今回は知っておきたいミネラルの栄養学としてカルシウムの効果と働きについて述べていきたいと思います。
カルシウムは成人の体内に約1kg存在していますが、その約99パーセントが骨や歯など硬い組織にヒドロキシアパタイトとして存在しています。
そして、骨の構成成分として体を支持しています。
またカルシウムは、絶えず作り直されている骨から出たり入ったりしています。血中のカルシウム濃度は9~11mg/dLとほぼ一定に維持されており、骨はカルシウムの貯蔵部位として機能しています。
残りの1パーセントのカルシウムは、機能カルシウムとも呼ばれており、細胞や神経、筋肉や血液中に存在して心臓や全ての筋肉が正常に収縮するのを保つ働きをしています。それに加え、神経刺激が正常に伝達されるよう保つ働きもあります。そのほか、血液凝固、酵素の活性化にもカルシウムは関わっています。
そのため、カルシウムが不足してしまうと、骨や歯がもろくなるだけではなく、イライラや神経過敏が起こりやすくなるとされています。
食品からのカルシウムは小腸の上部で水溶性となって吸収されます。吸収率は年齢によって変わり、成人で25~30パーセント、成長期では必要量が高まるため、約40%だと言われています。
カルシウムの吸収をよくするものには、ビタミンCやビタミンD、アミノ酸のアルギニンやリジンなどがあります。
また、マグネシウムとのバランスも大切になってきます。
カルシウムは小魚や海藻、乳製品などに多く含まれますが、特に多く含む食品としては、イワシや煮干し、干しエビなどが挙げられます。
欠乏症に関しては、骨粗しょう症や骨軟化症が挙げられます。また、小児の場合は、骨形成不全による成長不良が起こるとされています。
過剰症については、泌尿器系結石、ミルク・アルカリ症候群などが挙げられています。
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