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自分の人生を変えるチカラがある「本」ってスゴイと思ったことはありませんか?
今回の記事では、私が2022年に読んだ、スゴイ本であるがゆえに、今年思わずつぶやいてしまった、生き方そのものを変える可能性がある、真の実用書だと感じた3冊+αを挙げてみました。
『上達論 基本を基本から検討する』(方条遼雨、甲野善紀 著 PHP研究所)
腎臓を患った父の腹膜透析を手伝っている間の休憩時間に読み進めていたのですが、この本は、その辺の実用書とは違い、真に実用的で本当にためになる一冊であると感じました。
武術に関心がなくても、スポーツや技術職などで身体の可能性を切り拓くために真に実用的な一冊だと感じます。特に私のように学校の体育が苦手で、自分にはスポーツの才能がないと思い込んでしまった人や運動神経に劣等感がある人におススメです。
紋切り型の学校教育に馴染めず、受験のための勉強に大した価値や意味を見いだせない若いうちにこのような本と出会う幸運に恵まれ、繰り返し読むという経験をしたのならば、生き方、というより今後の「生」そのものが真に変わるのではないかと感じられます。
特に、たとえ武術を志していなくても、「原理」「アナログ」をはじめ、この本のなかで考察されている多くの事象は、自分がしている「仕事」などで、真に学び、習得し、上達するために必読です。
ちなみにこの本では、集中力が続かなかったり、難しい漢字が読めなかったりする若い読者のために、内容が細かいブロックに分けられていたり、ほぼ全ての漢字にルビがふられているという配慮がなされています。
また余談ながら、『上達論』の方条遼雨氏と甲野善紀氏との対談のなかで紹介されていたスティーヴン・コトラー『超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験』(早川書房)もその流れで読んでみたのですが、この本も、エクストリームスポーツを題材に、私自身がよく理解できていない「フロー」というものについて詳しく書かれていました。
日常生活のなかに「フロー」を取り入れ、近代社会におけるオートメーション化やデジタル社会におけるリモート化の過程で失われた、「生きがい」や「生きる意味」なるものを見いだすために、たいへん興味深い内容です!
『オーセンティック・コーチング』 苫米地英人 著 サイゾー
本は最低3回読めと言われることがありますが、苫米地英人博士の『オーセンティック・コーチング』(サイゾー)は、「コーチング」 に関心があってもなくても、 生き方を変えたければ何回も読んだ方がいいという感想を抱きました。
苫米地博士の本はこれまでに20冊以上は読んでいるのですが、『オーセンティック・コーチング』は、現状から脱け出し、自分自身の生き方を真に変えたいのであれば、少なくとも100回は繰り返し読んだ方がいいと思います。
なぜなら1、2回読んでも次の日の朝に目が覚めると本の内容を憶えていないからです。
本当の(オーセンティック)「コーチング」は現状のうちにとどまる「カウンセリング」とは違い(現状維持)、現状の外へと抜け出すためのものであると、改めて認識させられます。
実際のところ、私自身100回も読めていないのですが💦、「習慣」についての記事でも述べたとおり、この本の内容が繰り返し読むことで、練習して自転車に乗れるようになるように、自分にとって当たり前のことになれば、「人生が丸ごと変わる」かもしれない、と思うのです。
『フィールド・レコーディング入門』 柳沢英輔 著 フィルムアート社
「フィールド・レコーディングの面白さのひとつは、録音という行為を通して「世界」を異なった視点から見ることができるようになること、いわば「世界」に対する新たなまなざしを獲得できることにある」『フィールド・レコーディング入門』
私自身、地元を流れる広瀬川のせせらぎ音に耳を傾けるたびに、音の不思議を体感することが多く、それだけで幸せなのですが、音と生き方に関するこういう画期的な本が出版されることを待ちわびていました。
柳沢英輔氏によるこの『フィールド・レコーディング入門』は、音や「聴くこと」、<サウンドスケープ>などに関心がある人にとって、スタジオではなく、野外で音を録音するということを、これから自分自身の生き方そのものにするための、画期的な入門書であり実用書であると思います。
なお、この本でも紹介されており、私自身が今年の誕生日に読んで興奮した、『野生のオーケストラが聴こえる サウンドスケープ生態学と音楽の起源』(バーニー・クラウス 著 みすず書房)との併読もオススメです。
『フィールド・レコーディング入門』 柳沢英輔 著 フィルムアート社
『イドコロをつくる 乱世で正気を失わないための暮らし方』 伊藤洋志 著 東京書籍
コロナ禍で孤独な時こそ、免疫力の低下を防ぐために自分が本当に安心できる居所というものが必要であると常々思うのですが、伊藤洋志『イドコロをつくる 乱世で正気を失わないための暮らし方』(東京書籍)は「過剰なプレッシャーを無効化できる時間や場を持つこと」、イドコロと免疫系について考えている良書でした。
フェイクがはびこる情報社会で正気を失わないためには、オンラインサロンのようなコミュニティとは違った、居心地がよい安心できる居所が複数必要です。すぐに自分でイドコロをつくるのは案外難しいかもしれませんが、こういう本が書かれたということに私は安心できました(^^♪
広告が入ってこないような「イドコロをつくる」ことは、アフターコロナにおいてより大切になってくるのだろうと思います。私自身これまで、安心できる居場所を社会のどこにも見出せないということは、切実なココロの問題であったため、この本の内容は刺激的で有意義でした。
『スッタニパータ ブッダの言葉』 今枝由郎訳 光文社古典新訳文庫
仏教(ブッダの教え)入門としては、「翻訳にあたっては漢訳仏教用語は極力用いず、現代の日常的なことばにすることを第一に心がけました」とある、『スッタニパータ』(今枝由郎訳 光文社古典新訳文庫)と、今枝由郎『ブッダが説いた幸せな生き方』との併読がオススメです。
今枝由郎『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)は、今年書き上げた『ブッダの教えとマインドフルネスで有意義な生き方』という電子書籍の前半部で取り上げるほど、自身の「生き方」を見直すために有意義な一冊だったのですが、今枝氏が日常的なことばで訳している、今年光文社古典新訳文庫から出た、手軽で読みやすい『スッタニパータ』も、ブッダの教えを実践するために何度も繰り返し読むに値する、生き方そのものを変える究極の実用書であるように思います。
そういうわけで今回は、生き方そのものを変える可能性がある、真の実用書だと感じた3冊+αを取り上げることで、今年一年を振り返ってみました。
冒頭でも述べましたが、自分の人生を変える可能性がある、一冊の「本」のチカラってスゴイと思うのです。
これらの本のどれかが気になる方は、「生き方」を真に変える「きっかけ」にするために書店などで手に取ってみてはいかがでしょうか?
お忙しい中ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪