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当ブログではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、真の健康の実現と多くの病気の問題を解決する方法について考えていますが、今回は適度な糖質制限はミトコンドリアによるアンチエイジングに効果的なわけについて書いていきたいと思います。
近年流行している糖質制限ダイエットについては、糖質を減らすと痩せる、逆に太るなど、賛否両論がありますが、ミトコンドリアとアンチエイジングという観点から考えると、糖質をまったく摂らないようにすることと同じように、糖質の摂りすぎも良くないのかもしれません。
日置正人氏は『ミトコンドリア不老術』のなかで、
酵母菌の培養実験によると、栄養素としてのブドウ糖が少なく、酸素が豊富な条件下で培養すると、ミトコンドリアが増えることが確認されています。全く逆にブドウ糖が多く酸素が少ない条件下で培養すると、ミトコンドリアが退化してしまうという結果です。ブドウ糖が少なく酸素が豊富な条件とは、まさしくミトコンドリアの出番といえます。ブドウ糖が少ないということはいわば飢えの状態です。
(日置正人『ミトコンドリア不老術』p92)
と述べていますが、酵母の培養実験では、ブドウ糖が少ない環境のほうが、ミトコンドリアは増えるというのです。
老化の仕組みは「ミトコンドリアの機能低下と数の低下によるエネルギー不足」?
また、日置正人氏は「私の考える老化の仕組みは「ミトコンドリアの機能低下と数の低下によるエネルギー不足」と考えています。」としたうえで、以下のように述べています。
カロリー制限はミトコンドリアの機能や数を増やすという意味でエネルギー不足を解消します。カロリー制限がエネルギー不足を解消するという言い方は少し奇異な感じがしますが、ブドウ糖が豊富な状況下では解糖系が働くためそんなに大きなエネルギーが作られません。そのような状況が続くことで、酵母菌と同じようにミトコンドリアは退化してしまう可能性があります。
(日置正人『ミトコンドリア不老術』p94)
ブドウ糖が豊富な状況が長く続いた後、突然飢餓のようにブドウ糖が少なくなるとミトコンドリアの機能低下のために、必要なATPを作ることができない可能性があります。逆にブドウ糖が少ない状況が長く続くと、常にミトコンドリアが作動し、ミトコンドリアは強化され数も増殖するものと考えられます。
これがミトコンドリアから見たカロリー制限がアンチエイジングにいい根拠です。
もし、長寿遺伝子の実態が判明し、それがミトコンドリアの機能強化の遺伝子であった場合、この考え方は見事に結びつくかもしれません。実際そのような発表もされています。
(日置正人『ミトコンドリア不老術』p95)
ミトコンドリアを増やすには適度な糖質制限が重要
つまり、ミトコンドリアを増やすには、糖質制限が大事だということになるのです。
しかし、だからといって、極端な糖質制限はオススメできません。
その理由は、代謝のためのエネルギーとして糖質は必要不可欠だからです。人間の体はミトコンドリア以外にも解糖エンジンによって、糖質からエネルギーが作られています。
したがって、体が必要としている分の糖質は、自分の身体と向き合いながら、きちんと摂るようにすることが大切だと当ブログでは考えます。
つまり、あまり体を動かさないのに、ごはんやパンばかりを食べているのであれば、糖質制限はミトコンドリアのために有効かもしれませんが、体にとって糖が足りていないのに、ダイエットや美容のためだからといって、糖質を極端に減らすことは避けた方が良いと言うことです。
また、腸内細菌のエサになり、腸内フローラで生命力を高めるために必要なオリゴ糖や食物繊維も、炭水化物ですので、腸の健康を保つという意味でも、「炭水化物は絶対に摂らないようにする!」といったような無茶な糖質制限は避けるべきです。
ですが、医学博士の藤田紘一郎が、『脳はバカ、腸はかしこい』のなかで、
持久力を求められる中高年以降では、解糖エンジンがあまり必要でなくなってきます。解糖エンジンで産生させるエネルギーは、量が少なく持久力としては使えないからです。歳をとってくると、エネルギー系は解糖系からミトコンドリア系へと移行します。したがって、歳をとると糖を摂りすぎるのは困ります。糖を摂りすぎるとミトコンドリアエンジンの働きが弱くなるからです。
(藤田紘一郎『脳はバカ、腸はかしこい』P174)
と述べているように、40代・50代を越えてきたら、「エネルギー系は解糖系からミトコンドリア系へと移行」していくため、ご飯やパンのドカ食いはやめ、炭水化物の摂り過ぎは避けたほうが、新陳代謝を良くして老化を防ぐ、自然に逆らわないアンチエイジングのためには効果的なのだと考えられるのです。
なお、糖質の選び方について関心がある方はこちらの記事をご参照ください。