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普段の健康維持や免疫力を上げるために「腸活」を始めてみませんか?
当ブログでは令和の時代の健康と幸福について書いていますが、今回は腸内環境の改善が免疫力を高めるということについて述べていきたいと思います。
腸内環境を改善していくことは、免疫力を高めることにつながっていくため、様々な病気を予防することになります。
また、腸を冷やさないようにすることも、免疫力の低下を防ぐことにつながると思われます。
では、なぜ腸内環境を良くしたり、腸を冷やさないようにしたりすることが、免疫力を高めることになるのでしょうか?
私たちは生命を維持するために、口にした食べ物を消化・分解することで栄養分を吸収しなければなりませんが、それと同時に細菌やウイルスが外から侵入してくるのも防がなければなりません。
その重要な役割を果たしているのが腸なのです。
腸は「内なる外」と呼ばれていますが、食べ物が消化管を通っている間は、まだ食べ物は体の外に存在しているのです。
やがて食べ物は、分子レベルにまで分解され、小腸から吸収されますが、一緒に入り込んできた病原菌を排除しなければ感染症が引き起こされてしまうので、体に必要なものとそうでないものを選り分けることで、異物の侵入を防いでいかなければなりません。
そして、その役割を担っているのが白血球の仲間である「免疫細胞」なのです。
腸管免疫とは?
免疫細胞のおよそ3分の2は腸に集中しており、その免疫細胞のリンパ球、好中球、樹状細胞、マクロファージなどが、食べ物の栄養素を吸収するための入り口である小腸のなかで、いわば警備隊として活躍しています。
そのため腸のうちの特に小腸は「腸管免疫」と呼ばれています。
なお、これらのことに関しては、理化学研究所の辨野義己氏が以下のように述べていることが参考になります。
腸管の免疫細胞の約半分は、小腸にあります。小腸の中には、絨毛という小さな突起物が無数にあって、食べ物が消化されてきたブドウ糖、アミノ酸、脂質などの栄養素を吸収します。ちなみに、突起物がたくさんあるのは、栄養素を吸収しないように面積を広げるためと考えられています。
小腸の表面は粘膜上皮細胞という細胞の層が覆っていて、その間には、T細胞や樹状細胞がたくさんはさまる形で存在しています。また、粘膜上皮細胞の下にはプラズマ細胞がいて、抗体を生産しています。そうやって、栄養素と一緒に病原体が身体の中に入っていくことを防いでいるわけです。
(辨野義己『腸を整えれば病気にならない』p56~57)
M細胞とパイエル板
さらに、小腸の内側表面には、絨毛がびっしりと生えており、絨毛の最外層には一層の粘膜上皮細胞が並んでいます。その粘膜上皮細胞の並びのなかに、「M細胞」という特殊な細胞がときおり見られます。
その「M細胞」は下部にポケットをもっており、M細胞がある辺りは絨毛がとぎれて台地状になっています。また、その台地の下には「パイエル板」というリンパ組織が存在しています。
この「パイエル板」と「M細胞」について辨野義己は以下のように述べています。
小腸には、パイエル板という免疫系の司令室にあたる器官もあります。パイエル板は、絨毛と絨毛の間にあって、パイエル板の中には、たくさんのヘルパーT細胞、B細胞、樹状細胞などが存在しています。
パイエル板のすごいところは、腸管を流れていくものを監視する装置があることです。パイエル板の表面には、M細胞という細胞が存在します。M細胞は腸管の中にセンサーを出していて、抗原となる病原体をキャッチします。M細胞の反対側にはポケットのような部分があって、そのポケットには樹状細胞が待ち構えています。病原体がM細胞にキャッチされると、樹状細胞はヘルパーT細胞に「こんなもの食べたよ」と知らせて、獲得免疫が働き始めます。腸の中を通る病原体は、常に監視されているわけです。
このM細胞は、病原体がいないか調べるだけでなく、腸管を流れていくものの全体的な状況を確認しています。例えば、M細胞にキャッチされる腸内細菌の種類が変ると、その情報から、身体の機能が調節されるというわけです。
(辨野義己『腸を整えれば病気にならない』p57~58)
このように腸管から病原体や異物、有害な細菌などが、からだの中に簡単に入り込まないようにするために、常にからだのなかの腸管免疫の仕組みが働いてくれているのです。
そのため、免疫力を維持したり、様々な病気を予防したりするためには、腸管の免疫システムが誤作動を起こさないよう、腸内フローラを改善し、腸内環境を良好に保つことが非常に重要だと考えられます。
そしてそのことが、免疫力を高めて健康を維持していく秘訣なのです。
腸内細菌と免疫の関係
わたしたちの腸には、およそ1000種類・100兆個以上の腸内細菌が生息していると言われていますが、実は腸内細菌・腸内フローラも私たちの免疫系や免疫力の向上に深く関与しています。
しかし腸内細菌は、外部から侵入者であるため、細菌やウイルスと同じように免疫系から攻撃されても不思議ではありません。
ところが、腸内細菌は外部からの侵入者であっても、免疫系によって排除されることはありません。その理由は、腸内細菌がヒトの体内において有益な働きをしているからです。
そして、腸内細菌はどのように免疫細胞に関わっているのかといえば、腸内細菌が免疫細胞を刺激する仕組みには、「Toll(トル)様受容体」というものが関わっています。
この「Toll(トル)様受容体」とは、突き出すようなかたちで腸管免疫細胞の表面に存在しているタンパク質のことで、このToll様受容体と腸内細菌が結合すると、免疫細胞への刺激が始まると言われています。
このように腸内細菌と免疫細胞はToll様受容体を介して対話を行っているため、腸内細菌のバランスを整えていくことは、免疫機能を調整することにつながっていくと考えられます。
アレルギーの緩和にも腸内環境を改善することが有効
実際、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状は免疫システムの異常(免疫細胞のバランスの乱れ)が原因だとされています。
そして、そのアレルギーの緩和には腸内環境を改善することが有効だと言われています。
そのように言われている理由は、腸内環境が整うことで、腸内細菌によって免疫システムが調整されるからなのだと思われます。
以上、ここまで腸内環境の改善が免疫力を高める理由について述べてきましたが、ミトコンドリアと同様、腸内細菌の存在も、免疫力に深く関わっているのです。
なお、具体的な腸内環境の改善方法についてはこちらの記事をご参照ください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪
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