新年度がスタートしたとはいえ、毎日が孤独でつらいとお悩みではありませんか?
今回は本当の孤独に出会うと新しいネットワークを発見するということについて述べていこうと思います。
自分の中の「孤独」にきちんと向き合えないと、孤独は良くないことだと思い込んでしまうものですが、私自身、長い間<孤独>と向き合ってきたことで、今は読書・瞑想・創造によって充実した毎日を過ごせています。
また、孤独を受け容れることができたからこそ、日常生活での小さなつながりも、孤独がつらかった若い頃よりも大切に出来ているような気がします。
このことに関して、たとえば作家・演出家の鴻上尚史氏は、『孤独と不安のレッスン』のなかで、
- 「「一人が哀しい」と他人を求めているのが「ニセモノの孤独」」であり、
- 「「本当の孤独」とは自分と深い対話をすること」であり「「自分が本当にしたいこと」へ導いてくれる」
と述べています。
さらに「本当の孤独」に出会うと、「新しいネットワークを発見」し、「今まで気づかなかった人」を見つけるといいます。
そして「本当の孤独」によって成長することで出会った相手は、「無理して笑う必要も、退屈な話に相槌を打ち続ける必要も、人の悪口に同調する必要も、発言が悪意に取られないかと心配する必要も、ない相手」だと言うのです。
本当の孤独に出会うと新しいネットワークを発見するということに関して、鴻上氏は免許を取って初めてバイクにまたがった日、自分のマンションの近くに道路標識がたくさんあることに気づいたことを例として挙げています。
つまり、いつもそばにあっても、見る必要がなければ、ないと同じであるということであり、「人間は、見たいものしか見ないのです」。
このことは先日の記事で取り上げた「読書」に関しても同様です。
私自身、よく書店や図書館に立ち寄りますが、本棚にたくさん本が並んでいても、文学や哲学に関する人文書や自然科学の本など、以前から興味をもっている分野の本しか基本的に視界に入ってきません。
「孤独」について強い関心を持っていれば、本棚を眺めた時、自然と書名に「孤独」という文字が入っている本が視界に入ってきます。
しかし美容やファッション、投資やプログラミングなどについては、今のところ関心がないという理由から、ふと書店に立ち寄っても、それらの本が並んでいる棚の前に立つことはほとんどありません。
ところがこれまで関心がなかった分野に興味を持つことがあれば、書店や図書館で、知らない本がすでにたくさん出版されていることに気づかされるのです。
つまり、書店や図書館には様々な本が並んでいるにも関わらず、認識しているのは、たくさんの本のなかのごく一部なのですが、反対に自分自身が関心をもつことで、これまでに気づくことがなかった本と出会うことができ、そして新しいつながりが生まれてくるのです。
すなわち現実の人間関係であれ、本の著者や小説の登場人物であれ、孤独な自分と「つながる」ことが出来る相手は、現時点では気づけていないだけで、必ずどこかに存在しているのです。
たとえ自分は「孤独」「ひとり」であると感じていても、心を完全に閉ざすことなく、窓からすきま風が入り込むように少しでも開いていれば、結果的に感性が似通っている人たちとつながることになるのです。
ちなみに『孤独と不安のレッスン』は、自分の心がまだ孤独で不安だらけだった、新生活を始めたばかりの学生時代に出会えればよかったと感じさせる一冊です(そういう意味では春からの新生活に孤独と不安を感じている学生さんにオススメです😊)
鴻上尚史『孤独と不安のレッスン』(だいわ文庫)
うっとうしいつきあいをやめ、「本当の孤独」に出会ったあなたは、自分との対話を始め、そして、成長します。
そして、成長した結果、あなたは、新しいネットワークを発見するのです。
(中略)本当は、「一人でもいい」と体の深い部分から決心した段階で、あなたは、今まで気づかなかった人を見つけます。
その決心が、すでに成長のひとつだからです。(鴻上尚史『孤独と不安のレッスン』 46‐47頁)
あなたは、今のあなたが必要な人を見ているだけなのです。
どこかで、必ず、あなたは、あなたが知り合えてよかったと思える人と出会います。
あなたが、「本当の孤独」の中で、成長すればするほど、その確率は高くなります。成長すればするほど、出会う相手は素敵になります。
無理して笑う必要も、退屈な話に相槌を打ち続ける必要も、人の悪口に同調する必要も、発言が悪意に取られないかと心配する必要も、ない相手です。
(同 48頁)
お忙しい中ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます😊
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