運動によって「ストレスに強くなる」ことが免疫力の低下を防ぐ。

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免疫力の低下を防ぐためには、運動を習慣にすることによって「ストレス」に対して強くなることが大切

免疫力の低下を防ぐためには、運動を習慣にすることによって「ストレス」に対して強くなることが大切です。

 

前回の記事でご紹介いたしましたが、精神科医のアンデシュ・ハンセン氏は『運動脳』のなかで、コルチゾールによって海馬が萎縮してしまうと、ストレス反応が抑えられにくくなり、結果的に「ストレスがストレスを生むという悪循環」が生じてしまうということについて述べています。

このようなストレスホルモンである「コルチゾール」が海馬に悪影響を与え、さらに悪循環を招くということについては、

「扁桃体は、内部のニューロンの発火が活発になればなるほど強くなり、ついには海馬との協力体制において支配権を握る」

「ストレスがあたりまえとなり、その感覚が漠然とした恐れとなり、やがて不安へと変化する」

といったように、医学博士のジョン J.レイティ氏も『脳を鍛えるには運動しかない!』のなかで指摘しています(1)。

 

しかしながら、ジョン J.レイティ氏も、アンデシュ・ハンセン氏と同様に、

 運動は、ストレスをたくみにコントロールし、細胞レベルにもはたらきかける。(略)ニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。ストレスによって鍛えられ、回復能力を増していくのだ。

 定期的に有酸素運動をすると体のコンディションが安定するので、ストレスを受けても、急激に心拍数が上がったり、ストレスホルモンが過剰に出たりしなくなる。少々のストレスには反応しないようになるのだ。

といったように、慢性ストレスの対策には運動が有効であるということについて言及しています(2)。

 

ここで重要なのは、運動すること自体は体にとって「ストレス」なのであり、普段から運動不足である場合、自分にとってキツい運動をすることは不快な体験であることは変わりないのですが、運動をすればするほど、筋肉が鍛えられるように脳の神経細胞がより丈夫になり、さらにストレス耐性も高くなるという点です。

 

 運動は自発的にすることなので、そのストレスは予測できるし、コントロールできる。その点が心理上、重要な意味をもっている。自分を支配しているという感覚と自信が得られるからだ。アルコールなどの副作用のある対処法に頼らなくても、ストレスをコントロールできるとわかっていれば、気持ちの切り替えがうまくなる。まず学ぶべきなのは、自分の対応力を信じることだ。

ジョン J.レイティ『脳を鍛えるには運動しかない!』 野中香方子 訳 101頁

 

またレイティ氏は、「運動すれば、心身ともに強く柔軟になり、難問をうまく処理し、決断力が高まり、うまく周囲に適応できるようになる」とも述べています。

つまり、もし自分自身が常日頃、ストレスに対して弱い人間であると感じるならば、運動を習慣にすることによって「ストレス」に対して強くなることが大切なのです。

 

ちなみにここでいう「ストレスに強くなる」というのは、日常生活のなかで困難な事態に陥ったとしても、柔軟に対応できるということです。

そして、もし自分のなかでストレスにうまく対処出来るようになれば、そのことは、慢性ストレスによる免疫力の低下を防ぐことにもつながっていくのです。

 

 現代生活のストレスをいかに減らすかを説くさまざまなアドバイスが見失っているのは、人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶという点だ。細胞レベルでもそれは同じで、ストレスは脳の成長に拍車をかける。ストレスがそれほど過酷なものでなく、ニューロンが回復する時間があれば、その結びつきは強くなり、わたしたちの心の機械はよりスムーズに動くようになる。よいか悪いかの問題ではない。ストレスは必要不可欠なものなのだ。

ジョン J.レイティ『脳を鍛えるには運動しかない!』 野中香方子 訳 79頁

運動でストレスに強くなる。

運動でストレスに強くなる。

注釈

1 『脳を鍛えるには運動しかない!』 ジョン J.レイティ エリック・ヘイガーマン 著 野中香方子 訳 NHK出版

 慢性ストレスが海馬をいじめて――樹状突起を縮め、ニューロンを殺し、ニューロン新生を妨げて――いるあいだ、扁桃体の方もやりたい放題だ。過剰なストレスによって増えた扁桃体内部のニューロン結合は、ひっきりなしに発火して、コルチゾールを欲しがる。コルチゾールはすでに十分すぎるほどあるのだが。そして、このまずい状況がさらなる悪循環を招く。扁桃体は、内部のニューロンの発火が活発になればなるほど強くなり、ついには海馬との協力体制において支配権を握るようになり、記憶の内容――そして、現実とのつながり――を抑え込み、見さかいなしに恐怖という焼印を推し始めるのだ。ストレスがあたりまえとなり、その感覚が漠然とした恐れとなり、やがて不安へと変化する。そうなると、見るもの聞くものすべてがストレスに感じられ、さらなる不安へとつながる。(97頁)

2 前掲書

 運動は、ストレスをたくみにコントロールし、細胞レベルにもはたらきかける。しかし、運動そのものがストレスの一種なのだとしたら、そんなことがある得るだろうか。実は、運動によって引き起こされた脳の活動は、分子サイズの副産物を生み出し、それがニューロンを傷つけるが、通常は修復メカニズムがはたらいてニューロンはむしろ強くなり、今後の問題に対処できるようになるのだ。ニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。ストレスによって鍛えられ、回復能力を増していくのだ。こうして運動は心身の適応能力を磨き上げていく。(78頁)

 定期的に有酸素運動をすると体のコンディションが安定するので、ストレスを受けても、急激に心拍数が上がったり、ストレスホルモンが過剰に出たりしなくなる。少々のストレスには反応しないようになるのだ。脳では、運動によって適度なストレスがかかると、遺伝子が活性化してタンパク質が生成され、ニューロンを損傷や変性から守るとともに、その構造を強化する。さらに運動はニューロンのストレス耐性の閾値も上げる。(91頁)

 

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪

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