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今回は『糖尿病は〝砂糖〟で治す! 甘いものに目がないのは正しかった』(﨑谷博征 著 鉱脈社)という本をご紹介しつつ、これからの健康について考えていきたいと思います。
本書『糖尿病は〝砂糖〟で治す! 甘いものに目がないのは正しかった』は、ほかの記事でご紹介した
『「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 生命場を歪ませるアルデヒド 』
『新・免疫革命』
と同様、パレオドクターである﨑谷博征医師の<健康常識パラダイムシフトシリーズ)>のなかの一冊です。
そして、『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』とは衝撃的なタイトルですが、書かれている内容はとても興味深いように感じます。
常識的には糖尿病の原因は、砂糖など甘い物の摂り過ぎだと思ってしまいがちです。しかし本書では糖尿病の原因は、砂糖ではなく、主に「プーファ(多価不飽和脂肪酸)」によって糖の代謝が妨げられることだとしています。
プーファ(PUFA:多価不飽和脂肪酸、オメガ3&6)は、
・糖の細胞内での代謝をブロックする
・インシュリン抵抗性を高める(インシュリンのアンテナの感受性を低下)
・インシュリンを産生する膵臓のベータ細胞を破壊する
という複数の作用を通じて糖尿病(およびあらゆる慢性病)とよばれる病態を発症させるのです。
これらの相互作用の結果、細胞内で糖が利用できない状態(intracellularglycopenia)がおこる、それが糖尿病なのです。尿に糖がおりる、あるいは血糖が高いことが本態ではありません。これはあくまで結果でしかないのです。
(﨑谷博征『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』p93~94)
ちなみに糖(ブドウ糖と果糖)がミトコンドリアエンジンによって完全燃焼されると、たくさんのATPと水と二酸化炭素が作られます。しかし、糖によるエネルギー代謝がスムーズに流れていかないことが問題だというのです(糖の不完全燃焼)。
健康の場(ヘルスィネス・フィールド)の特徴は、エネルギー代謝が滞りなくスムーズに流れていること。細胞レベルでみると、ミトコンドリアで電子の流れが最後の酸素に受け渡されるまでスムーズに流れている場です。
健康の場(ヘルスィネス・フィールド)では、エネルギーの源である糖、果糖が完全燃焼されて、最終的に多大なエネルギー(ATPといいます)と二酸化炭素(CO₂)および水が産出されます。
(﨑谷博征『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』p35)
一方の病気の場(sickness field:シックネス・フィールド)では、糖は不完全燃焼に終わってしまうか、あるいは糖以外の脂質(脂肪酸)、タンパク質(アミノ酸)を燃料としています。
糖の不完全燃焼ではエネルギー(ATP)は完全燃焼の場合のたった七パーセントしか得られません。さらに不完全燃焼の最終産物として乳酸という毒性物質が蓄積します。乳酸はそれ自体が糖のエネルギー代謝をブロックして、シックネス・フィールド(病気の場)を形成する中心的な役割を果たします。
(﨑谷博征『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』p40)
『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』から分かるブドウ糖・果糖によるエネルギー代謝の重要性。
ここまで『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』の内容を簡単にご紹介してきましたが、この1冊は糖尿病のことだけではなく、「健康の場」という視点から砂糖(ブドウ糖・果糖)によるエネルギー代謝の重要性について述べている一冊だとも言えます。
今回ご紹介した内容は、本書のごく一部ですが、実際に通読してみると、糖類をカットし、タンパク質や脂肪をエネルギー源にする健康法の問題点や、近頃の糖質制限ブームなどについても考えさせられます。
また、「糖」を摂取する場合、ご飯やパン(でんぷん質)ではなく、なぜブドウ糖と果糖のバランスが良い砂糖やハチミツ、果物でなければいけないのかもわかってきます。
果糖には様々な良い効果があるといったことをはじめ、巷の健康常識とは正反対のことが書かれていることも多いですが、ミトコンドリアによるエネルギー代謝の観点からすると、大変説得力のある内容だと個人的には思いますので、関心がある方は、実際に『糖尿病は〝砂糖〟で治す! 甘いものに目がないのは正しかった』を読んでみていただきたいと思います。
なお、﨑谷博征医師の他の著作である『「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 生命場を歪ませるアルデヒド 』や、『病は「リポリシス」から 生体内核爆発リポリシス』について関心がある方は、よろしければリンクから記事をご覧ください。