ブッダが説いた心の悩み苦しみ、脳のストレスを減らす方法とは?

ブッダ/仏教

ブッダが説いた心の悩み苦しみ、脳のストレスを減らす方法とは?【心の免疫力を高める生き方】

私たちが普段から悩まされているストレスや心の悩み苦しみを、ブッダの教えによって減らせることはご存知でしょうか?

前回の記事では、『脳からストレスを消す技術』を取り上げ、脳が感じるストレスとは何なのかについて述べましたが、今回はブッダ(お釈迦さま)が説いた心の悩み苦しみ/脳ストレスを減らす方法についてです。

 

ブッダのいう「苦」(パーリ語でドゥッカ)とは、心に生じる悩み苦しみのことですが、この「苦」を構成するものは、不満足や痛み、イライラや欲求不満、不快感など多岐にわたります。

すなわち「苦」(ドゥッカ)とは、脳ストレス全般のことを指しているといっても良いのですが、この「苦」が生じてしまうのには、貪欲や怒り、妄想、執着などの「原因」があるのです。

 

ブッダが説いた基本的な教え「四聖諦」とは?

ブッダが説いた基本的な教え「四聖諦」とは?

このことを説明するのは、ブッダが説いた基本的な教えである「四聖諦」(ししょうたい)です。

僧侶であり宗教学が専門の大学教授でもある釈徹宗氏は、『いきなりはじめる仏教生活』のなかで、

「〈四聖諦〉とは、「なぜ苦悩は生じるのか」「どうすれば苦悩を解体できるのか」という仏教の根幹を、因果律の構図で説明したものです

と述べています。

 

「苦諦――生きることが苦悩である 苦の結果」

「集諦――なぜ生きることが苦悩になるかというと、それは無明や執着があるからだ 苦の原因」

「滅諦――苦が消滅した世界 苦を解体した結果」

「道諦――苦は正しい道を歩むことで解体できる 苦を解体する原因」

(釈徹宗『いきなりはじめる仏教生活』 新潮文庫より抜粋)

 

そして、釈徹宗氏は、

 生きることが苦悩である〈苦諦〉とは、〝思い通りにならない〟ということです。そこで、苦悩が生起するメカニズムを知り、苦悩を解体するための実践道を説きます。その実践道(道諦)は〈八正道〉として表現されます。

 

と述べたうえで、「八正道の〈正しい〉というのは、偏りがないことを指します」としています。

したがって心に生じる悩み苦しみや頭のなかのやっかいごと・脳ストレスは、偶然の産物であるためにどうすることも出来ないというわけではなく、物事を正しく観察することで減らすことが出来るのです。

ブッダの瞑想法 ヴィパッサナー瞑想の理論と実践

そしてそのための方法が、ブッダが示した、<ヴィパッサナー>と呼ばれる気づきの瞑想法なのです。

 

 悟りを開いたブッダが人類に向かって法(ダンマ)を説いた目的はただ一つ、人々が苦しい生存の状態から解放されることを願ってのことでした。その苦から解放されるための方法としてブッダが提示したものが、ヴィパッサナー瞑想というシステムです。究極の悟りに導くものでありながら、非常にシンプルなやり方なので、誰でもすぐに実践できるし、その効果も速やかに得られるものです。在家の立場で瞑想に取り組もうとする私たちには、最適の方法と言えるでしょう。

(地橋秀雄『ブッダの瞑想法 ヴィパッサナー瞑想の理論と実践』 2頁)

 

「今・ここ」という瞬間に気づくことで、苦しみの矢をとりあえず抜く。

「今・ここ」という瞬間に気づくことで、苦しみの矢をとりあえず抜く。

ちなみにブッダの教えのひとつに、もし毒矢が刺さったならば、その毒はどんな種類のものか、どこから飛んできたのか、誰の仕業か、ということを考える前に、最初にすべきことは矢を抜くことだ、というものがあります。

つまり毒矢を受けた時、あれこれと考えている間に毒が全身にまわってしまったら、命を奪われて考えることすら出来なくなるため、元も子もないのです。

もしかしたら、私たちが普段から抱えている未来への不安や心の悩み苦しみ、やっかいごと、脳ストレスなどについても、この毒矢のたとえと同じことが言えるのかもしれません。

 

すなわち、悩み苦しみの原因を考えるよりも先に、「今・ここ」という瞬間に気づき、正しく観察することによって、苦しみの矢をとりあえず抜くことが大切なんですね。

 

今回はブッダ(お釈迦さま)が説いた心の悩み苦しみ/脳ストレスを減らす方法について述べてみました。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪

 

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(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

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