「今」に注意を払うことで、「運が悪い」を変えてみませんか?
今回は「今」に注意を払えば「運」は良くなるということについてです。
先日の記事で述べましたが、心理的なストレスを感じたり、注意力が散漫になったりすることで「不運」な出来事に遭遇したとしても、そのことは「たまたま運が悪かった」というよりも、一つ一つの出来事に対して冷静に判断し、適切な選択・行動を出来なかったという点において、メンタルの問題、別の言い方をすれば、脳の働かせ方の問題なのです。
そして「いつもの運が悪いを変える」もしくは「運を良くする」ためにより重要なことは、外界の出来事に注意を払うということなのです。
もし普段から周囲の出来事によく注意を払うようにし、聴くことであれ、見ることであれ、嗅ぐことであれ、「今」という瞬間の大事な情報を逃さないようにすれば、最適な選択と行動を取ることで、認識不足や注意不足による不運を避けられる可能性が生じてくるのです。
そして、マインドフルネス瞑想の実践を日々の習慣にすることは、そのために大変有効なのです。
このことに関してバーバラ・ブラッチュリー教授は『運を味方にする 「偶然」の科学』のなかで、
「人生で幸運に恵まれているように見える人たちは、不運な人たちとは違う方法で、周囲の刺激に注意を払っているのかもしれない」
と述べていますが、そのブラッチュリー教授は同書のなかで、「幸運であるここと、注意を払うことのあいだには関係がある」と述べ、「注意を払う第一のステップは、外界の出来事に気づくことだ」としています。
次に、「第二のステップは、その出来事に注意を払うこと」であり、音が聞こえたら、「過去の経験と照らしあわせて、いま聞いたばかりの音の重要度」を推しはかり、さらに、「注意を払うには、確率を計算にいれたり、べつの選択肢を考慮したりする必要がある」とも述べています。
また、「あなたの五感が必死になって脳にメッセージを送っていて、その結果、活動電位が生じているのに、あなたがそれを無視した」ら、「あなたは相手のランチになってしまう」が、「あなたが周囲の世界によく注意を払い、そこにある情報を活用していたら、次に起こることをきちんと予測し、命拾いするはずだ」と述べていることが参考になります。
注意を払う第一のステップは、外界の出来事に気づくことだ。私たちの五感は、外界のエネルギー(光、音、圧力など)に反応し、なんらかの出来事が起こっていることに気づけば、そのエネルギーに関するメッセージを脳に送る。
第二のステップは、その出来事に注意を払うことだ。いま起こっていることはべつに重要ではないと切って捨てるような真似はしない。音が聞こえたこと、葉っぱが揺れたこと、あるいはその両方に五感を総動員して注意を払う。そして、過去の経験を照らしあわせて、いま聞いたばかりの音の重要度を推しはかる。注意を払うには、確率を計算にいれたり、べつの選択肢を考慮したりする必要がある。そして、黄褐色のふさふさとした毛が視界に入る前に、あるいは小枝がぽきっと折れる音を耳にする前に、その出来事が起こった原因を突きとめよう、あるいは予測しようとするのだ。
この状況でどのくらい運に恵まれるかは、次になにが起こるのかをあなたがどの程度予測できるかで変わってくるかもしれない。たとえば、あなたの五感が必死になって脳にメッセージを送っていて、その結果、活動電位が生じているのに、あなたがそれを無視したとしよう。よってあなたは、小枝が折れる音にも気づかない。茂みのそばでこのまえ似たような音を聞いたあと、なにが起こったかを思いだそうと、記憶をたどろうともしない。そうなれば、危険な存在があなたを待ち構えていることが予測できない。すると、もう逃げようがなくなる――あなたは相手のランチになってしまうのだ。
しかし、あなたが周囲の世界によく注意を払い、そこにある情報を活用していたら、次に起こることをきちんと予測し、命拾いするはずだ――身を潜めていたライオンから逃げだし、焚火を囲んでいる仲間のもとに戻り、いま、運よくライオンのえじきにならずにすんだのだと、九死に一生を得た話を披露するだろう。
(『運を味方にする 「偶然」の科学』 バーバラ・ブラッチュリー 著 栗木さつき 訳 東洋経済新報社 184-185頁)
今回は「今」に注意を払えば「運」は良くなるということについて述べました。
ちなみに今回引用したバーバラ・ブラッチュリー教授の『運を味方にする 「偶然」の科学』は、占いの力などを頼らずに運について考察するのにオススメな一冊です。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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