンタルマネジメント大全』でいうように、短期的な強いプレッシャーがかかる状況において目指すべきは、「ストレスを排除して家のソファでくつろぐようにリラックスすること」ではないのです。
そうではなく、
「ストレス反応を「問題」と捉えるのではなく、「役に立つ強み」と捉えるようにする」
「ストレスを活用して、やるべきことに集中し、精力的にこなそう」
と博士が述べているように、ストレスに対する見方を変え、自分の成長のために役に立つといった、ストレスのポジティブな側面も見つけてみるようにするのです。
すなわち、ロールプレイングゲームの攻略が難しいダンジョンやボスキャラのように、ストレス自体を人生の乗り越えるべき難問や克服すべき課題と見なすようにしてみるのです。
たとえ最初のうちは攻略が難しいと感じられても、仕事や恋愛、子育てや介護などで、失敗をやらかす度に何かを学ぶ、何らかの気づきを得るといったように経験値を増やすようにしていけば、解決策の道筋が見えてくるようになります。
ちなみにこのことは、「マインドセット」(経験や教育、環境などによって形作られた個人の心の固有のあり方・心構え)を変えるということでもあります。
なお、長期的なストレスは免疫力が低下する要因になると他の記事で述べましたが、普段から精神的なストレスを感じることが多い場合、このように、ストレスはやっかいごとで避けるべき障害物であるという見方を変えるようにするだけで、慢性ストレスによる免疫力の低下を防ぐことは十分考えられるのです。
ストレス ≒ 不快な気分にさせるもの・出来ることなら避けたいイヤなもの ⇒ 乗り越えるべき問題・学習の機会や気づきを与えてくれるもの

ジュリー・スミス『メンタルマネジメント大全』
なお、ジュリー・スミス博士は『メンタルマネジメント大全』のなかで、「わたしたちが直面する最大のストレスは往々にして、自分で選択したものではない」し、「ストレスは必ず害をもたらすわけではなく、常に排除しなければならないわけでもないのだ」とも述べています。
そして、
有意義な人生にはストレスがつきものだ。何に価値を置き、何を目指していても、それを達成するにはストレス反応が必要とされる。ストレス反応はゴールに到達するための主要なツールだ。
としたうえで、
「最も強いストレスを感じるのは、往々にして自分にとって最も重要なものに取り組んでいるときだ」
「ストレスは、自らの価値観に沿って努力し、目的と意味のある人生を送っていることの反映なのだ」
と述べていることは傾聴に値します。
そもそも人間は不完全な存在ですので、どんなに頭が良い人であっても何でも予想通り・思い通りに物事が運ぶわけではなく、無知ゆえに失敗したり恥ずかしい思いをしたりすることを繰り返してしまうものです。
それゆえ、仕事のミスやトラブル、お金や人間関係の悩みなど、広い意味での「ストレス」は長い人生の中でどうしても避けられないものですし、困難な出来事は選択せずとも突然向こうから不意にやってくるものでもあります。
しかし単に病気になりにくいといっただけではなく、メンタルが良好で毎日が充実しているといった、より健康的な生き方を実現するためには、予測できないストレスを無理になくそうとするのではなく、ストレスが与えられた時にそのストレスにいかに向き合うか、その心構えがより重要になってくるのだと考えられるのです。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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