contents
今回は食品添加物が腸内環境悪化の原因になるということについてです。
私たちの腸内には100種類・100兆個以上もの腸内細菌が存在しており、その群生の様子はお花畑になぞらえて「腸内フローラ」と呼ばれています。
その腸内細菌の集まりである腸内フローラや腸内環境は、免疫系に深く関わるなどしているため、普段から腸内細菌のバランスを整えるよう腸内環境を改善していくことは、日頃の健康維持と長寿の実現のためには欠かせません。
しかし、腸内フローラや腸内環境を悪化させてしまう要因があり、それらには、
などが挙げられるのですが、今回はそのうちの「食品添加物」について述べていきたいと思います。
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されている加工食品や惣菜などは、私たちに手軽に口にすることが出来るという便利さをもたらしましたが、これらに含まれている食品添加物の多くは、腸内細菌のバランスを崩してしまったり、腸内環境を悪化させたりする原因であると考えられます。
特に安息香酸やソルビン酸、プロピオン酸、ポリリジンといった合成保存料は、雑菌の繁殖を抑え、食品の腐敗を防ぐ目的で使用されていますが、腸内細菌の数を増やさないといった、腸内細菌叢(腸内フローラ)への影響があると思われます。
保存料や人工甘味料などの食品添加物は腸内フローラを悪化させる。
例えば、医学博士の藤田紘一郎氏は、「保存料の目的は、細菌など微生物の増殖を止めることです。これが腸に入れば、腸内細菌の活動に影響を与えるのは間違いありません」と述べています(『人の命は腸が9割』)。
また、「保存料を毎日摂っていると、腸内細菌が減ってしまうために大便も貧弱になるのです」としています。
そのため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで食品を購入する際は、保存料を中心に、食品添加物がなるべく少ないものを選ぶことは、腸内細菌のバランスを保ち、腸内環境を良好に維持するために大切なことだと思われます。
さらに、腸内環境に良いと思って食べている発酵食品も、スーパーやコンビニで販売されているものには食品添加物が使われている場合がありますので、その点についても注意が必要です。
そのほか、一般的に砂糖の摂り過ぎは悪玉菌増殖の原因になるといわれていますが、かといって人工甘味料の摂取にも注意が必要であると思われます。
その理由は、近年は、砂糖よりも低カロリーでヘルシーだとされているサッカリンなどの人工甘味料を摂取すると、腸内細菌のバランスが崩れるという研究発表があるからです(欧州糖尿病学会(EASD)やイスラエルの研究チームの発表など)。
もちろん、普段の食生活から食品添加物を完全になくすということは不可能に近いですし、食品添加物に神経質になりすぎることは、かえってストレスになり、腸内環境を悪化させてしまうことにつながるかもしれません。
したがって、加工食品に含まれる食品添加物を100%悪者扱いすることは避けたいと思いますが、腸内環境を良好に保つためには、まずは出来る範囲で食品添加物の摂取を減らすことも、日々の食生活や腸活・菌活において必要になってくると感じます。
なお、私なりの腸内環境・腸内フローラの改善方法についてはこちらの記事をご参照ください。