腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることで、腸の腸内環境を最高の状態に保つことは、日々の健康や免疫力を維持したり、うつやアレルギーを予防したりするために重要ですが、実は腸は皮膚や血液、「脳」とも関係しています。
そういうわけで、今回は、知ってトクする小腸の仕組みと働きについてです。
胃に続く小腸は長さが6~7メートルある管で、十二指腸、空腸、回腸から成っています。回腸の終りの方にはたくさんの集合したリンパ節の集団があり、生体防御の役割を果たしています。また、小腸では消化された物質の約90%が吸収されます。
小腸の直径は約4cmで内壁には輪状ひだがあります。輪状ひだには約500万個の「腸絨毛」があり、その根元には腸液を分泌する腸線があります。
また、腸絨毛にはリンパ管と毛細血管が通っており、吸収された物質のうち、脂質のほとんどはリンパ管、グルコースとアミノ酸は毛細血管を通って運ばれます。
ちなみに輪状ひだと腸絨毛の表面を合わせると、小腸全体の表面積は人間の体表面積の約5倍にあたるとされています。
さらに、腸絨毛には吸収上皮細胞があり、吸収上皮細胞の表面は長さ1μmほどの微絨毛で覆われています。
また、小腸からアルカリ性の腸液が分泌され、胃から送られてきた物質の中和を行ないます。それに加え、吸収上皮細胞の微絨毛膜には消化酵素が存在しており、栄養素の消化吸収に重要な役割をもっています。
微絨毛膜では、消化されて出来た栄養素が周辺にいる細菌に奪い取られないよう、大切な栄養素は素早く吸収されます。
そのほか、小腸の空腸・回腸部分には、消化ホルモンを分泌する「腸内分泌細胞」や、セロトニンを放出する「腸クロム親和性細胞」、病原菌が腸内に侵入しないようペプチドを放出する「パネート細胞」、腸の上皮細胞を保護する「杯細胞」などが存在しています。
以上今回は、知ってトクする小腸の仕組みと働きについて述べてみました。次回は大腸についてです。