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マインドフルネス瞑想を毎日の習慣にできていますか?
今回は執着を手放すことがマインドフルネスにつながるということについて述べていきたいと思います。
マインドフルネス瞑想とは、一切の判断を介さずに「今、この瞬間」に注意を向ける事であり、心の状態を「気づき」に満たすことです。
そのため、マインドフルネス瞑想している間は、「今」の瞬間に気づきを向けるようにしますが、知らない間に頭のなかで考え事をしたり、「思考」を巡らしてしまったりしていると、なかなか今の瞬間に気づくということができません。
そのように勝手に心ここにあらずになってしまう状態は、大ざっぱに「雑念」と呼んでも良いのでしょうが、何かに対して考えすぎてしまっていることは、実はその思考の対象に対して「執着」してしまっていることだともいえます。
そしてそのことは、下手をすれば自分にとっての「苦」を生みだしてしまう原因にもなるのです。
たとえば「お金」がないことが悩みであれば、四六時中「お金」のことを考えてしまいますし、他人に恋愛感情を抱けば、ずっとその人のことをあれこれと考えて妄想してしまいます。
そのため、うまく自分のなかにある執着心を手放すことさえ出来れば、思考はおのずとストップし、視覚や聴覚、嗅覚や触覚などの感覚で世界のありのままの実相を捉えやすくなります。
執着を手放すのは難しい。
ところが、「執着」を手放すといっても、実際に執着を手放すことはそう簡単ではありません。
なぜなら、人であれ、物であれ、出来事であれ、自分にとって大切なものほど、「執着」してしまうからです。
何よりも大切だと思う家族や友人、恋人などへの執着を簡単に手放すことが出来るでしょうか?
また、自分がこれまで大切にしてきた物や集めてきた物への執着を、「断捨離」だと決断して、いきなり捨てることが出来るでしょうか?
もし大きな決断をして断捨離できれば何の苦労もないのでしょうが、多くの人にとっては、執着の対象は、自分の心とくっついてしまっているため(自分の一部になっている)、実際に手放すことは難しいと思われます。
また「執着」が強ければ強いほど、その対象を失うことの恐怖や苦しみは、大きくなると考えられます。
人は何かを得るよりも失うことのほうが怖いのですね。
しかし、執着を手放すことが出来なければ、マインドフルネス瞑想で今の瞬間に気づきを向けようとしても、途中であれこれと「思考」を巡らしてしまい(対象に執着してしまう)、今の瞬間への集中が途切れやすくなってしまいます。
まずは1分間だけのマインドフルネス瞑想によって執着を手放してみる。
マインドフルネスのコツはやはり「執着」を思い切って手放してみることなのです。
しかしだからといって、先程も述べたように、実際に執着の原因になっている対象(人や物、仕事、お金など)を手放すのは簡単ではありません。自分自身が執着する対象を手放せるようにするためには、長い年月をかけてマインドフルネス瞑想の訓練を続けていく必要があります。
ではどうすれば良いのでしょうか?
この記事でご提案したいのは、たったの1分間だけ、執着している対象から離れてみるということです。
そして、執着を手放す代わりに感覚を研ぎ澄ますのです。
あれこれと考えすぎて生きること自体に疲れてしまったら、考えすぎてしまっている対象のこと(人や物、仕事、お金など)について1分間で良いので考えるのを止めて、頭をからっぽにし、ゆっくりと呼吸していることに集中してみる。
スマホやテレビからの情報もシャットダウンし、自然の中に存在する音や風、匂いなどをシンプルに五感で感じとってみる。
もし遠くに行けなかったら、おうちで美しい風景の写真を眺めながらのマインドフルネス瞑想でもOKです。
1分間だけ、瞬間(いま)に集中。
執着を手放すための1分間は、何かを失うことを怖れる必要はありません。
執着を手放すことを怖れなくても、マインドフルネスを止めた途端に、勝手に自分の心は、自分が気になるもの、愛着があるものに対して執着を始めます。
したがって、いきなり執着を手放すことは簡単には出来ないのです。
しかし、もし何かに執着することによって心身が疲れ切っていたら、まずは1分間だけ、今という瞬間だけに集中し、マインドフルネスであり続けてみてください。
たったの1分間でも、もしうまく何かに執着することをやめて、今という瞬間に意識を向けることが出来たら、(その間だけ与えられる自由によって)日頃のストレスからも解き放たれます。
そして1分間続けることが出来たら、次は5分間続けてみましょう。
なお、マインドフルネス瞑想の方法についてはこちらの記事をご参照ください。
手を放した瞬間に、あなたは自由です。
私たちは自由を求めるが、同時に対象にしがみついてもいる。
「自由になりたい、自由になりたい」
にもかかわらず、なぜ私たちは手を放さないのでしょう?
(ウ・ジョーティカ 『自由への旅 「マインドフルネス瞑想」実践講義』 魚川 祐司 訳 p415)
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪