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ストレスや運動不足による「コロナ太り」にお悩みではありませんか?
健康的に痩せるためには、ストレスを減らすと共に加工食品を避け、栄養バランスの良い食事を摂ったり、適度に歩いたりすることが必要になってくると思われますが、今回は『知的アンチダイエット生活』(夏目祭子 著 新潮社)を、無理して痩せる前に読みたい一冊としてご紹介したいと思います。
『ダイエットやめたらヤセちゃった』の著者として知られている夏目祭子さんが書いた『知的アンチダイエット生活』は、時代によってころころ変わるダイエット情報を信じていろいろなダイエット法を試してみたけれど、
- 結局ダイエットがうまくいかないと悩んでいる方
- 無理なダイエットで体調を崩してしまったという経験をお持ちの方
- これから本格的なダイエットを始めてみようと思っている方
に、是非読んでいただきたい一冊であるといえます。
世間には様々なダイエット情報が溢れ返っていますが、「「食べたら→太る」というイメージの絶え間ない刷り込みによって、「食べたい物を食べる事への恐怖」が頭の中にどっかと居座っている」ことは、女性たちの食行動をおかしくするといいます。
また夏目祭子さんは「ヤセるためになると思ってせっせと励んでいるダイエットが、実は体をヤセにくく、太りやすくする「逆の努力」だということ」を指摘しています。
そして、「自分の身をあたかも人体実験の材料のようにして、痛烈な形で繰り返し体験」してきたダイエット経験から、「分析と考察の末」に、
- 「巷のあらゆるダイエット法の中に、かえって体をヤセにくく、太りやすくする仕組みが幾つも含まれていること」
- 「実は私たちの体の中に、自発的に不要なエネルギーや体脂肪を切り捨てて、体型バランスを変える能力が備わっていること」
という答えにたどり着いたと述べています。
さらに本書『知的アンチダイエット生活』では、
- 「ダイエットをすると太りやすくなり、やめた方がヤセやすくなるという逆転現象」
- 「実はダイエットこそが「体をヤセにくく、太りやすくするのに効果的なトレーニング法」の役目を果たしていたという事実」
といったことについても著者の夏目祭子さんは触れているため、「ダイエット」という行為そのものにどこか疑念を抱いている方にとっては、非常に興味深い一冊だといえます。
巷に溢れているダイエット情報に惑わされないようにするには?
では、巷に溢れているダイエット情報に惑わされないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
著者の夏目祭子さんは例えば、以下のように述べています。
「私たちの体には、「飢えに対して体脂肪を蓄えて自己防御する働き」がある一方で、「エネルギーを摂り過ぎれば、それを消費して体脂肪を減らす働きを強め、体重を元に戻そうとする働き」が備わっていることは間違いない」(『知的アンチダイエット生活』p30)
このことは「多過ぎるもの自主判断で減らす「自らヤセる力」」なのだといいますが、世間に溢れている「体を飢えさせるダイエット」のほうは、「「自ら太る力」の方を刺激」するのだといいます。
また、「巷のあらゆるダイエット法の中に、かえって体をヤセにくく、太りやすくする仕組みが幾つも含まれていること」と関係してくるように思います。
ダイエットで大切なのは体の声を聞くこと。
要するに大切なのは、強迫的なダイエット情報に脅かされるのではなく、第2章(Lesson2)のタイトルになっている「体の声を聞いて食べる・飲む・動く」ことだと思われます。
つまり「知的アンチダイエット生活」を実践するためのポイントは、「食べる→太る」の罪悪感を持ちながら食べ物に接するよりは、体が欲しているものを感謝の気持ちをもって美味しく頂くほうが、体の調子が良くなるダイエットにつながるということなのだと思われます。
そしてそのためには、やはり「体の声を聞いて食べる・飲む・動く」ことが必要になってくるのです。
また夏目祭子さんは「第二の脳」ともいわれる「腸」に着目し、脳からの欲求ではなく、「お腹の次に脳に聞く」こと、つまりまずは、胃と腸を中心にした内臓から、体の要求を聞き取ることの重要性についても述べています。
その「知的アンチダイエット生活」の具体的な実践内容について、本書では「知的」とある通り、かなり詳しく書かれていますので、関心がある方は実際に手に取ってみて欲しいのですが、全部読み通すのが難しいという方は、序盤のあたりを読むだけでも、アンチダイエット生活を行うための参考になります。
ちなみに夏目祭子さんが書いたこの『知的アンチダイエット生活』は、特に女性にしか分からないカラダのことや、ダイエットの悩みについて筆が多く割かれている印象を受けますので、どちらかといえば男性よりは女性向けの一冊だという印象を受けますが、男性が読んでも勉強できる点はたくさんあります。
以上、ここまで夏目祭子さんの『知的アンチダイエット生活』を、本格的な〝diet〟を始める前に読みたい一冊として紹介してきました。
本書は以前の記事でご紹介した『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(ティム・スペクター 著)と同様、無茶なダイエットをしないで自然に気持ちよく痩せたり、無理なダイエットをして体を壊す前に立ち止まったりするための本としてオススメなのです。