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ひとりでいる時間を最高に充実させることで、新生活を楽しんでみませんか?
以前の記事で、臨床心理士である諸富祥彦氏の『孤独であるためのレッスン』を取り上げ、真に孤独を生きるために大切なのは、自分で自分の人生を肯定することであると述べたことがありましたが、今回は、その『孤独であるためのレッスン』の実践編とも言うべき『「孤独」のちから』を取り上げたいと思います。
『「孤独」のちから』 (海竜社)のなかで諸富祥彦氏は、「自分らしい人生、いい人生を送っている人の共通点」として、
- 「自分にとって大事なことと、大事ではないことを知っている」
- 「思いきりがいい」
- 「すぐに行動に移せる」
の三つを挙げています。
さらに、「自分らしい生き方をするための、基本条件」として、以下を挙げています。
①自分にとって何が大事で、何が大事でないかに気づく。
②大事でないものは思いきりよく捨てて、
③実際に行動に移す。
これらは、人間関係のしがらみからあえて距離を置いたり、積極的に「ひとり時間」を生み出していったりするために重要であるように思います。
また「ひとりになって自分の心を対話し、自分らしい人生をクリエイト」していくためには、まず物理的な条件を整備することを勧めています。
具体的には、
「ひとりでいられる時間を確保する」
「自分と対話できる空間(場所)を見つける」
の二つを挙げているのですが、「自分と対話できる空間(場所)を見つける」、すなわち「「マイ・スペース」をつくるのが先決」だといいます。
マイ・スペースとは、「自分と深く向き合うため」の場所
この「マイ・スペース」に関して諸富氏は、
マイ・スペースというのは「ここにいるとなぜか、気持ちが落ち着く」「なんか自分らしくいられる」「深く自分を見つめられる」などと感じられる場所のことです。
自分と深く向き合うためには、まずはそういった場所を見つけることをおすすめします。
と述べています。
つまりマイ・スペースとは、
「自分と深く向き合うため」の場所
なのです。
さらに、「高度情報化社会に生きる私たちは、日々刺激にさらされ」、「それに反応することが無意識のうちに習慣化してしまっています」が、
「マイ・スペースというのは、刺激反応をシャットアウトし、自分と自分の人生を見つめる場所なのです」
と説明しています。
マイ・スペースは、刺激反応の連鎖を切断し、見失っていた自分と向き合う空間といえます。
こうきたらこうする、という刺激反応の連鎖を切断できてはじめて、人間の心は外的なものに向かわずに、自分の内面に向かっていくことができます。
自分にとって、何が大切なのか。
今、人生で大事にしなければいけないのは何なのか。
マイ・スペースというのは、刺激反応をシャットアウトし、自分と自分の人生を見つめる場所なのです。
諸富祥彦『「孤独」のちから』 142頁
もともと人間というのは、ひじょうに身体的な存在です。心落ち着けるマイ・スペースに身を置くと、自分と向かい合わざるをえなくなる。あるいは、自然に自分と向き合うモードになっていく。それは身体的な反応です。
刺激と反応が氾濫している現代社会においては、それらから自分を遠ざけることのできるマイ・スペースを確保することが、ますます重要になってくるでしょう。
心も体も疲れがちな現代人は、外的な刺激と反応の世界と、内面の世界とをしっかり分けておくことが必要です。
(同上 144頁)
ちなみにマイ・スペースは、家の中であれば、窓際やベランダ、トイレやお風呂など、家の外ならばカフェやバー、ホテルや車の中、山や森といった自然の中などが挙げられています。
またマイ・スペースでは、あえて何もしない・あれこれと考えないことも重要だといいます。
マイ・スペースに居ることで大事なのは「考えるのではなく、ただ心の声が聞こえてくる。雑念がふっと消えて、自分と深く対話するモード」になれることなのです。
自分だけのマイ・スペースを見つけると、心のモードがスーツと切り替わっていくのがわかるはずです。つまり、ひとりになるということは、心のモードチェンジでもあるのです。心のモードを変えて、あれこれ考えない。そこでは何もしない。マイ・スペースでは「何もしない」を「する」ことが大切なのです。
自分だけのマイ・スペースをつくるには、とにかくいろいろな場所に行ってみてください。そして「ここだ!」と感じる、あなただけのマイ・スペースを見つけてください。
諸富祥彦『「孤独」のちから』 167頁
孤独を選び自分らしく生きるためのマイ・スペースを見つけてみる。
ちなみに諸富祥彦氏は、「家の近くの江戸川がマイ・スペースのひとつ」であり、
「夕方の川辺に座って、川面の移ろいを眺めていると、静かな気持ちでおのずと自分を深めていくことができます」
と述べていますが、私自身も、近頃は地元の広瀬川がマイ・スペースのひとつであり、瞑想とウォーキングを兼ねつつ、ゆっくりと川のせせらぎ音に耳を傾けたり、川面の様子を観察したりすることで、ひとり時間を大切にしています。
あえて孤独を選び、自分らしく生きるために、まずは心を落ち着かせて「自分と深く向き合うため」のマイ・スペースを探してみてはいかがでしょうか?
ひとりになって自分と向き合える人は、自分と対話するモードと、他者と対話するモードとの、両方を備えています。そしてチャンネルを自在に切り替えることができます。つまり自分と深く対話することができ、他者とも深く対話できるのです。
人間関係の基本原則は、自分と深く出会うことができなければ、他者との深い出会いもない、ということです。
だからこそ、「わずらわしい人間関係を断って、ひとりになりたいけれど、やっぱりひとりはさみしい……」と思っている人には、まず思いきってひとりになる時間をつくってほしい。自分を見つめてみてほしいのです。
(諸富祥彦『「孤独」のちから』 82頁)
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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