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マインドフルネス瞑想を毎日の習慣にすることで、これから。病気になりにくい、免疫力を高める生き方、始めてみませんか?
今回はマインドフルネス瞑想と免疫力の関係についてです。
当ブログではマインドフルネス瞑想については、これまでたくさんの記事で取り上げてきましたが、マインドフルネス瞑想が免疫機能に良い影響を与えるということに関しては、2003年の神経科学者、リチャード・デビットソンの研究結果があります。
健康な従業員に8週間のマインドフルネス・ストレス低減法を行ってもらい、脳と免疫機能を見たところ、「ポジティブな感情と関係する脳の部位の活動が活発になり、インフルエンザに対する抗体価が増す」というのです。
またインフルエンザのワクチンを接種した時の抗体反応も、マインドフルネス瞑想の訓練した人は、ワクチンに対する抗体価が増加していたといいます。
他にも、カーネギーメロン大学の心理学者クレスウェルらによると、失業のストレスを抱えた人が3日間のマインドフルネス・ストレス低減法の訓練を行ったところ、インターロイキン6の水準が低下していたといいます(参考 友原章典『実践 幸福学』)。
このインターロイキン6とは、多彩な生理作用を有するサイトカインと呼ばれる物質の一種で、免疫応答や炎症反応の調節において重要な役割を果たし、高いストレスを感じていると増えるとされています。
長引く精神的ストレスは免疫力を低下させる。
また、ストレス対処法としてマインドフルネス瞑想を活用することは、免疫力の低下を防ぐことにつながると思われます。
日々の生活のなかで「ストレス」を感じることは避けられないものですが、ぼんやりと過去のイヤな記憶を反芻(はんすう)したり、まだやって来ていない未来に対して不安を感じたりすることで、ストレスが長期化すると、免疫力が低下するといわれています。
たとえば、ぼんやりとすることが多く、現状の自分に不安を感じたり、過去のイヤな記憶を思い出したりすることで、自分を否定したり、自己嫌悪などに陥ったりすると、自分自身で余計なストレスを作り出すことで心身にじりじりとダメージを与えてしまいます。
さらに家庭や職場などの人間関係や、親の介護、子育て、お金の心配などが原因でストレス状態が長引くと、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが必要以上に分泌され、免疫機能の抑制や慢性炎症、老化、記憶力の低下などにつながってしまうと言われています。
例えば仕事などで大きな失敗をやらかしてしまった場合、その経験を教訓として活かすために考え続けることで、再び同じ失敗を繰り返さないようにすることは大切です。
しかしながら「いつも失敗してしまう自分は駄目なやつだ」「周りの人たちに多大な迷惑をかけてしまった」など、同じ道をぐるぐるとさまよい続けるように反芻し、自分自身を痛めつけるように苦しみ続けるのであれば、そのことは心と身体の健康を守るためには避けたほうが賢明なのです。
そして「マインドフルネス瞑想」には、大学や研究機関の調査によって、コルチゾールの過剰な分泌が抑えられる効果が期待できることが示唆されています。
また、分子生物学者のエリザベス・ブラックバーン氏と健康心理学者のエリッサ・エペル氏は、他の記事でも取り上げた『テロメア・エフェクト』(森内 薫 訳)のなかで、
困難な出来事が過ぎ去ったあともストレスの悪影響を引き延ばしたいというなら、「考えすぎる」のは最適な方法だ。ストレスのもとになる出来事がとうに終わっていても、それについてくよくよ思い返しているかぎり、ストレスは体に居座り、血圧の上昇や心拍数の増加、コルチゾールの増加などを長期にわたって引き起こし続ける。
としたうえで、ネガティブな思考に対するマインドフルネス瞑想について言及し、以下のようにアドバイスしています。
もし今度、招かざる感情が頭に入りこんできたのに気づいたら、次のことを試してみてほしい。まず目を閉じる。ふつうに呼吸をしながら、呼吸に意識を集める。何かの考えが頭の中に浮かんできたら、目撃者になったつもりでそれを見つめ、去っていくのを穏やかに待つ。頭に浮かんだ考え自体にも、それを思い浮かべてしまった自分自身にも、判断は極力下さない。注意をふたたび呼吸に戻し、息を吸って吐いてという自然な感覚に意識を集中させる。
エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル『テロメア・エフェクト』 森内 薫 訳 146頁
ちなみに臨床心理士の熊野宏昭氏は、
「マインドフルネスとは、今の自分の状態がどういう状態かをありのままに感じることですから、ストレスがたまっているならたまっていると感じる、ストレスがないならストレスがないと感じます。ストレスがない状態のことを指しているわけではないのです。」
とし、「マインドフルネス」は、いわゆるストレスに対する「リラクセーション」とは別の軸であるということを強調しています(参考 熊野宏昭『実践!マインドフルネスDVD』)。
今回はマインドフルネス瞑想と免疫力の関係について述べてみました。
マインドフルネス瞑想を毎日の習慣として実践すれば、風邪を引きにくくなったり、より健康になったりすることは十分考えられるのです。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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