長引くコロナ禍の不安のなかで、「つらい」「いやだ」「最低最悪」「出来ない」「もうダメだ」といったポジティブな言葉を無意識のうちにつぶやいていませんか?
今回は、言葉のチカラが「うつ」な気分を良くするワケについてです。
日頃使っている言葉に注意を払い、ネガティブな言葉をポジティブなものに変えてみることは、「うつ」な気分を変えるために大切です。
というのは、「言葉」が自分にとっての現実や世界観を作り上げている側面はかなり大きいため、日頃の言葉の使い方や接し方によって毎日の気分も変わってくるからです。
たとえば私自身は、これまで読書に多くの時間を費やしてきましたが、過酷な時代や精神の危機を乗り越えてきた作家や思想家、芸術家や宗教家などの深遠な言葉に触れることで、励まされたり、救われた気持ちになったり、傷ついた心が癒されたりします。
一方、テレビのバラエティ番組やインターネット上の一部のウェブサイトには、他人を平気でけなしたり誹謗中傷したりする、相手を敬うのではない言葉が溢れていることが多いと感じられます。
そのため、気分の落ち込みを防ぐためには、そのような言葉への配慮が足りない場は避けたほうが賢明であるように思います。
しかし、テレビやインターネットに接していない時間でも、自分に語りかけるように頭の中でおしゃべりが繰り返されており、その絶え間ないおしゃべりがメンタル面に影響を与えていることも実は問題なのです。
自分の口ぐせが親や教師から知らない間に譲り受けているケースは多い。
このような「言葉」の問題に関して、たとえば医師で気功家の矢山利彦氏は『あいうえお言霊修行』という本のなかで、
「マイナスの言葉の口ぐせが減ると、脳の働きが高まって、勇気、やる気がわいてきます」
と述べています。
ですが、その矢山氏が小さい頃から「こんちくしょう」と言ってしまっていた口ぐせは、「明らかに父親から譲り受けた」ものだったといいます。
このように自分の口ぐせが、実は親や教師などから、知らない間に譲り受けているケースは多いと言えます。
私自身が育った家庭もそうでしたが、もし子ども時代に、両親のどちらかがネガティブな言葉ばかりを繰り返しているのを聞いていたら、自分自身も無意識のうちに同じようなネガティブな言葉をつぶやいてしまっている可能性は高いのです。
また脳科学医の高田明和氏は、『本当に「うつ」が治ったマニュアル』のなかで、「心のあり方を変えようとする方法」である「言霊療法」を紹介し、「私はこの療法でうつを克服できました」と述べています。
実際のところ、普段何気なく使っている言葉がメンタル面に大きな影響を与えていることは確かですので、ネガティブな言葉をポジティブなものに変えるだけで「うつ」な気分が少しずつ改善されていくことは十分考えられます。
さらに高田氏は、『本当に「うつ」が治ったマニュアル』のなかで、
「困ったことは起こらない」
「すべてはよくなる」
「過去は思わず」
などの言葉を「よい言葉」として挙げています。ほかにも、
「責めず」
「比べず」
「思い出さず」
という言葉も他の著作で挙げており、「日常生活で過去の失敗などを思い出し、自分はだめだなどという思いが浮かんだときには即座に、「責めず」「比べず」と自分に言い聞かせます」と述べています。
日頃からよい言葉を繰り返し唱えることが、ネガティブな気持ちをやわらげる。
たとえば自己評価を上げたり、自己肯定感を高めたりするために「アフォメーション」という方法が使われることを多いですが、日頃から良い言葉を繰り返し唱えるようにすることは、ネガティブな気持ちをやわらげるのに役立ってくれるのは確かです。
そのほか、もし仕事などでプレッシャーを感じたり、失敗して挫折しそうになったりしたら、
- 「今の自分で大丈夫」
- 「ピンチはチャンス」
- 「必ずうまくいく」
- 「失敗は成功のもと」
- 「何の問題もない」
といった言葉をただ繰り返すようにしてみるのもオススメです。
頭であれこれと考える前に、まず唱えてみることがポイント。
ポイントは、理屈で考え、頭で納得する前に、ただ唱えるようにするということです。
その理由は気分が落ち込んでネガティブな時ほど、自分のこれまでの経験則による見方や先入観が優先されてしまうため、なかなかポジティブに物事を捉えられないからです。
また、イヤな記憶が浮かんできたり、深刻に考えてすぎてしまう「ぐるぐる思考」が自動的に始まったりしたら、そのことをトリガー(きっかけ)にして、慈悲の瞑想にある、
「私が幸せでありますように」
「生きとし生けるものが幸せでありますように」
といった、ポジティブな言葉を頭のなかで唱えるようにしてみてください。
ほかにも、自分がしたことではなく、普段はなかなか気づかない、何かしてもらったこと(ささいなことでも構いません)に対して自分から気づくようにし、その都度、
「ありがとう」
と唱えてみることもオススメです。
たとえば、日常生活においては、コンビニなどでお店の商品をお金を払って「買ってあげた」ではなく、売ってもらったことに感謝してみることもできるのです。
しかし「なんでお金を払った私のほうが感謝しなきゃいけないの」と頭で理屈っぽく考えてしまうと、「ありがとうございます」と相手に言うことはなかなかできません。
つまり、このやり方のコツは、掃除したばかりのきれいな床にゴミが落ちていたら反射的に拾うのと同じで、行動する前にいちいち理屈で考えないことなのです。
もしそのように出来れば、いろいろ頭でネガティブなことを考えたり、イヤな記憶がすぐに浮かんできたりする場合ほど、「お幸せでありますように」「ありがとうございます」と、ポジティブな言葉を唱える数が増えるのです。
今回は言葉のチカラが「うつ」な気分を良くするワケについて述べてみました。
日頃からネガティブな言葉が口グセになっている方は、よろしければネガティブ言葉をポジティブなものに変換することを試してみてくださいね😊
ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪
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