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今回は酸化ストレスは多くの病気の原因であるということについてです。
「酸化ストレス」は生活習慣病をはじめとした多くの病気の原因になってしまうとされていますが、では、この「酸化ストレス」とは一体何でしょうか?
この「酸化ストレス」の「酸化」とは、簡単にいえば活性酸素によってカラダの中がサビることです。
激しい運動を行ったり、紫外線を浴びたりすると、体内で「活性酸素」が増えて老化が促される、シミやしわの原因になる、といったことについては、健康に関心がある方ならば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
このフリーラジカルの一種である活性酸素は、私たちが呼吸をするたびに体内で発生しており、殺菌作用やガン細胞の破壊などに利用されているため、ある程度は健康を維持するために必要不可欠なのですが、必要以上にストレスを受けたり、無酸素運動などの激しい運動を行い過ぎたりすると、体内で増えすぎてしまうのです。
そして増えすぎた活性酸素は、細胞の老化促進や肌のシミ、しわ、さらにはがんやアレルギー、認知症など、様々な病気・疾患の原因にもなるといわれています。
活性酸素によって引き起こされる<酸化ストレス>
では、なぜそのように老化や病気の原因になるのかといえば、活性酸素(フリーラジカル)は、ミトコンドリアの機能低下をもたらし、「細胞核DNA」に「酸化損傷」を与えるからです。分かりやすく言えば、「悪玉」と呼ばれる活性酸素は、私たちの細胞にサビつきと劣化をもたらすのです。
そしてこのことが「酸化ストレス」と呼ばれているのです。
また酸化ストレスはサイトカインを暴走させるきっかけにもなり、そのことが「炎症」を引き起こす原因にもなるとされています。
つまり必要以上のストレスは活性酸素を生み出すことで細胞の酸化と劣化をもたらし、さらには「炎症」までも引き起こす原因になってしまうのです。したがって、ミトコンドリアによって生活習慣病をはじめとした病気の予防や老化の促進を防ぐためには「活性酸素」による酸化ストレスを減らすことが重要になってくるのです。
ちなみに、この「酸化ストレス」に対して、医学博士の熊沢義雄氏は『慢性炎症を抑えなさい』のなかで、
酸化物は、ダメージを受け、本来あった姿形でなくなってしまいます。たとえば、鉄が酸化すればサビになり、その部分はもろくなってしまうでしょう。私たちの体内で酸化が進むということは、それと似たようなことが細胞レベルで起きているということなのです。
実際、体内でからだの成分が酸化することを発端に、やっかいな問題が次々と起きています。
(熊沢義雄『「慢性炎症」を抑えなさい』p25)
加齢やストレス、紫外線、そのほか、喫煙や化学物質などさまざまな影響によって抗酸化力が落ちてくると、体内で起きる酸化と抗酸化のバランスが崩れ、酸化はどんどん進んでしまいます。
こうなると、体内で増え過ぎた活性酸素によって正常な細胞がダメージを受けることになり、からだのあちこちで小さな炎症が次々と起きてしまうのです。
実際、活性酸素が増えることで慢性炎症が引き起こされ、それが結果的にガンやアルツハイマー病など、さまざまな病気につながっていることが、近年の研究で明らかになってきています。
(熊沢義雄『「慢性炎症」を抑えなさい』p26~27)
と述べています。
つまり活性酸素による酸化ストレスは、炎症が止むことなくだらだらと続いてしまう慢性炎症の引き金にもなるのです。
不必要なストレスを避けることが細胞の酸化を防ぐ。
以上、ここまで酸化ストレスとは何かについて述べてきましたが、「酸化ストレス」は、息がきれるような激しい運動や、人間関係における心理的苦痛、睡眠不足、喫煙、化学物質、食品添加物など、からだにとって「ストレス」になるものや出来事によって生じてくると思われます。
もちろん、人間が現代社会を生き抜くためには、ある程度の「ストレス」は避けては通れないものですし、時には自分を奮い立たせるために必要になってきます。
しかし老化や生活習慣病、慢性炎症などの原因になってしまう「酸化ストレス」を防ぐためには、呼吸によるマインドフルネス瞑想などを活用し、ミトコンドリアを機能を低下させてしまうほどの不必要なストレスを避けることが、より重要になってくると考えられるのです。