毎日の食事を、ゆっくりとよく噛んで、味わっていますか?
今回は、食べる瞑想で日々の食事をじっくりと味わうことが幸福につながるということについてです。
現代は「飢餓」よりも「飽食」の時代とも呼ばれ、一度食べたらやめられなくなるような、化学調味料による刺激的な味付けがなされている食品に囲まれていることが当たり前になっています。
ところが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで食べ物をすぐに便利に購入できるようになった一方で、「食べる」ということをあえて意識したり、食べる事の意味を考えたりする機会は減っていっているのではないでしょうか?
そのため、マインドフルネス瞑想によって、意識的に味覚を感じるためにすべきことは、ゆっくりと味わうようにすることです。
そして、生きる糧(かて)としての食べ物があることに感謝することなのです。
もちろん、そうしたくても、毎日仕事で忙しく、時間に追われてばかりで、食べ物をじっくりと味わう暇がないという方は多くいらっしゃると思います。
しかし、通学や出勤前は時間の余裕がないとしても、休日や、比較的時間に余裕がある夕食の機会を利用して、食べ物の風味をマインドフルに感じるようにするトレーニングを行うことはできます。
たとえば、ジョン・カバットジン『マインドフルネスストレス低減法』の中では、食べる瞑想に関して、一粒のレーズンが用いられ、時間をかけて十分に噛み、感触を確かめながらのみ込むようにすることが推奨されています。
マインドフルネスを食事で行う際は、ただ、食べる事だけに専念する。
ですが、レーズンを用意しなくても、どんな食材であれ、ひとくち口のなかに入れるたび、舌に意識を集中させ、よく咀嚼し、味だけではなく香りも含めた風味と食感を楽しむようにすることが出来ます。
このことに関しては、瞑想講師のジャン・チョーズン・ベイズ氏が『「今、ここ」に意識を集中する練習』のなかで述べている通り、食べる事に専念することが大切で、テレビを見ながらや、スマートフォンを側に置きながら、新聞を読みながら、といった「ながら行為」が当たり前の食事では、「食べること」を意識することは難しいのです。
食べ物にまったく注意を払っていなければ、その食べ物がそこにないも同然です。お皿にあるものすべてを平らげても、まだ満たされない思いが残ります。すると、さらに食べ続けてしまい、お腹が苦しくなるまで止められません。
マインドフルに気持ちを込めながら食べれば、たとえひと口でも、食べることが豊かで多彩なものになります。
(ジャン・チョーズン・ベイズ『「今、ここ」に意識を集中する練習 心を強く、やわらかくする「マインドフルネス」入門』 高橋由紀子 訳 日本実業出版社 p59)
そのため、マインドフルに食事を行なう際は、必ずテレビを消し、目を閉じ、口のなかに意識を向けて、食べる事の瞬間や喜びをじっくりと味わうようにしてみてください。
食べ物に感謝するための「ゆる断食」で幸福感を感じる。
また、先程、現代は「飽食」の時代だと述べましたが、お米の一粒一粒など「食べ物」のありがたみを感じたり、一回の食事に感謝の気持ちを持ったりするためには、時々、半日程度、ゆる断食(ファスティング)の期間を設けてみることもオススメです。
程よく空腹を感じたあとに、お菓子などの加工品ではなく、野菜や果物などの素材を活かした料理や甘酒などの発酵食品を口にすれば、いのちが喜ぶような、いつもとは違った幸福感と満足感が心に拡がりますし、この普段から食べ過ぎないようにすることは、肥満解消やダイエットにもつながっていきます。
もちろん、当ブログでオススメなのは、ひとさじのはちみつの味や香りをじっくりとマインドフルに味わうことです。
過去のことを考えたり先のことを心配したりして、心がどこかほかのところにいっていると、食べ物の味は半分もわかりません。意識を口のなかに向け、その瞬間に心を置いて、ゆっくりとひと口ずつ食べれば、それぞれが最初のひと口と同じように豊かな味わい深いものになります。生活のなかにある無数の「小さな瞬間」に気持ちを込めることによって、今を生きる喜びが花開くのです。
(ジャン・チョーズン・ベイズ『「今、ここ」に意識を集中する練習 心を強く、やわらかくする「マインドフルネス」入門』 高橋由紀子 訳 日本実業出版社 p141)
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