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今回は『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』(西原克成 著 河出書房新社)という一冊をこれからの健康を考えるためにご紹介したいと思います。
『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』は、医学博士であり、細胞内のミトコンドリアの重要性について述べている『免疫力を高める生活』や『究極の免疫力』の著者である西原克成氏が、偉大な解剖学者である三木成夫氏の学問の成果を踏まえながら、生命の進化とエネルギーの関係やミトコンドリアの重要性について言及している一冊だといえます。
しかし本書『生命記憶を探る旅』を実際に通読してみると、生物の進化や生体力学のことについて詳しく書かれている前半部は、内容が難解で、何度も読み直す必要があると感じました。
ですが、
「われわれのからだのすべては、「進化」という現象の摂理のなかにあるのです。だからこそ、「難病」もまた、誤った食生活とエネルギーの摂取法と、からだの使い方の誤りで起こるのですから「不具合な進化」ということができるのです。」(p42)
「エネルギーの作用で進化が起こるのですから、エネルギーのとり方の不適当でも容易に難病も発症するのは当然です。つまり、食物と同様に、エネルギーもまた摂取のしかたしだいで、からだには良いほうにも悪いほうにもはたらくのです。」(p58)
といったくだりには、難病を予防するためには、どうしたら良いのか、深く考えさせられるものがあります。
また、後半部においては、エネルギーの存在について詳しく書かれています。特に私自身、「エネルギーとは何か?」ということに関心があるのですが、目から鱗が落ちたのは、
「宇宙には「時間」と「空間」と、「物質」(matter)と「物質が内臓する光と熱、重力」という「エネルギー」が存在します」(p172)
「とくに重要なことは、質量のある物質のもの3つの側面が、「光」と「重力」と「熱」という、3種類の「エネルギー」であるということ」(p183)
と述べている点でした。
この西原克成氏のエネルギーに対する独自の見解は、量子物理学者の常識とかけ離れているのかもしれませんが、本書の後半部に書かれている西原氏のエネルギーに関する記述については、まず、これまでの自分のなかの常識を疑い、自分自身できちんと検証する必要があるように思いました。
『生命記憶を探る旅』は21世紀の真の健康を考えるのに価値ある一冊。
以上、ここまで西原克成氏の『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』をご紹介してきました。
ちなみにわたし自身、西原克成氏の著作から少なからず影響を受けてきた一人ですが、この『生命記憶を探る旅』は内容がけっこう難しいため、著者の西原氏が述べようとしていることをきちんと理解するためには、何度も読み込む必要があるように感じます(わたし自身も、もっと生物の進化についての勉強をしなければなりません)。
そのため、もし西原克成氏の著作をこれまで一度も読んだことがない方は、本書よりもまず『免疫力を高める生活 健康の鍵はミトコンドリアが握っている』(サンマーク出版)を、さらに、三木成夫氏の思想に関心がある方は、『内臓とこころ』や布施英利氏の『人体5億年の記憶』などを手に取ってみたほうが良いかもしれません。
しかし、西原克成氏の『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』は、「進化」や「エネルギー」、「ミトコンドリア」という観点から、これからの真の健康を考え、多くの難病を予防するためには、非常に価値のある一冊であることは確かです。
「三木形態学」を深く考えると、「進化」がどうして起こるのかという、しかけとしくみの謎が、おのずから「重力」のもとに解けてきます。
これまで、漠然と「環境因子」といわれたものをきちんと分析すれば、これは大別して「環境物質」と「環境エネルギー」の二種類に分けられます。
これらのうち、「エネルギー」の概念が、従来の生命科学や生理学、病理学、免疫学や進化学からは、完璧に欠落していました。そのために、現在の免疫学が狂い、糖尿病やがん、精神神経疾患など、「難治性の疾患」(難病)の治療法も破綻しているのです。
(西原克成『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』p22)
三木成夫先生の形態学には、「生体力学」と「重力エネルギー」の概念が、無言のうちに、ごく当たり前のこととして入っています。これらを生理学や病理学、免疫学に導入すれば、医学も革命的に改められるはずです。
「進化」が物質とエネルギーの両面から起こっていることがわかれば、エネルギー摂取のしかたの誤りで病気が起きることもわかるでしょう。
エネルギーを誤って摂取し、それが累代に及べば、弱った種族が誕生します。これがさらに進めば、人類は確実に「絶滅進化」への道に入るでしょう。
(西原克成『生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く』p22~23)
参考 免疫力を高めるための七つの生活習慣(西原克成『免疫力を高める生活』より)
「1、鼻で呼吸する。(睡眠中も)」
「2、両顎でよく噛む。(白米のごはんで三十回以上)」
「3、上向きで寝る。(骨休めする)」
「4、冷たいものを飲み過ぎない、食べ過ぎない。」
「5、軽い運動とリラックスとストレッチを心がける。」
「6、太陽の光を浴びる。」
「7、「心と体に優しいエネルギー」を取り入れる。」