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乳酸菌よりもその効果が注目されている「乳酸菌生産物質」についてご存知ですか?
今回は、乳酸菌生産物質の腸内環境を改善する効果について述べていこうと思います。
「乳酸菌生産物質」とは、乳酸菌と酵母、そして大豆などが発酵熟成して生成される物質のことです。
その研究の歴史は100年以上と古く、1903年に京都で医師の正垣角太郎氏が研究を開始したとされています。さらに、その息子で細菌学者である正垣一義氏がその意思を受け継ぎ、菌そのものではなく 菌が作り出す代謝物質に着目して研究したといいます。
そして、この「乳酸菌生産物質」は、乳酸菌を単純に摂るよりも、免疫力や抵抗力を格段に向上させ得る物質だとされているのです。
その理由としては、乳酸菌生産物質が、それ自体、多くの成分を含んでいることが挙げられます。
乳酸菌生産物質に含まれる主な栄養素・成分
- アミノ酸・・・アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、GABAなど多数
- ペプチド・・・オリゴペプチド、ポリペプチド
- イソフラボン・・・ダイゼイン、ゲニステイン、イクォール
- サポニン・・・大豆サポニン
- ビタミン・・・ビタミンB1、B2、B6、E、Kなど
- ミネラル・・・リン、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど
- 脂肪酸・・・短鎖脂肪酸・乳酸、レシチン
- 核酸・・・デオキシリボ核酸、リボ核酸
近年、この乳酸菌生産物質には、大腸がんやアレルギー、うつ病、潰瘍性大腸炎など、様々な病気を予防したり症状を緩和したりする効果があるとして、ただ乳酸菌を摂取するよりも注目されています。
実際、この乳酸菌生産物質に関しては、乳酸菌生産物質を加えたサプリメントの摂取によって、腸内環境が著しく改善し、生活習慣病をはじめとした様々な病気の症状が緩和・改善に向かったという東京女子医科大名誉教授の出村博氏らの報告があります(参考 出村博/水谷武夫『乳酸菌生産物質 スーパーサプリメントへの挑戦 2006』)。
乳酸菌生産物質を効果的に摂るには?
また、『驚異の腸内フローラ』の著者であり、腸のスペシャリストとして知られる田中保郎氏は、『腸内フローラが生み出す究極の健康物質「醍醐(第五段階発酵物質)」とは?』のなかで、乳酸菌生産物質について、
「乳酸菌生産物質は、決して乳酸菌そのものではありません。乳酸菌の発酵作用によって、その結果、何か別のものが生まれる、といったようにして登場した、いわば代謝物なのです。それで、この代謝物が、体を健康にしてくれるわけですね。こうした物質は、腸内細菌によって生まれるものでありながら、同時にその集まりである腸内フローラを元気づけてくれる働きもあります。」
と述べています。
したがって、乳酸菌生産物質は腸内環境の改善を行い、様々な病気を予防・緩和していくために、有効だと考えられます。
乳酸菌生産物質が含まれたサプリメントを利用してみるのは手軽な方法。
ところで、この乳酸菌生産物質を効果的に摂るには、日本の幻の発酵食である「醍醐」を彷彿とさせるような発酵食品を日頃から食べるようにするのが望ましいですが、現実的にはなかなか難しいため、善玉元気といった乳酸菌生産物質が含まれたサプリメントを利用してみるのも、手軽な手段のひとつだと思われます。
また、この「乳酸菌生産物質」は腸内細菌学のパイオニアである光岡知足氏の「バイオジェニックス」の考え方に含まれます。
今回は、乳酸菌生産物質の腸内環境を改善する効果について述べてみました。発酵食品などを上手に利用し、乳酸菌生産物質をうまく食生活にとりいれることは、腸内環境を効果的に改善していくのにオススメです。