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これまで語られることのなかった、究極の脳の秘密もくわしく解説されていると話題の一冊、西田文郎氏の『命と脳』はもうお読みになりましたか?
今回の記事では、西田文郎『命と脳 人類にしか成し得ない「成功と幸せの科学」』(海辺の出版社)を読んだ感想・レビューを述べていこうと思います。
「脳力開発の魔術師」とも称される西田文郎氏の『命と脳』は、人工知能が劇的な進化を遂げている時代に、「錯覚」と「憶聴」というキーワードを中心として、人間には何が出来るのか、もしくはやがて訪れる「死」を意識しつつ、日本人としてどう生きるかを考えさせられる、これからを生き抜くうえで必読の一冊であると感じました。
私自身、ChatGPTをはじめとした生成AIを便利に使いこなせるようになると、反対に、すべての人間がもっている脳力(能力)が衰えていくのではないと懸念していますが、『命と脳』においては、まさにそのようなことについて詳しく述べられています。
書籍の内容紹介には、以下のような文言があります。
「脳力開発の魔術師」と呼ばれ、一流アスリートやトップ経営者のメンタルトレーニングで多くの実績を上げてきた西田文郎が、自身の脳研究50年の集大成として本書を発表。人間にしかない、そして日本人にしかない「脳の秘密」が読者を圧倒する。
そして「脳は錯覚する臓器である」という、これまでの西田文郎70冊以上の著書の中でも詳しく語られることがなかった、究極の脳の秘密もくわしく解説している。
洗脳される側になるかならないか。搾取される側になってはいないか。それを紐解くだけでも痛快な文章は、これまで知ることのなかった真実の数々に驚きの連続である。391ページという圧倒的なボリュームながら、時に軽快に、時に重厚に、語りかけてくる圧巻の内容。さらに付録の「19のワークシート」は、脳科学の見地から『本を読んだ後の短期的な記憶を、反復することによって長期記憶に刻み込む』ノウハウを駆使しており、読者の成功と幸せをより具体的にする。脳のしくみをとことん知る著者ならではの、驚異的な実践本である。
ちなみにこの本は、西田文郎氏の50年にも及ぶ脳研究の集大成であり、価格が税込みで19800円と他の書籍と比べると大変高価ですが、会社を経営していたり、ビジネス・商売での成功に関心があったりする方は、下手に2000円前後のビジネス書や自己啓発本を10冊読むよりも、この本を購入して手元に置いておき、何度も繰りかえし読むことをオススメします。
一方、これまでにビジネス書や自己啓発本を何十冊も読み、脳科学や心理学、認知科学などにも大変詳しい方であれば、この本の内容の一部はすでに知っていると感じられるかもしれませんので、少し割高だと感じられるかもしれません。
しかし個人的には、私自身が人生の成功のために漠然と考えていたことが、はっきりとした強い言葉で言語化されているようにも思え、特に、本書の「第8章」や「あとがき」で述べられている、以下の言葉が印象的で、心に深く刻まれ、人工知能時代の真の幸福と成功のために、繰り返し本書を読んでいきたいという感想を抱きました。
今までは、人間の脳は常に進化を遂げてきた。賢くなった人間は、本能の脳を使わずとも上手く生きることができ、成功を収めることもできたのである。
逆にいえば、それほどのことしかやってこなかったということでもある。
しかし、これからは違う。
賢さならば、人工知能に遠く及ばない。しかも、科学技術の発達によって、人間の脳の機能はどんどん退化している。
これからを生き抜く者は、人工知能にはない原始の脳、本能の脳を使う者である。
(西田文郎『命と脳』 342頁)
これまでの世界は、「知識の時代」であった。文字によって人は知識を得た。学校教育で大人が子どもに知識を与えることが大前提であった。
やがて、人は、ネットを使って知識を大量に取り入れることができるようになった。
もう賢い大人が教えなくても、人は膨大な知識を得ることができる。そこへ人工知能の到来である。
多くの人が、自分のパソコンで人工知能を使うようになった。しかし、いまの時点では、また「知識の獲得」に使っている人がほとんどだ。ネット検索の域を出ていない。
しかし、世の中のリーダーたちは既に「知性の獲得」に向かっている。おそらく未来はそちらの方向に進んでいくだろう。
つまり、「知識の時代」から「知性の時代」への進化である。
人工知能の時代においても、既に二極化がなされているのだ。そして、多くの人がそこから取り残されていっている。
もう知識の時代ではない。知性の時代も越えなくてはならない。
「超知性」の時代である。
(西田文郎『命と脳』 386~387頁)
西田文郎『命と脳 人類にしか成し得ない「成功と幸せの科学」』 目次
第1章 究極の二極化時代の到来/第2章 錯覚の法則/第3章 経営者の究極の成功とは/第4章 脳科学から見る「命」/第5章 『突き抜けの法則』とは/第6章 命と憶聴/第7章 日本人の「命」/第8章 究極の脳力開発/第9章 命と脳/特別付録 「命と脳」に深く刻み込む[19のワークシート]について
今回の記事では、西田文郎『命と脳 人類にしか成し得ない「成功と幸せの科学」』(海辺の出版社)を読んだ感想・書評を述べてみました。
私自身、まだ一回しか通読していないので、再読して何かさらなる学びや気づきがあったら、また加筆していきたいと思います。
また、商売を始めたものの、どうしても目先の利益にとらわれてしまう経営者や個人事業主の方にも、ぜひ手に取ってみていただきたい1冊です。
従来であれば、他人より学歴がいい、他人より学力が高い、それが社会の入り口の段階での格差であった。しかし、もうそれはない。言わば、
「この世はやったもん勝ち」
の世の中がやってくるということなのだ。
まさに時代はゲームチェンジである。
これが、私たちに待ち受ける未来なのである。
(西田文郎『命と脳』 120頁)
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪