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ミトコンドリアが関わるTCAサイクル(クエン酸回路)についてご存じでしょうか?
この記事でお伝えするTCAサイクルは、細胞のミトコンドリアで行われるエネルギー生産の中心的な代謝回路であり、「食べたものがどうやってエネルギーになるのか?」 を理解する上で、TCAサイクルは非常に重要な概念です。
TCAサイクルはグルコースや脂肪、アミノ酸の代謝産物(アセチルCoA)を分解し、電子伝達系へ送るためのNADHやFADH₂を生成する役割を持ちます。
また、呼吸で排出されるCO₂もこのサイクルから生じています。
TCAサイクル(クエン酸回路、Krebs cycle)とは?
TCAサイクル(Tricarboxylic Acid Cycle、クエン酸回路)は、細胞のエネルギー代謝の中心となる反応で、ミトコンドリア内で行われる代謝経路です。主に、糖(グルコース)、脂肪酸、アミノ酸などの栄養素が最終的にAcetyl-CoA(アセチルCoA)に変換され、このサイクルに入ります。
TCAサイクルは、酸素を利用する細胞呼吸の一部であり、電子伝達系と連携してATP(エネルギー分子)を生産するために必要なNADHやFADH₂を生成します。
TCAサイクルの具体的な流れ(8つのステップ)
1. アセチルCoAの取り込み(クエン酸合成)
2. クエン酸の異性化(アコニターゼ反応)
3. イソクエン酸の酸化的脱炭酸
4. α-ケトグルタル酸の酸化的脱炭酸
5. スクシニルCoAの加水分解とGTP合成
6. スクシン酸の酸化
7. フマル酸の水和
8. リンゴ酸の酸化
TCAサイクルの産物とエネルギー収支
1回のTCAサイクルで生成されるエネルギーキャリア:
- NADH ×3(電子伝達系でATP合成に利用)
- FADH₂ ×1(電子伝達系でATP合成に利用)
- GTP ×1(ATPと等価)
- CO₂ ×2(呼吸で排出)
電子伝達系を通じて、1回のTCAサイクルで合計約10 ATP相当のエネルギーが得られます。
TCAサイクルの意義
- エネルギー産生:NADHやFADH₂を電子伝達系に送り、ATPを大量に生成。
- 代謝の中心:糖(解糖系のピルビン酸)、脂肪酸(β酸化のアセチルCoA)、アミノ酸(代謝産物)がこのサイクルに入り、エネルギーとして利用される。
- 生命維持に必須:酸素を利用して効率的にATPを作るため、好気的代謝の根幹をなす。
ちなみに他の記事でお伝えした、酸素を利用した呼吸は、解糖系⇒TCA回路(クエン酸回路)⇒電子伝達系の3つの過程を経て段階的に行われます。
今回はミトコンドリアが関わるTCAサイクル(クエン酸回路)について述べてみました。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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