瞑想で今の瞬間に注意を集中する―『マインドフルネスストレス低減法』

マインドフルネス

瞑想でいまの瞬間に注意を集中。―『マインドフルネスストレス低減法』

マインドフルネスストレス低減法

いつになっても毎日あたまの中が「やっかいごと」だらけで、精神的ストレスの多い生活を送ってはいませんか?

今回取り上げる本は、アメリカにおける「マインドフルネス瞑想法」の第一人者である、ジョン・カバットジンの『マインドフルネスストレス低減法』です。

 

1990年に出版されたジョン・カバットジンの『マインドフルネスストレス低減法』を近頃読み直す機会があったのですが、この本の原題は、実は「やっかいごとだらけの人生」とも訳されている“Full Catastrophe Living”です。

2007年に復刊された邦訳の『マインドフルネスストレス低減法』(春木豊 訳 北大路書房)を数年前に初めて読んだ時は、1990年代でも今でも、生活環境における「あれもしなくちゃこれもしなくちゃ」、だけどどうしようもない「やっかいごとだらけ」で頭の中が一杯なのは変わらないと痛感しました。

つまり生活のためにやらなければならないことで頭の中がいっぱい・ストレスフルであるのは、90年代のアメリカでも、今の日本でも、結局のところ同じなのです。

 

マインドフルネスとは、注意深く現在の瞬間に気づくこと。

マインドフルネスとは、注意深く現在(いま)の瞬間に気づくこと。

ところで「瞑想」というと、「スピリチュアリティ」とも関わる何か特別なことをするように感じられますが、カバットジンはこの『マインドフルネスストレス低減法』のなかで、

 

 つい最近まで、「メディテーション」とか「瞑想」とかいう言葉を聞くと、驚いたり、神秘主義やトリックを使った奇術などを連想する人がたくさんいました。これは人びとが、〝注意を集中すること〟も瞑想の一つであるということを知らなかったからです。私は、この〝注意を集中する〟ということを〝マインドフルネス〟と呼んでいます。今では、瞑想の意味はかなり知られてきています。注意を集中することは、いつもとまではいえなくても、誰もがふだんから行っていることです。つまり、瞑想は、かつて考えられていたような得体の知れないものではなく、生活の中で私たちがふだん体験しているものなのです。

(ジョン・カバットジン『マインドフルネスストレス低減法』 春木豊 訳 北大路書房 34頁)

 

と述べています。

すなわち、自然を眺めている時や映画を観ている時、食事をしている時や人と接している時など、ジャッジメントを下さずに「今」という瞬間を注意深く観察していれば、それはある意味で「瞑想」なのです。

 

マインドフルネスとは、注意深く今の瞬間に気づくという意識の在り方。

「今」という瞬間を注意深く観察していれば、それはある意味で「瞑想」

 

ちなみに当ブログでは真の健康と幸福の実現のために、「マインドフルネス」をライフスタイルにとりいれてみることをオススメしています。

ですが、近年のマインドフルネスブームによって、「マインドフルネス」をただ実践するだけで、心の悩みの多くを解消したり、ビジネスで大成功を収めたり、人生のなかで降りかかってくる厄介ごとの多くを簡単に解決できたりするような印象が与えられることがあります。

しかしながら、マインドフルネスを始めても自分が望むような結果がすぐに与えられるわけではありません。

 

カバットジン博士は本書のなかで、

 

「マインドフルネス瞑想法」を始めると、自分が自分について何も知らない、ということがわかるようになります。注意集中力を養うのは、人生のあらゆる問題が解決できる答を発見するためではありません。むしろ、曇りのない心のレンズをとおして、問題をよりはっきりと見るためなのです。自分は知っていると思いこんでいるだけだということに気づくだけでも、自分の考えを見抜き、ものごとをありのままに知覚するための第一ステップになるといえるでしょう。

(42頁)

 

と述べています。

 

すなわち「マインドフルネス」という言葉は、資本主義のなかで「商品化」されることでときに誤解され、独り歩きを始めますが、広い意味では、マインドフルネスとは、注意深く現在(いま)の瞬間に気づく、もしくは今の瞬間に注意を払うことによって、これまで気づけなかったことに気づいていく、という意識の在り方であるように思われます。

 

 瞑想というのは、〝意識的に現在を生きる〟ためのものです。瞑想とは、どこか別の世界に行くのではなく、自分がすでにいるこの場所で、この瞬間を精いっぱい生きることなのです。長年のあいだに、私たちの開発してきた「マインドフルネス瞑想」も、しだいに深いものになってきました。しかし、これは、私たちが深めようとして深まってきたわけではありません。自然に進歩してきたのです。瞬間瞬間に注意を集中し、私たちに与えられているのは〝今〟という瞬間だけだ、ということがわかれば、意識も洞察力も、そして健康も、自然に充実していくのです。

(50頁)

 

 私たちは瞑想を行う中で、一つひとつの瞬間が訪れ、〝自分がその瞬間と共に存在している〟ことを確認することによって、あるがままを受け入れる姿勢を学んでいきます。一つの感じ方や考え方、見方などを自分に強制するのではなく、どんな感じや考えが生じてきても、それこそが今あるものとして、受け入れられるようになるのです。いつも〝今〟という瞬間に注意を向けていれば、それがどんなふうに変化しようと、次の瞬間に訪れるものを受け入れるための練習になるのです。受け入れる態度を身につけることは、まさに知恵をもつということなのです。

(66頁)

 

マインドフルネス習慣で、「やっかいごとだらけの人生」を「ウェルビーイング」に変換。

マインドフルネス習慣で、「やっかいごとだらけの人生」を「ウェルビーイング」に変換。

確かに言えることは、日々の瞑想実践は、「やっかいごとだらけの人生」から「ウェルビーイング」(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)へと到るための懸け橋になるということです。

 

 私たちは、外部の世界や自分の内部の世界での体験に対して、無意識のうちに自動的に反応して、莫大なエネルギーを浪費しているのです。注意集中力を高めるということは、その浪費しているエネルギーを集めて利用する方法を学ぶということです。そして、それによって、おだやかな安定した状態と深りリラクセーションが得られ、心と体が癒されることになるのです。そして、生活や人生に対する見方が変わることで、豊かに人生をおくることができるようになります。

(ジョン・カバットジン『マインドフルネスストレス低減法』 春木豊 訳 北大路書房 17頁)

 

 自分に与えられたすべての時間を、自分の存在を確認し、成長するための機会だと考えてください。たとえば体が悪くて外に出られなかったり、あるいは寝たきりだったとしても、冒険的な人生をおくり、一つひとつの瞬間に意味を見つけることはできます。

(223頁)

 

瞑想にかかわることによって、肉体的な孤立感も別の意味をもつようになります。外に出ることもできないという無力感、そして、そこから生じてくる苦悩や後悔といったものも、ほかの可能性を見つける喜びや、自分自身に対する新たな展望に変わってくるでしょう。もてあましていた時間を〝何もしないこと〟をすることによって、自分の存在を確認し、自分に意識を向けて理解を深める時間にするのです。

(同)

 

ちなみに瞑想とは何なのか、マインドフルネスがウェルビーイングにつながるとはどういうことなのか、もっと深く知りたいという方は、『マインドフルネスストレス低減法』に加えて、2020年に星雲社から邦訳が出版されたカバットジンの『瞑想はあなたが考えているものではない』を読んでみることがオススメです。

 

 

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪

 

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マインドフルネス習慣で「今・ここ」を選ぶ生き方

 

 

 

 

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