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AIによって労働環境が変化し収入は減るばかり、だけどなかなか新しい働き方への第一歩を踏み出せないと、お悩みではありませんか?
そういうわけで今回は、『お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる』(家入一真 著 大和書房)という本のご紹介したいと思います。
以前、起業家である家入一真氏の『さよならインターネット』『なめらかなお金がめぐる社会。』などの著作が気になったので、『お金が教えてくれること』という本を手に取ってみたことがありました。
貧しい家庭環境で育ち、ひきこもりも経験した著者の家入一真氏は、レンタルサーバー「ロリポップ!」を成功させたことが巷ではよく知られているようですが、実は最近まで、ほとんど知りませんでした。
そして、実際にこの『お金が教えてくれること』を読んでみると、お金のことだけではなく、これからの働き方や自由な生き方など、自分自身が共感できる言葉がたくさんあることに驚かされました。
そういうわけで、まずは肝心のお金についてですが、
生活にかかるコストと、幸せだと思える生活水準を見極めて、それを守るためにどれだけ稼ぐか。その最小公倍数がわからないままがむしゃに働いても幸せにはなれない。最小公倍数なんかどうでもいいという人が多いけど、そこを考えてから動かないと、路頭に迷ったり、どのぐらい頑張らなければいけないかが見えないまま突っ走ってしまうことになりがちだ。
「お金がない」が口癖の人は、自分がいくら必要なのかわからないまま、ただ口に出して言っているだけだと思う。そういう人は多分、月300万円稼ぐようになっても、「お金がない」って言っているんじゃないかな。
(家入一真『お金が教えてくれること』 p27)
本当につらい時って、これが永久に続くって思いがちなんだけど、そうじゃなくて、来年、あるいは5年後にはいい感じになっているんだろうな、今はその途中経過なんだろうなって思えば耐えられる。お金に困って財布に30円しか入っていなくても別に死ぬわけじゃないし。
(家入一真『お金が教えてくれること』 p42)
と述べられています。
私自身、お金は、たくさん稼いで増えれば増える程、そのことに比例して幸福感が増大するわけではないと思いますが、しかし、かといって、手元のお金がゼロに近づけば近づくほど苦しくなってくるし、お金はあるにこしたことはないので、「幸せだと思える生活水準を見極め」て、その分だけ稼いだら、あとは、お金に左右されないようにしてやりたいことに没頭するのが、幸福への近道であるように感じられます。
さらに、お金がない時のつらさは、
「今はその途中経過なんだろうなって思えば耐えられる」
というのは確かであるようにおもいます。
つまり、お金がない自分を、未来のお金がある自分の視点から眺めてみるとことで、お金がない苦しさをうまく受け流す(つらい状況はずっとは続かないということ)ということが大事なのです。
ちょっとした工夫で誰もがクリエイティビティを発揮できる。
また、「仕事をおもしろくするのがクリエイティブ」という一節においては、
仕事はつらいものだとか、会社ってこういうものだとか、嫌なことがあっても我慢しろとか、そういう考え方がいまだに蔓延していて、愕然とする。仕事は本来楽しく、クリエイティブなはずなのに。
クリエイティブというのは別にクリエイターに限ったスキルじゃなくて、総務でも、経理でも、受付でも、カスタマーサポートでも、どんな職業のどんな人でも発動可能なもの。どうしたらおもしろく仕事ができるか、どうしたらお客さんが喜んでくれるかを考えて、よりよくするためのアイデアを出して実践すればいい。例えば人事だったらおもしろい人事制度をいれてみるとか、経理だったら効率よく集計が終わる仕組みを考えてみるとか、ちょっとだけ昨日の自分より背伸びしてみる。そういうふうに考えることができれば、誰もがクリエイターだと思う。
(家入一真『お金が教えてくれること』 p101)
と書かれていますが、私自身も、たとえ職業がクリエイターではなくても、誰もが、才能のあるなしに関わらず、ルーチンワークへの、いつもとは違うちょっとした工夫や見方を変えることでクリエイティビティを発揮できるし、そのことで、毎日の仕事や、趣味が楽しくなり、より人生が豊かになるように思うのです。
『お金が教えてくれること』で、逆境時代を楽しく生きる。
ちなみに本書『お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる』は2013年に出版されていますが、
不況だなんだって騒がれる時ほど、おもしろい会社が出てくると言われている。バブルで景気がよくて、お金がボンボン飛んでるような毎日だと、頭を使うことなんて忘れちゃう。でも、経済も社会情勢も不安定、という時ほど、人は知恵をしぼって考える。そして発想の転換が起こって、あっと驚くようなサービスが生まれる。ギリギリの状況で生まれたものは強い。
(家入一真『お金が教えてくれること』 p127)
「やりたい」って思っていることがあれば、すぐにでもできる。それって何でもいい。もう、本当に自分の目の前にある問題、例えば「不便だな」って思っているものを「こうしたらもっと使いやすくなるのに」っていうところからサービスを考えてもいいし、ちょっとした問題で困っているっていう友人がいて、その友達を「助けてあげたいな。こういうことをやってみようかな」でもいいし、本当にきっかけなんて自分の周りを見渡してみたらいっぱいある。
(家入一真『お金が教えてくれること』 p122)
と述べられていることは、コロナ禍によってこれまで当たり前のようにあった既存のビジネスに対する価値観が揺らぎ、倒産のリスクがある多くの企業が、その存在価値を問われている2023年の今も、その通りだと思います。
さらに、誰かの真似ではなく、人の役に立つために、あったらいいなと思うものを自由に生み出すという意味での、これからの仕事の創り方、働き方を考えるうえでも、家入一真『お金が教えてくれること』に書かれていることは有効であるような気がします。
また、この本に書かれているビジネスに対する柔軟で身軽で楽しい考え方は、多くの企業の存在価値が問われるこれから、ますますスタンダード(標準)になっていくようにも思われます。
目的ではなく手段にすぎないお金に縛られることで不自由になったり、世間の常識や暗黙のルールを気にしたりするあまり、どうしても新しい一歩を踏み出せない、という方は、本書を読んでみると、今の時代は本当に生きづらいと感じるなかで、逆境を楽しく生きるためのヒントが見つかったり、これまで自分が出来なかった柔軟な働き方を始めてみるきっかけをつかんだりできるかもしれません。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪