contents
今回はビタミンCのアトピー性皮膚炎に対する効果についてです。
前回の記事では「ビタミンCのこまめな摂取はストレス対策に効果的」だと述べましたが、ビタミンC(アスコルビン酸)を日頃からこまめに摂るようにすることは、アトピー性皮膚炎を治していくためにも有効だと思われます。
ではなぜビタミンCがアトピー性皮膚炎の改善のために必要なのでしょうか?
その理由は副腎が作り出すステロイドホルモンにビタミンCは深く関わっているからです。
特にビタミンCはコルチゾール(ステロイドホルモン)が作られる時に使われる栄養素であることが知られています。
ストレスと副腎皮質ホルモン「コルチゾール」の合成とアトピー性皮膚炎の関係性において、ビタミンCのこまめな補給は欠かせないのです。
また、アトピー性皮膚炎の発症やアトピーの悪化にはストレスが深く関わっていると考えられますが、ストレスを感じる度にビタミンCは消耗してしまうので、コルチゾールを分泌し続ける副腎を助けるためには、ビタミンCは多めに摂らなければならないのです。
さらにビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせない存在であり、ビタミンCが不足するとコラーゲンの合成がうまくいかなくなり、肌荒れの原因になります。
そのためアトピーによって悪化した皮膚を再生していくためにもビタミンCは必要なのだと考えられるのです。
ビタミンCを多く含んでいる食材は?
ところで、ビタミンCは水にとけやすい水溶性であり、熱や酸に不安定な性質を持っているため、野菜から摂る場合は、生食やさっとゆでる調理法などで摂取することが望ましいとされています。
ちなみに、ビタミンCを多く含んでいる食材としては、みかんなどの柑橘類、赤ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも、モロヘイヤ、アセロラ、レモン、キウイフルーツ、イチゴなどが挙げられます。
また、ビタミンCは過剰摂取したとしても、尿として速やかに排泄されるため、1日に10g以内であれば、摂り過ぎに神経を尖らす必要はないとされています(参考 三石巌『ビタミンC健康法』)。
ただし、1回に200mgであれば、吸収率は100%ですが、1000mg摂るとすると、吸収率は70%程度に落ちてしまうといいます。
しかし残りの30%は大腸内の腸内細菌や腸粘膜に作用したり、毒素を排出したりするため、無駄になるわけではないといいます(参考 溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』)。
さらに、栄養療法の専門家である溝口徹氏によれば、ビタミンCは摂取してから30分ほどで血中濃度が最も高くなり、その後3時間程度で元の血中濃度に下がってしまうそうなので、2~3時間おきに少量のビタミンCを摂るというのが理想的なのです。
ところがビタミンCを果物や清涼飲料水から大量に摂ろうとすると、果糖やブドウ糖果糖液糖などの糖質を余計に摂取してしまうため、ビタミンCの効果的な摂り方という意味では、好ましくありません。
また人工甘味料や食品添加物の摂り過ぎは、アトピー性皮膚炎の悪化にもつながりますので、市販のビタミンCが含まれた清涼飲料水の飲みすぎにもやはり注意が必要です。
ビタミンCの効果的な摂り方とは?
そういうわけで、ビタミンCの効果的な摂り方とは、水にアスコルビン酸粉末を数グラム溶かし、1日に数回、分けて摂るようにすることだといえます。
ちなみに私自身は、500~1000mg程度のアスコルビン酸(ビタミンC)を3時間以上の間隔をあけて、1日に数回摂っています。
ですが、1日にどれくらいのビタミンCが必要になるのかは、人それぞれだといいますので、アトピー性皮膚炎の方で、ストレスを感じることが多いのであれば、ご自身のお身体と相談しながら、まずは1日に3g~7gの範囲内で自分でいろいろ摂取量を試してみると良いかもしれません。
さらに、アスコルビン酸粉末を溶かした水にはちみつも加えてあげると、飲みやすくなりますし、栄養バランスも非常に優れるようになります。
以上ここまで、ビタミンCのアトピー性皮膚炎を改善する効果について述べてきました。ビタミンCを摂るようにすればアトピー性皮膚炎がただちに良くなるというのは考えにくいですが、アトピーを少しでも良くしていくために、日頃からこまめにビタミンCを摂るようにする習慣をもってみるのは良いかもしれません。
なお、アトピーを治していくために大切なことについてはこちらの記事をご参照ください。