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今回は、副交感神経の働きを優位にするための3つの方法について述べていきたいと思います。
自律神経のバランスを保つようにすることは、健康維持のために非常に重要ですが、自律神経のうちの副交感神経を優位にしたい場合、以下のような方法が有効だとされています。
- 心に余裕を持たせ、ゆっくりとした行動を心がける。
- 深い呼吸を行う。
- 睡眠不足を避ける。
心に余裕をもつことが自律神経のバランスを保つワケ。
基本的に自律神経のうちの副交感神経はリラックスして身体がゆるむと働くようになります。
一方、交感神経は、緊張や不安を感じたり、時間に追われたりすると優位に働くようになります。
そのため、副交感神経を働かせることで自律神経のバランスを整えるには、「ゆとり」をもつようにすることが必要になってきます。
このことに関して、自律神経の研究者として有名な順天堂大学教授の小林弘幸氏は、
「「余裕」を持った行動をしているかどうかが、実は自律神経のバランスに大きな影響を及ぼす」
とのべていますが、常に焦ったり、不安な気分に陥ったりしていると、交感神経ばかりが優位になり、自律神経のバランスが崩れることで自分の本来のパフォーマンスを発揮できなくなることが考えられます。
したがって、心に余裕を持ち、何でも早くしなければならないと思いがちになっている時こそ、ゆっくりとした行動を心がけてみることが大切になってきます。
深い呼吸が副交感神経を優位にする理由とは?
なかなかそれが出来ないから困っているという方は、焦りや緊張を感じた際、呼吸に意識を向けてみることをおすすめします。
たとえば、緊張している時にあえて深呼吸を心がけてみると、腹圧によって横隔膜が上下し、そのことがリラックス効果をもたらしてくれます。
そうなる理由は、横隔膜は副交感神経とつながっているからなのであり、つまり、呼吸を深めることは、緊張状態やストレスの緩和に役立つのです。
ちなみに深い呼吸をするコツは、吸うよりも吐く方の息を長くし、息を吐ききったら、さらにお腹を背中の方に奥深く押し込むようにして「ふっ、ふっ、ふー」と吐くことです(参考 矢山利彦『気の人間学』)。
また、副交感神経を働かせるにはゆっくりとヨガやスワイショウなどの運動を行うことによって、「身体をゆるめる」ようにすることも大切です。
副交感神経を働かせるには睡眠も大切。
もうひとつ副交感神経を働かせることで大切なのは睡眠です。
先ほどの小林弘幸氏は、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』のなかで、
「自律神経には日内変動があり、ふつうは夕方から夜にかけて副交感神経のレベルが上がり、やや副交感神経優位な状態になります。」
「ところが、徹夜で仕事するなど本来なら副交感神経が優位になる時間帯に交感神経を刺激することばかりしてしまうと、副交感神経が上がるタイミングを失ったまま交感神経が上がる朝の時間帯に突入してしまうため、何をしても副交感神経が上がらない状態になってしまうのです」
と述べています。
そのため、十分な睡眠をとるようにすることは、副交感神経を優位にさせ、自律神経のバランスを整えるために必要なことなのです。
以上今回の記事では、副交感神経を優位にするための方法について述べてみました。
自律神経はバランスが大切であるため、毎日時間に追われて忙しい日々を送っている場合は、ゆっくりとした呼吸をあえて心がけたり、十分な睡眠時間を確保したりしてみると良いと思われます。
しかし、普段から家のなかにいることが多く、緊張感があまりない生活を送っている場合は、副交感神経ではなく、交感神経を活性化させることが重要であるため、日頃から適度に負荷がかかるような、腕立て伏せやスクワットといった運動を行ってみると、自律神経のバランスが整ってきます。