なぜ今ブッダの教えが重要なのか?【最初に苦しみの矢を抜く】

ブッダ/仏教

なぜ今ブッダの教えが重要なのか?【最初に苦しみの矢を抜く】

なぜ今ブッダの教えが重要なのか?【最初に苦しみの矢を抜く】

コロナ禍で毎日の生活に生きづらさを感じるという時は、ブッダの智恵で気持ちを楽にする生き方、始めてみませんか? 今回はなぜいまブッダの教えが重要なのかということについてです。

 

心の苦しみ/脳ストレスを少しでも減らしてくために、ブッダ(お釈迦さま)の教えから学べることとは、一体何でしょうか?

パーリ語で「ニカーヤ」と呼ばれる原始経典群には、ブッダが説いた「矢のたとえ」が出てきます。

そのうちよく知られているものに、宇宙は有限か無限か、霊魂は不滅かそうではないのか、といった形而上学的な質問してきた弟子のマールンキヤ(マールンクヤプッタ)の問いに対して、ブッダが「矢のたとえ」で答えているものがあります。

 

もし毒矢が刺さったら、矢がどこから来たのか、何という名前の者が矢を放ったのか、身長はどのくらいか、など、あれこれと考えるよりも先に、まず刺さった矢を医者に抜いてもらうことが先決であるというのです。もしそうしなければ毒がまわって死んでしまうからです。

 

つまり、そのような不毛な議論は、生老病死という人生の苦しみの消滅には無用であると答えたといわれているのです。

もし喉が渇いたら水を飲む。空腹であることがつらいと感じたら、本当につらくなる前に何か食べ物を適度に口にする。

それと同じように心に対しても、無理したり我慢したりせずに、自分自身を気づかうようにすることが必要であるように思うのです。

もしケガをして出血したら、消毒をして絆創膏(ばんそうこう)を貼ったり包帯を巻いたりするのが、事態を悪化させないための合理的な手段です。

 

大切なのは、いまの心の状態を少しでもラクにしてあげること。

大切なのは、いまの心の状態を少しでもラクにしてあげること。

しかし一刻も早く処置をしてほしいのに、医師が何人も集まってきて、それぞれが自分の治療法が正しいと議論を始めたらどうでしょうか?

このことはかつて「小乗」と呼ばれた上座仏教と大乗仏教のどちらがブッダの教えを正確に伝えているかと、僧侶や仏教学者が集って議論するようなものなのです。

 

もちろん、ブッダの教えを正確に理解することは大切ですが、家庭がうまくいっていなかったり、学校や会社でいじめを受けたりしてつらい思いをしていたりして、イヤな記憶にとらわれ、毎日生きているのが苦しいと感じている時に難しい議論をすることが必要でしょうか?

 

それよりも大切なのは、いまの心の状態を少しでもラクにしてあげることではないでしょうか?

実際、『ブッダが説いたこと』のなかで、「ブッダは、人類の病いに対する賢明にして科学的な医者である」というように、お釈迦さまは宗教の教祖というより、症状を合理的に判断する医師のような存在として語られることが多いのです。

 

矢のたとえでブッダは何を伝えようとしていたのか?

矢のたとえでブッダは何を伝えようとしていたのか?

また原始経典群には、第一の矢を受けたとしても、第二の矢は受けないというものもあります。

このたとえを現代風に分かりやすく解説するならば、ストレス(ストレッサー)に対して心が反応してしまうのは仕方がないが、そのことを引きずらず受け流すようにして、深刻に悩まないことが大切であるということになります。

たとえば料理の最中などに切り傷を負って出血したとしても、消毒をして絆創膏を貼り、あとは放っておけば傷は勝手に治っています。しかし傷口が気になるあまり、汚れた手でさわってしまうと、もしかしたらそこからばい菌が入って状態が悪化してしまうかもしれません。

 

自分自身の「心」に関しても、何らかの傷を受けたとしてもその傷を自ら大きくしないよう心がけることが大切なのです。

すなわち、大きな失敗をやらかしたり他人からひどい仕打ちをされたりしたとしても、いつまでも過去のことにこだわって自分や他人を責めたり、イヤな記憶がよみがえるたびにそのことにとらわれて落ち込んだりしないということが大切なのです。

 

このことに関して神経心理学者であるリック・ハンソン氏は、『脳を鍛えてブッダになる52の方法』のなかで、以下のように述べています。

 

ブッダ(お釈迦様)の比喩を用いれば、避けがたい人生の苦しみが「第1の矢」です。私たちは、ただ怪我をするだけでなくその第1の矢に反応して侮辱されたとし考えます。例えば、ただの頭痛なのに、脳腫瘍のせいではないかと心配したりします。あるいは、恋愛で拒絶され、ひどい自己批判に陥ったりします。

さらに、実際には困ったことは何も起こっていないのに不安になって過剰反応してしまうこともよくあります。

(中略)

こうした反応は全て「第2の矢」、自分自身に向かって放つ矢です。つまらないことに大げさに反応すること。いつまでも根に持つこと、自分を正当化すること、痛い目にあった後罪悪感で頭がいっぱいになること、遠い過去の事にいつまでもこだわること、見通しが立たなくなること、どうにもならないことをくよくよ悩むこと、頭の中で口論を蒸し返すことなどです。

(リック・ハンソン『脳を鍛えてブッダになる52の方法』 影山幸雄 訳 サンガ文庫 294‐295頁)

 

実際には、ブッダの教えの通りに第一の矢は受けても第二の矢を受けないというのは相当難しく、かなりの心の修養/瞑想修行が必要になってくるのですが、

☆呼吸をきっかけに「今・ここ」に気づくこと。

☆自己と他者(生きとし生けるもの)に慈しみの気持ちを向ける。

日々の生活において、この呼吸への気づき慈しみの気持ちを向けるようにすることをこまめに実践するようにすることは、難しい議論をするよりも先に矢を抜き、第二の矢(もしくは第三の矢)を受けないようにすることにつながっていくと思われます。

 

ちなみに先日お知らせしたKindle本『ブッダの智恵で、脳ストレスを減らす生き方 最初に苦しみの矢を抜くための仏教入門』のほうでは、この二つについて詳述しておりますので、関心がある方はチェックしてみていただけると嬉しく思います。

 

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪

 

当ブログ管理人が書いた『ブッダの智恵で、脳ストレスを減らす生き方 最初に苦しみの矢を抜くための仏教入門』

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