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今回は、活性酸素・フリーラジカルがミトコンドリアの元気を奪ってしまう原因であるということについて書いていきたいと思います。
活性酸素・フリーラジカルは、呼吸を行う際に、どうしても発生してしまうものであり、さらに、ある程度は体の健康を維持する働きをしてくれるものですが、増えすぎてしまうと、ミトコンドリアの機能低下を引き起こしたり、DNAの障害が大きくなったりするとされています。
また、活性酸素の害が大きくなりすぎると、ミトコンドリアは細胞の自殺であるアポトーシスという手段をとるようになり、そのことはミトコンドリアの減少につながってしまうと言われています。
大切なのはミトコンドリアを増やし、元気にするための生活習慣。
この活性酸素とミトコンドリアの機能低下について、医学博士の日置正人氏は、『ミトコンドリア不老術』のなかで、以下のよう述べています。
ミトコンドリアから酸素フリーラジカルが漏出すると、ごく近くに存在するむき出しになっているミトコンドリアDNAが傷つき、ミトコンドリアを構成しているたんぱくに異常が発生します。
もともとミトコンドリアはエネルギーを産生する機能のために存在していますから、その部品であるたんぱくが変化してしまうとエネルギー産生に変調をきたすはずです。そうでなくてもそこから漏出する酸素フリーラジカルは増大するに違いありません。なにしろ酸素フリーラジカルの発生は90%がミトコンドリアで生じると考えられているからです。
酸素フリーラジカルの漏出はさらなるミトコンドリアの障害を引き起こすことにあり、ミトコンドリアDNAの障害と機能低下による酸素フリーラジカルの漏出は増大することとなります。見事に悪循環が成立するのです。
(日置正人『ミトコンドリア不老術』p70~71)
あまり障害が大きければ、ミトコンドリアはアポトーシス(細胞の自殺)の道を選択します。しかし人体にあるミトコンドリアの合計は天文学的数値になるため、少量のミトコンドリアが死滅したところで大勢に影響ありません。それが、老化が急速には進行しない理由なのです。
しかし確実にミトコンドリアは減少し続け、あるいは減少しないまでも機能低下が進行していることは間違いありません。
(日置正人『ミトコンドリア不老術』p71)
日置正人氏は、ミトコンドリアによって活性酸素(フリーラジカル)が漏出するという事実は、やがてミトコンドリアの機能低下と減少を引き起こすと述べていますが、そのような事態に陥らないようにするためには、ミトコンドリアを増やし、元気にする生活習慣を心がけることが大切になってくるのです。