腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることで、腸の腸内環境を最良の状態に保つことは、日々の健康や免疫力を維持したり、うつやアレルギーを予防したりするために重要ですが、実は腸は皮膚や血液、それに「脳」とも関係しています。
そういうわけで、今回は、知っておきたい腸の仕組みと働きについてです。
近年、腸は「セカンドブレイン」と呼ばれるなど、「脳」と同じように大切な器官であるとして注目されるようになりましたが、その最大の理由は腸が365日まったく休むことなく「いのち」をつくり出しているからです。
腸は私たちが体内に摂り込んだ「食」を「いのち」にかえる役割を果たしています。
つまり、腸は消化管の主役として、「食」から得られる栄養分をからだの細胞を作り上げる物質に変えたり、日々の生命活動を維持するためのエネルギーに変えたりしているのです。
そのため腸は時々「内なる外」と呼ばれることがありますが、これはからだの内部にありながら、外からやってきた食物と接触して、消化・分解・吸収を行っているからです。
また、それだけではなく、腸は限られた外界との窓口として、免疫の働きをする細胞が細菌やウイルスの侵入を防いでいます。
腸のなかでも特に小腸は免疫系としても非常に重要な役割を担っているのです。
さらに神経系やホルモン系とも深く関わっており、免疫系・神経系・ホルモン系の3つが互いに協調・協力し合いながら、からだ全体が正常に保たれるよう懸命に働いています。
したがって、このような働きをもつ腸は「生命の源」だということが出来ます。ちなみに、進化した人間の腸のルーツをたどると、ホヤのような「原索動物」に行き当たると言われています。
それに加えて腸の蠕動(ぜんどう)運動を支える腸神経系は脳から独立しているうえ、1億個に及ぶニューロンを使って満腹感などを脳に伝えているため、腸は「第二の脳」と呼ばれることがあります。
また、盲腸、結腸、直腸の三つの部分から成っていおり、100種類以上の腸内細菌が生息している大腸は、便の排泄や水分の再吸収などの役割を担っています。
以上ここまで、知っておきたい腸の仕組みと働きについて述べてきました。