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2020年、新しい時代の幕開けをきっかけに、新しい習慣を始めてみませんか?
そういうわけで今回は、グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』(花塚恵 訳 文響社)という1冊を取り上げたいと思います。
健康的で幸福な毎日を送ったり、仕事で成功したり、人生を良い方向に変えたり、今よりももっと幸せになったりするためには、日々の「習慣」というものが非常に大切であるように思います。
そしてその「習慣」は仕事や勉強、読書、食事や運動、睡眠、瞑想など、日々のライフスタイルを形作るものでもあります。
また、2020年の始まりをきっかけにして、何か新しいことにチャレンジしてみたいと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、以前の記事で取り上げた佐々木典士『ぼくたちは習慣で、できている。』でも述べられているとおり、習慣とは、
「ほとんど考えずにする行動」
であり、さらに、
「何かが習慣になっている状態というのは、意識をほぼ使わず、限りなく無意識の行動に近い状態」
であるのです。
つまり、ジョギングや筋トレなど、「さあ、やるぞ!」と、わざわざモチベーションを高めてやらないければならないとしたら、そのことは「習慣」になっているとは言えないのであり、反対に、寝る前に必ず歯を磨くといったように、意識しなくても勝手にやってしまうのであれば、そのことは習慣として身についているのです。
グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』においても、このことは「はじめに」のなかで明確に述べられています。
習慣の定着を本当に決定づけるものは、行う頻度でも、繰り返すことでも、その行動の引き金となることへの慣れでもない。これはもちろん大事だが、習慣の定着を決定づける重要なカギは「決断という行為」にある。正確に言えば、決断という行為がなくなることで習慣となる。
習慣となっていることをするのに、決断は必要ない。その決断はすでにされている。朝起きたら歯を磨く、薬を飲むといったことは、すでに決めていることだから、わざわざ決断しない。すでに意識していることだから、無意識に行う。理にかなった選択かどうかを心配することもない。最初に理にかなった選択をすれば、その後、選択する必要はなくなる。
(グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』 花塚恵 訳 文響社 p14)
そして、本書の冒頭に、「人は約40%の行動をほぼ繰り返すので、わたしたちの存在も、わたしたちの未来も、習慣によって形づくられると言える」とあるとおり、日々の「習慣」を変えれば人生が変わるのは、おそらく間違いないと考えられます。
ですが問題なのは、その「習慣」自体を変えるのは一筋縄ではいかないため、習慣を変えようとして新しいことを始めようとしても、気づいたら元の生活習慣に戻ってしまう可能性が高いという点です。
そういうわけで、自己啓発本などで、仕事で成功したり、より健康になったりするための「良い習慣」がどれだけ示されたとしても、「習慣」とはそもそも何なのかということについて考えない限り、なかなか新しい習慣が身につかないのです。
『人生を変える習慣のつくり方』は、自分の日々の習慣を変えるきっかけになる1冊。
ですが今回グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』を取り上げたのは、本書においては具体的な「人生を変える習慣のつくり方」が述べられており、自分の日々の習慣を変えるきっかけになる1冊になると思ったからです。
ちなみに習慣をどのように変えれば良いのか分からないという場合は、「身につけたい七習慣」として挙げられている、
①健康的な食生活を送る
②定期的に運動する
③お金と賢く付き合う
④リラックス上手になる
⑤先延ばしにせず多くのことを成し遂げる
⑥整理整頓された状態を保つ
⑦人(社会、世界)とのつながりを深める
が生活の基盤を見直すという意味で参考になるかもしれません。
また、習慣の取り扱い方を知るにあたって、
- 「アップホルダー(約束を守る人):外から課される期待と自分で課す期待の両方に進んで応えようとする」
- 「クエスチョナー(疑問をもつ人):あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ応えようとする」
- 「オブライオジャー(義務を果たす人):外からの期待には進んで応えるが、自分で課す期待にはうまく応えられない」
- 「レブル(抵抗する人):外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発する」
という四つの傾向が示されており、単純に自分自身をこのうちのどれかに当てはめる必要はないとしても、自分がどのタイプに近いかを知ることで、習慣化につなげやすくなるのではないでしょうか?
習慣を変えることで毎日を理想郷にすることが、人生100年時代の幸福につながっていく。
ところで「最後に」、著者のグレッチェン・ルービンさんは、
「習慣や幸せに関する研究のすべては、まさに「理想郷での毎日」をできるだけ現実にするためのものだ。」
と述べていますが、2020年以降、自分の人生や毎日の生活を「理想郷」にできるかどうかは、やはり日々の<習慣>にかかっているといっても過言ではないと思われるのです。
習慣や幸せに関する研究のすべては、まさに「理想郷での毎日」をできるだけ現実にするためのものだ。愛しい人たちと深い絆で結びつき、満足のいく成果を上げる毎日。エネルギーに溢れ、健康で、何かを生み出す毎日。楽しいこと、熱意をもてること、夢中になれることで満たされ、後悔、罪悪感、怒りをほとんど感じない毎日。そんな毎日に少しでも近づくために、わたしは習慣や幸せを研究したのだ。
(グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』 花塚恵 訳 文響社 p375)
習慣を変えるのは簡単ではありませんし、どのような習慣であれ、その習慣を合うかは人それぞれ違います。
そのため、特定の習慣を誰かから強く薦められたとしても、自分に合わなければ、長く続けていくのは難しいといえます。
しかし、日々の「習慣」を意識し、自分にとってより良いものに変えていくことが、人生100年時代の幸福につながっていくように思うのです。
身につける習慣は、自信や自由を感じられるものでないといけない。だから、「この習慣を身につける目的は何か?」とつねに自分に問うべきだ。習慣は、自分に合っていないと意味がない。
習慣が変われば、生活も変わる。良い習慣を身につけると「決断」し、習慣としたい行動を自分の「意志」で開始する。そうしたら――ここからいちばんのポイントだ――、習慣がもつ偉大な力の出番だ。決断というハンドルを握る必要も、意志というアクセルを読む必要もない。あとは、習慣がとる舵に委ねればいい。
習慣にはそれだけの力がある。
(グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』 花塚恵 訳 文響社 p22~23)
グレッチェン・ルービン『人生を変える習慣のつくり方』 目次
はじめに 「習慣を変えれば人生が変わる」と断言する理由
Part1 知る
「この質問」で人は4タイプに分けられる
「成功者の真似だけ」は絶対するな
Part2 身につける
節約もダイエットも思いのままにする方法
まず初めに変えるべき習慣は?
「先延ばし」をやめる強力な武器
「見られている」と人は変わる
Part3 変わる
「リスト化」すれば9割はできたも同然
「とりあえず」の罠~適当に始めた習慣ほどやめられなくなる
愛煙家が一晩で禁煙できた真相
Part4 断つ
誰もが「絶対」欲しくならないものとは?
結局、習慣化できることに共通する条件
資産家の金庫に入っている「意外なもの」
万が一、習慣を破ったときの「条件式」
良い習慣を破壊する原因はこれだ
15分あればどんな欲求も必ず消せる
30日チャレンジは31日目で全て決まる
「めんどうくさい」「疲れた」と感じたら;習慣における諸刃(もろは)の剣(つるぎ))
Part5 発見する
身につく習慣・身につかない習慣のちがい
毎日の行動に「自分らしさ」は必要か?
習慣は伝染する
最後に 手に入れる
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。