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今回は、ナイアシンの働き・役割についてです。
一般的にナイアシン(ビタミンB3)には、以下のような効果効能・役割があるとされています。
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関与。
- 皮膚・粘膜の健康を保つ。
- 脳神経の働きを助ける。
- アルコールの分解。
ナイアシンは補酵素として、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっています。
動物性食品のなかではニコチンアミド、植物性食品中ではニコチン酸として存在しており、発見当初はビタミンB3とも呼ばれていたと言います。また、必須アミノ酸のトリプトファンからも作られます。
ニコチンアミドは、生体内に最もたくさん存在する補酵素であるNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)と、NADP(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸)に合成されていきます。
NADは糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを作る経路で働き、NADPは、主に脂肪酸やステロイドの合成に水素を供給する役割を担います。
また、ナイアシンは2000種類以上ある酵素のうち、500種以上の酵素の補酵素として働きますが、その働きの一つとして、アルコール代謝物のアセトアルデヒドの分解にも関わっています。
さらに血管拡張作用による血液循環改善や、健全な皮膚や粘膜の合成にも関与しているため、「肌のビタミン」と呼ばれることもあります。
ナイアシンは熱湯には溶けやすいですが、熱や光、酸やアルカリなどに安定しており、調理や保存で壊れにくいビタミンです。
ナイアシンを多く含んだ食品は?
ナイアシンを多く含んだ食品としては、カツオ、サバ、タラコ、豚レバー、コーヒーや紅茶、ひらたけなどがあります。
欠乏症に関しては、ナイアシンはトリプトファンからも合成されるため、日本人にはほとんど見られないとされています。しかし、アルコール依存症患者には、まれにペラグラ症と呼ばれる皮膚炎や胃腸障害が見られると言います。
過剰症については、ヒスタミンを遊離させることによる一時的な顔面紅潮が見られます。
以上が、ナイアシン(ビタミンB₃)の働き・役割についてです。