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日常生活のなかで、何となく気分が落ち込むということはありませんか?
「うつ」な気分の改善には、ゆっくりとした運動がオススメです。
まず、運動を行うことは心と身体や、自律神経のバランスを整えるために必要不可欠だと思われます。
適度な運動は身体と心に様々な良い効果を与えてくれることはよく知られています。
実際、運動をほとんど行わない毎日を過ごしていると、脳の同じ部位だけを使うようになり、心身のバランスは崩れていってしまいますが、ジョギングなどの運動を無理しない程度に行うことは、脳の様々な部位を刺激し、認知機能を改善することにつながっていきます。
特にうつの症状は脳の炎症と深く関係していると考えられますが、適度な運動には体内で起こっている炎症を抑える働きがあるとされています。
とはいっても、うつの状態にあるときは、エネルギー不足も関係しているため、運動をしようという気がなかなか起きないものです。
そのため、無理に激しい運動や長時間の運動を行う必要は無く、ウォーキングやスロージョギングなどの有酸素運動を1日に20分程度マイペースで行うだけで十分です。
しかも、無理に激しい運動を続けること自体、体内の活性酸素を増やしすぎる原因にもなるため、細胞内のミトコンドリアのためにもお勧めできません。
うつの症状をやわらげていくためにはヨガなどゆっくりとした運動が効果的。
そういうわけで、うつの症状をやわらげていくためには、スローペースのジョギングやウォーキングを行なったり、ヨガや気功など、家の中でもできる、ゆっくりとした運動を行ったりするのが効果的です。
また、慢性的な運動不足や、長時間のデスクワークは、ストレスを溜め込むだけではなく、腸内環境を悪化させたり、便秘の原因になったりするので、注意が必要です。
特に腸は脳と神経系でつながっているため、腸内環境の悪化は、うつの症状と関係してくると考えられます。
以上ここまで、ゆっくりとした運動がうつの改善にオススメなわけについて述べてきましたが、運動には、脳を活性化したり、自律神経のバランスを整えたり、からだの炎症を抑えたりする働きがあるため、日頃の生活のなかで適度な運動を行う習慣を持つことは、うつの改善に大きな役割を果たしてくれると考えられます。
ちなみに、もし体を動かすのが億劫であれば、ヨガや軽いストレッチなどで、
- ねじる
- 反らす
- 伸ばす
などの運動を、からだに生じる感覚を観察しながらゆっくり行うだけでもOKです(特にヨガは体が硬い方にもオススメです)。
食生活と並び、うつの改善に大きな役割を果たすのが運動です。
第一に、運動は脳を効率よく活性化します。筋肉は脳からの指令によって動くわけですが、反対に筋肉も感覚器として脳を刺激する働きをしています。さらに、筋肉が動くと、血流やホルモンの分泌もよくなりますから、神経細胞の働きや新陳代謝も活発になるのです。
また、エクササイズによって肥満を解消していくと、慢性炎症を改善する効果も得られます。脂肪細胞が減ると、体内の炎症伝令物質が減ります。それによって、脳や体で炎症が起こりにくい体質になるのです。
(最上悠『「脳の炎症」を防げば、うつは治せる』 p117)
うつ病には運動療法が効果があるという報告があります。どのような仕組みでうつ病が改善されるかはまだはっきりとはわかっていませんが、うつ病と診断された患者に運動療法を行うことで抗うつ薬の投与量を減らすことができたという報告もあります。
また、運動によって、脳由来神経栄養因子(BDNF)が抗うつ剤を投与するよりも増加したという報告もあり、精神科の医師の中には患者と一緒に走ることでうつ病を治療する、いわば「ジョギングセラピー」を実践している人もいます。
(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 角川グループパブリッシング p118)
運動が脳の健康にいいと言われるのは、単に運動が脳への血流を促進して、細胞の成長と維持のための栄養を届けてくれることだけではない。最新の科学によると、こんな五つのメリットがある。
- 炎症を抑える
- インスリン感受性を高める
- 血糖コントロールを改善する
- 記憶中枢を大きくする
- BDNFの量を増やす
(デイヴィッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p273)
うつの予防対策には、食事・運動・瞑想といった生活習慣が大切です。