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当ブログでは令和の時代の真のセルフケアについて考えていますが、今回は、瞑想とは現在の瞬間を観察するためのトレーニングであるということについてです。
近年、健康のためやメンタルヘルス、ビジネスにおける成功のためにマインドフルネスをはじめとした瞑想法が注目されていますが、瞑想とは、心が現在の瞬間を観察するためのトレーニングなのだと言えるかもしれません。
ちなみにここでいう「瞑想」とは、現在の瞬間に意識を集中させるマインドフルネス瞑想やヴィパッサナー瞑想のことを指しますが、瞑想をするといっても、いきなり頭の中を無にするというのは難しいですし、頭のなかを空っぽにして目の前の風景を眺めていても、気がつくと、過去に起きた様々な出来事や、これからの予定・将来のことについて想いを巡らせてしまっているのが普通です。
しかし、瞑想を根気強く習慣として行い続けていると、少しずつ、現在の瞬間に意識が向く機会が多くなります。
そして、だんだんこれまで気づかなかったことに(例えば世界が豊饒であることや、自分の判断を加えないありのままの世界)気づけるようになります。
このあたりのことを突き詰めていくと、どうしても心の悩みの根本的な解消や「救い」のような宗教的な特性が関係してきて、単純に瞑想とは「現在の瞬間を観察するためのトレーニング」であると言いきれないほど、瞑想は奥が深いものだと分かってくるのですが、特定の宗教にコミットメントして、神や仏のような存在を信じることに何となく抵抗があるという方は、まずはマインドフルネス瞑想を自分の心を成長させるためのトレーニングとして捉えるといいと思うのです。
たとえばテーラワーダ仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老は、『現代人のための瞑想法』のなかで、以下のように述べています。
「忙しい」と思うときは、頭のなかで現在のことではなくて、将来のことがからむのです。いつでも、現在のことではなくて、過去や将来のことを考えてしまう、これはすべての人間がやっていることです。過去のことを考えると悩んでしまうし、将来のことを考えると、ものすごく忙しくなったりして、緊張感が生まれてイライラします。それで、現在に失敗します。嫌な人間になってしまいます。
(中略)
現在に生きるということは、ものすごくトレーニングしなくてはできません。なぜなら、我々は現在に生きていないことにトレーニングを積んでいるからです。みんな、将来に生きる、過去に生きるというトレーニングを積んでしまっています。みんな妄想家で、現実家ではないのです。
(アルボムッレ・スマナサーラ『現代人のための瞑想法』 p64~65)
過去や未来に心がさまようことが多かったら現在の瞬間を意識してみる。
近年は多動の時代ともいわれますが、マルチタスクによって注意力散漫になったり、心を過去や未来にばかりさまよわせてばかりいると、そのぶん、どうしても疲れやすくなってしまいます。
もちろん心には自然にそうなってしまう性質がありますが、未来に対して不安を感じたり、過去に関する特定の記憶を想い起こして後悔したりしていると、生きているのが何となく苦しくなる状態、すなわち、息苦しさ(生き苦しさ)を感じるようにもなってしまいます。
また、毎日、あまりにも忙しい毎日を送り続けたり、過度のストレスを感じ続けたりして、疲労が溜まり過ぎると、だんだん生命力が低下していきますし、免疫力も低下して風邪など引きやすくなってしまいます。
そういう時は、脳を働かせすぎることで、様々なことを考えすぎてしまっている可能性があるので、一度、頭の中をリセットしてみるために、自分の呼吸に気づいたり、空を見上げたり、風の音に耳を傾けたり、歩きながら足裏感覚を意識したりして、現在の瞬間を観察してみるのです。
マインドフルネス瞑想のやり方のポイント
- 身体の力を抜いて楽な気持ちになる(リラックスする)。
- 気持ちよく背筋を伸ばす(気の通りを良くする)。
- 深い呼吸を心がける(吸う息よりも吐く息を長く)。
- 現在の時間を実況中継する。
- 判断を中立にする(心をニュートラルにする)。
- 雑念にとらわれたらサティ(気づき)の言葉を入れる。
- 瞑想のための時間をしっかりと取る。
リラックス・ストレス解消・うつやアトピー改善につなげるためのマインドフルネス瞑想用音源です。
この音源にはソルフェジオ周波数をはじめとして、数種類の波の音や森の音、倍音など様々な音が入っています。
瞑想初心者の方のための、この音源の使い方
まずは青空をイメージして、頭の中を空にします。
次に深い呼吸をし、呼吸や身体の感覚をあるがままに感じながら、身体やこめかみのあたりの力を抜き、リラックスしていきます。
そして、それに慣れてきたら、この音源に含まれているいろいろな音に気づいたり、観察したり、感じたりしてみてください。
もし、途中で頭に悩み事や過去のイヤな記憶などが浮かんで来たら、そこで自分を責めたりせず、雑念、雑念、雑念とラベリングすることで雑念をなるべく早く振り払い、再び息や音の観察に戻っていってください。約30分を目安に瞑想を続けてみると、次第にその効果が感じられるようになります。
ぜひ、この動画を使って、現在の瞬間に気づく「マインドフルネス瞑想」を始めてみてください。
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