令和の時代は『出家的人生のすすめ』で毎日を有意義に生きる。

ブッダ/仏教

『出家的人生のすすめ』で毎日を有意義に生きる。

『出家的人生のすすめ』(佐々木閑 著 集英社新書)

令和の時代は、『出家的人生のすすめ』で毎日を有意義に生きてみませんか?

そういうわけで今回は、『出家的人生のすすめ』(佐々木閑 著 集英社新書)という一冊を、これからの時代の幸福を考えるためにご紹介したいと思います。

以前、当ブログでは、刺激が多い情報社会のイライラやモヤモヤ対策として、「ブッダの思考法で『反応しない練習』を実践」という内容の記事を書きましたが、「仏教」によって、これからの社会のあり方と自分の生き方の関係を見直すためには、『出家的人生のすすめ』という一冊がオススメです。

 

この『出家的人生のすすめ』の著者は、『科学するブッダ 犀の角たち』などの著作があり、科学にも精通している仏教学者として知られている佐々木閑氏です。

仏教についてそれほど関心がないのに、いきなり「出家的人生」をすすめられても困ってしまうかもしれませんが、佐々木閑氏はまず、この本の冒頭において、「本書のキーワードは「生き方の多様性」」だとしています。

 

 本書のキーワードは「生き方の多様性」です。長い人生、定められた一本道をひたすら歩くしかないと考えている方に、自分の意志で、人生はいくらでも違ったものになる、ということを知っていただくことが一番の目的なのです。

そもそも釈迦自身が「人生の転向者」です。釈迦は自分の決意で人生を大転換し、その結果、仏教という独自の世界を構築しました。自分の未来には多様な選択肢があると知ったときに、釈迦の人生は劇的に変わったのです。そして、その人生の大転換でとても重要な役割を果たしたのが「出家」というシステムです。

出家とはいったいなにか。それはひとことで言うなら、「世俗の暮らしでは手に入れることのできない特別なものを求めて、世俗とは別の価値観で生きる世界へとジャンプすること」です。

(佐々木閑『出家的人生のすすめ』 p10)

 

働かずに好きなことだけやって生きるには、お布施をもらって暮らすことが必要?

働かずに好きなことだけやって生きるには、お布施をもらって暮らすことが必要?

本書の内容を分かりやすく要約すると、自分にしか出来ない特別な生き方を実現したり、夢を達成するために好きな事だけしたり、長い研究生活で大きな成果を出したりするためには、まわりから支えてもらう(お布施をしてもらう)ことが必要だということです。

つまり、「「働かずに好きなことだけやって生きる」という生き方と、「世間の人々に頭を下げてお布施をもらって暮らす」という生き方が、切っても切れない関係にある」ということなのです。

 

たとえば、自分にしかできないやりたいことや夢はあるけれど、生活するためには働かなければならず、毎日、仕事で忙しくて、今はそれどころではなくなっている、という方はたくさんいらっしゃると思います。

もちろん、日々の生活が充実していれば問題はないのかもしれませんが、本当は夢をあきらめきれないけれど、毎日アルバイトで食べていくのがやっとだ、といったような苦しい状況に陥っている場合は、出家的人生を選択肢の一つにしてみても良いと思うのです。

 

「ひきこもり」や「ニート」こそ「社会の貴重な人的資源」。

「ひきこもり」や「ニート」こそ「社会の貴重な人的資源」。

ほかにも、何らかの事情で家から出られず、苦しい思いをしているのに、周りから「ひきこもり」や「ニート」と一括りにされ、毎日、レッテルを貼られることに肩身が狭い思いを抱きながらつつましく生きている方も多くいらっしゃるのかもしれません。

ですが、著者の佐々木氏は、この『出家的人生のすすめ』のなかで、「ひきこもり」や「ニート」に関して、「「ひきこもり」や「ニート」こそが社会の貴重な人的資源に思えてくる」と述べています。

 

 今の日本には「ひきこもり」とか「ニート」と呼ばれる人が大勢います。この二つの言葉には、それぞれに違った意味があるようで、無条件にひとくくりにすべきではないようですが、「仕事をして稼いで生きる」という生き方から一歩はずれた道を歩んでいるという点では、一群として考えても良いでしょう。定職を持たず、俗世との間に一定の距離を置いて暮らしている人たちです。

このような生き方は、一般的な目で見れば、「そんな暮らしからは一刻も早く抜け出して、早くなんとかして、まっとうな人生に方向転換して欲しい」と皆が考える、好ましくない生き方ということになるでしょう。しかし日頃から出家的人生のことをあれこれと考えている私の立場からすると、「ひきこもり」や「ニート」こそが社会の貴重な人的資源に思えてくるのです。

(佐々木閑『出家的人生のすすめ』 p148)

 

また、「世俗の価値観になじめないということは、自分なりの別個の価値観を持っている」とし、「世のすべての「ひきこもり」や「ニート」が、目を見はる成果を生みだす」というわけではないにしても、「百人、千人という単位で考えれば、必ずそこからは、輝かしい成果を出す人が現れてくるでしょう」と述べているあたりは、これからの社会のあり方を考えるうえで、傾聴に値するように感じます。

 

 「自分は世俗のルールに素直に乗っかって生きていくのが嫌だ」と思うからこそ、積極的に社会とのかかわるのを避けるのですから、そこには多かれ少なかれ、出家的傾向が現れています。世俗の価値観になじめないということは、自分なりの別個の価値観を持っているということですから、そのような人が真剣になんらかの目標を追い求めていく先には、世俗から現れようのない特別な発見、秀でたひらめきというものが期待できます。

もちろん、世のすべての「ひきこもり」や「ニート」が、目を見はる成果を生みだすというのではありません。しかし、百人、千人という単位で考えれば、必ずそこからは、輝かしい成果を出す人が現れてくるでしょうし、たとえ成果が出なくても、一つの目的を目指す出家的な生き方をする人が多く含まれていることは間違いありません。それは長い目で見れば、二五〇〇年経った今、世界的な大宗教となって、何億という人々の心の支えとなり、そして広大な仏教文化というものを生みだしてきた事実が、その何よりの証拠です。

(佐々木閑『出家的人生のすすめ』 p148~149)

 

私自身は、仕事をしていなかったり、家の外に出られなかったりする事情は人それぞれだと思いますので、誰もが、家族や知人などに経済的にサポートしてもらうかわりに、好きな事をし続けて、芸術家や学者のように新しい価値を生み出すことで社会に還元できるわけではないと思います。

ですが、クリエイティブな生き方やを目指す「出家的人生」とまではいかなくても、心に何らかの悩みや苦しみを抱えている場合は、「苦」が生じる原因そのものを取り扱っている「仏教」に着目し、しばらくの間、お釈迦さまが開いた原始仏教の考え方を学んでみると、これまでの人生に囚われるのをやめることができたり、日々の生き方そのものに変化がもたらされたりするかもしれません。

 

 しかしそれでも「この世にはいたるところに出家の入り口がある」という事実、もっと言うなら「自分が求める気持ちさえあれば、人生を変える方法はいくらでもある」という事実を知っていることが大切です。知らなければ諦めて素通りしてしまうような些細なことも、「人生は変えられる」と意識していれば、それを突破口にして、真に充実した人生へと道を変えることもできるのです。

(佐々木閑『出家的人生のすすめ』 p140)

 

出家的人生を実現するために大切なこととは?

出家的人生を実現するために大切なこととは?

令和の時代に突入して、昭和や平成からずっと続いてきた、世間や他人の目を気にし、自分を押し殺してまで、周りと同じような生き方を選択することにいよいよ限界が生じてきたように思います。

特にAIの導入によって、社会のなかでこれまで当たり前だった物事が、急速に変化していますが、5年後や10年後には、働き方やライフスタイルなど、これまで常識だったことが「非常識」になっている可能性は高いのです。

その一方で求められるのは、やはり、それぞれが自分らしく生きることを許容し、お互いが支え合う社会であるのではないでしょうか?

 

このことに関して、佐々木閑氏は本書『出家的人生のすすめ』の中で、

 

  • 「出家的に生きることを許容する社会でなければ、多様多彩な価値観を生みだすことは難しい」
  • 「宇宙物理学の大学者から、ひきこもり・ニートまで、出家的に生きている人たちの存在を認め、守っていこうという思いが、まわりまわって社会を刷新していく」

 

と述べていることは印象的です。

 

しかし、出家的人生を送ることに関しては、「思いついたその日に始められる趣味の世界ではないという点を承知しておくことが重要」であり、「特別な生き方のできる人間」に変わるためには「修練が必要」としています。

つまり、誰かに支えられることで好きなことをし続ける「出家的人生」を送ると言っても、やりたい放題、自由気ままで良いというわけではなく、「適切な教育環境が不可欠」ですし、幾つかの守るべきルールがあるのです。特に、

 

  • 「出家的人生を歩む人にとって、一般社会から尊敬されるということはきわめて重要な条件です」
  • 「出家とは、世間に依存しなければ生きてゆけない、か弱い道だということを重々承知して、傲慢の心を起こさぬよう、細心の注意を払って暮らしていくことが求められるのです」

 

と佐々木氏は述べていますが、出家的人生を送る側も、サポートする側も、お互いが気持ちよく事を成し遂げるためには、上から目線で「~してあげている」と驕るのではなく、それぞれ何らかのかたちで支えられているがゆえに支えているといった謙虚な視点をもつことが大変重要になってくるように思います。

 

以上ここまで、『出家的人生のすすめ』(佐々木閑 著 集英社新書)という一冊を、令和の時代の幸福を考えるために紹介してきました。

本書は「釈迦の仏教」と、日本に伝わる「大乗仏教」の根本的な違いや、原始仏教における、ブッダをリーダーとした巨大な弟子の集団「サンガ」の仕組みが、現代の会社組織などにも応用できるほど画期的な理由など、面白く、ためになる話題が目白押しです。

それゆえ、「出家的人生」を送るとまではいかなくても、仏教の考え方を人生に採り入れることで、これからの時代をより良く生きるために一読しておいても損はないと言えます。

 

 二一世紀になって文明の度合いは進んでも、人の苦悩は昔と変わりません。やりたいことと、やらねばならないことのギャップで苦悩する現代人にも、釈迦の思いは届きます。「私には夢がある」と思っている人。その夢が「金持ちになること」とか「人の上に立つこと」といった世俗の欲得事ではなく、また「家内安全、商売繁盛」といった平穏無事の安定志向でもなく、「私だけが心に決めた特別な人生を全うすること」を目指すものであるなら、それは釈迦がたどった出家の道と重なります。

(佐々木閑『出家的人生のすすめ』 p193)

 

 

当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

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