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今回は三石巌『ビタミンC健康法』(健康基本シリーズ2 阿部出版)を、これからの健康と病気予防を考えるために、ご紹介していきたいと思います。
以前の記事で、分子生物学者であり、晩年には分子生物学に基づいた「分子栄養学」を創設した三石巌氏による『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』を取り上げ、そのなかに書かれているビタミンの重要性(メガビタミン主義)について述べました。
特に健康維持のためには、ビタミンCをこまめに摂るようにすることが大切だと思われますが、今回ご紹介する三石巌氏の『ビタミンC健康法 元気で長生きするために』は、そのビタミンCについて詳しく書かれた一冊なのです。
たとえばビタミンC(アスコルビン酸)といえば、風邪やインフルエンザの予防に効果的だという印象が強いですが、風邪を予防するためには、自分が思っているよりも多くのビタミンCが必要になるかもしれないのです。
厚生労働省によるビタミンCの1日の必要摂取量は、たったの100mgだとされていますが、三石巌氏は、
「自分が風邪を引かないために、どれだけのビタミンCを摂ったら良いかを知ることは、誰にとっても不可能に近い。そこで、風邪を引きたくなかったら、10gを限度とする大量のビタミンCを日常的に摂取するのが無事、という結論になる。」
と述べ、氏自身は、「7グラムから10グラム程度を、毎日摂っている」というのです。
三石氏が述べているように、自分の体がどれだけのビタミンCを必要としているかは個人差があるためにはっきりとしたことは言えません。しかし、この三石巌氏による『ビタミンC健康法』を読むと、風邪の予防に限らず、ビタミンCは代謝の様々な局面で必要になってくることが分かってきます。
我がビタミンCには、補酵素としての役割が与えられている。ビタミンCに関わる病気として、免疫系の障害によるもの、血液凝固系の障害によるもの、腎機能低下によるもの、結合組織生成阻害によるもの、神経系機能不全によるもの、エネルギー不足によるものなどのあることを考えれば、このビタミンの守備範囲の広さを思い知らされるではないか。
(三石巌『ビタミンC健康法』p57)
さらに、ビタミンCに関しては、万病の原因になる活性酸素を除去する抗酸化作用も挙げなければなりません。
ビタミンCはスーパーオキサイドに出会うと、これに水素を与えて水に流し、自分はビタミンCラジカル(モノデヒドロアスコルビン酸ラジカル)になる。このビタミンCラジカルには、一重項酸素・ヒドロキシルラジカル・スーパーオキサイドを除去する作用があるといわれる。ただしこれは水溶液内に限られる。とはいえ、これはビタミンCの大きな福音だ。
(三石巌『ビタミンC健康法』p208)
ビタミンCはストレス対策や皮膚の健康維持にも必要不可欠。
特にビタミンCはストレスを感じる度に消耗するといいますので、毎日の生活のなかで、ストレスを感じることが多いという方は、ストレス対策のためにこまめにビタミンCを摂ってみるといいかもしれません。
また、ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質を合成するのに必要不可欠ですので、皮膚の健康維持や美肌の実現にも大切です。
ちなみにビタミンC(アスコルビン酸)は、一度に大量に摂取したとしても、全てが吸収されるわけではないので、1日に1~7g程度を目安に、500mg~1000mg(1g)を水に溶かし、数時間おきに数回にわけて摂取してみるのがオススメです。
なお、三石巌氏の『ビタミンC健康法』においては、ストレス対策や皮膚の健康以外にも、
- ウイルス感染症
- ムチウチ・椎間板ヘルニア
- 傷口の治癒
- 肺炎
- 単純疱疹・帯状疱疹
- ガン
- 白血病
- 糖尿病
- 高脂血症
- うつ病
- 統合失調症
- 花粉アレルギー
- 緑内障・白内障の予防
- 腎臓障害
- 妊娠
などといった様々な症状の予防や改善に、ビタミンCの摂取が効果的かもしれないということが示唆されています。
そのため、不足するよりは多めに摂っておくビタミンC健康法は、風邪やインフルエンザをはじめとした病気予防のために効果的だと考えられるのです。
こちらがアスコルビン酸粉末。水に溶かし、さらにはちみつを加えてこまめに摂取するのが健康維持のためにオススメです。