アフターコロナの人生100年時代、お金をかけずに健康長寿&アンチエイジングを実践し、いつまでも若々しく元気な生き方を始めてみませんか?
前回の記事ではアンチエイジングとストレスと慢性炎症の関係について述べ、最後に、「ストレス」というとネガティブな印象を抱きがちですが、あえて、逆境ともいうべきストレスに立ち向かい、生き延びようとすることも、健康長寿とアンチエイジングの秘訣だと述べました。
実は、アンチエイジングの鍵は良くも悪くも「ストレス」が握っているのです。
家族や職場の人間関係について悩むことが多かったり、友人や恋人の言動にイライラすることが多かったり、お金がないことへの不安が尽きなかったり……もしそのことが慢性的なストレスになってしまえば、どうしても「老化」につながってしまいます。
また若さを失いたくないという理由で「アンチエイジング」に固執したとしても、老いに逆らえないことにストレスを感じてしまうのであれば、本末転倒です。
しかし健康長寿やアンチエイジングを真に実現するためには、「ストレス」を「脅威」として嫌がり、避けようとするのではなく、あえて「ストレス」に積極的な価値を見出し、立ち向かう(もしくは避けられないものとして受け容れる)ことが必要になってきます。
このようなストレスの二面性について、サイエンスライターの鈴木祐氏は『不老長寿メソッド』のなかで、「老けるストレス」と「若返るストレス」を挙げています。
- 「老けるストレス」……「人間関係の不満や人生への不安などが頭のなかでくり返される慢性的なメンタルの負荷」
- 「若返るストレス」……「何らかの目標に向かって努力しているときに味わう精神的な緊張感」
また同書において、
- 「人間の体には、生まれつき心身の若返りシステムが備わっている」
- 「心身の強化システムは、「苦痛」と「回復」の刺激で働きだす」
- 「強化システムが働くと、あなたは以前より若くなる」
という3つのポイントを挙げたうえで、「ホルミシス」という若返りシステムが体に眠っており、「この仕組みを「苦痛」と「回復」で呼び起こす」のが「アンチエイジングの基本」だとしています。
ちなみに「ホルミシス」とは、鈴木氏によれば、「多すぎれば有害だが、少なければ有益に働く作用」であると言います。
また科学者のデビッド・シンクレア氏は『ライフスパン』のなかで、
「ホルミシスとは、毒が毒にならない程度の量で刺激効果を現わすことを指す」
「一般に、ホルミシスは生物にプラスの作用を及ぼす。永続的なダメージを引き起こさずに誘発できた場合はなおさらだ。ホルミシスが起きるとき、すべては良好な状態になる」
と述べています(注1)。
「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、健康長寿やアンチエイジングのためには、脳や身体にあえて負荷をかけるための少量のストレス(苦い経験)が必要になってくるのです。
しかしその「ストレス」は、多すぎても少なすぎてもいけないのです。
たとえば人間関係に悩みながら不眠不休で働き続けたり、炎天下で紫外線を浴び続けたりすれば、身体にとってのストレスが多すぎることで「老化」が促されてしまいますし、かといって少なすぎれば、ぬるま湯に浸かり続けるようなもので、「若返りシステム」を呼び起こすための刺激が与えられません。
つまり、普段から精神的にも肉体的にもストレスを感じることが多い場合は、睡眠によって十分に休息したり、瞑想や、自分自身を思いやるためのセルフコンパッションなどを毎日実践したりすることで、まずは日頃のストレス対策をしっかりと行うことが大切になってくるのです。
一方、人生に張り合いがなく、ただ何となく時間が過ぎていってしまうという場合は、普段からやり慣れないこと・苦手なことにチャレンジしたり、新しい環境に身を置いたりするなどして、アンチエイジングのためにあえて心身に負荷をかける(ストレスを感じてみる)ようにしてみるのです。
また日常生活においては、あえて負荷をかけるために、筋力トレーニングなどの運動をしたり、空腹を感じたり、寒さを感じたりすることが有効です。
このような実践は、もっとエネルギーが必要であるという状況に身をさらし、サバイバル回路が働くことで、細胞内のミトコンドリアを増やしたり、長寿遺伝子を働かせたりすることにつながっていきます。
そして健康長寿とアンチエイジングを「ストレス」によって実現するためには、いつもとは違う困難な状況や逆境にあえて身を置き立ち向かったら、そのあとは回復のためにしっかりと休息することが肝要です。
(ちなみに私自身、忙しすぎ・疲れすぎの時こそしっかりと休まないとストレスで老け込んでしまうため、近頃はきちんと休息することの大切さを思い知らされるばかりです💦)。
注1 『ライフスパン LIFESPAN 老いなき世界』 デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント 著 梶山あゆみ 訳 東洋経済新報社
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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