日々のマインドフルネス瞑想によって、いつもの「運が悪い」「不運」を変えてみませんか?
前回の記事では、「不安」と「不運」と「脳」の関係について述べ、「不安」な状態が続くことが、「不運」な出来事を余計に引き寄せてしまうことは確かにあると述べました。
しかしながら大切なのは不安にならないようにすることではなく(誰だって不安になる時はある)、「これからどうなる?」と不確実な状況に立たされて不安を感じた時に、どのように行動するかなのです。
精神科医のアンデシュ・ハンセン氏は『ストレス脳』のなかで、
「不安に苛まれるのはおかしなことではない。おかしいのはむしろ、不安を感じない人がいることだ」
「脳が強ければストレスや苦難や孤独の影響を受けずにすむわけではなく、生き延びるためにベストを尽くせる」
と指摘していますが、重要なのは不安になったら無理に不安を無くそうとするのではなく受け容れ、交差点を車で右折する時のように、周囲の状況に注意を払いながら最適なタイミングで適切な行動を取ることなのです。
そしてそのためには、実行機能を司る前頭葉が働くよう、普段からマインドフルネスや瞑想を習慣にすることで脳を鍛えることが大切なのです。
ところで「運も実力のうち」といいますが、この「実力」とは、実行能力のことを指すように思うのです。
たとえば、もしお金がないことが不安だったら、あやしい儲け話や消費者金融に手を出すのではなく、お金の仕組みについて学びつつ余計な支出を減らし、さらに収入を上げる方法を具体的に考えて実行に移せばいいし、老後に足腰が弱まって寝たきりになるのではないかと不安になるのだったら、まだ自分の足で歩けるうちから、毎日散歩することを習慣にするといいのです。
大事な試験に合格できるのか不安になるのだったら、解けない問題を解けるようになるまで練習問題をこなせばいいし、接客業に携わっている場合、いつもクレームばかりを言ってくる客が来店するかどうか不安になるのだったら、自分だけで抱え込まず、上司や仲間と相談して、あらかじめ具体的な対応策を練っておくといいのです。
また、その時解決が難しいと感じた問題については、解決策を思いつくまで、しばらく判断を保留にしておく、つまりあえて行動をしないことも、実行能力のうちの一つであるように思います。
つまり不安になることによって不運な出来事に遭遇することを少しでも避けるためには、冷静に判断して、その時、最適な行動を取ることが大切なのです。
そうすると、私の経験上、後々、結果的にうまくいったという幸運がもたらされることが多くなります。
反対に、「これからきっと良くないことが起こる」と不安(もしくは恐怖)という感情にのみ込まれ、自分のコントロールを失い冷静な判断が出来なくなってしまうと、衝動的にその場しのぎの間違った行動を取ってしまい、事態が悪化してさらなる不運な出来事を招き寄せてしまうかもしれないのです(かつての私自身がそうでした💦)。
もしちょっとしたことでは揺らぐことのない「自分にとって確かなもの」(安心感や安全基地)を見つけられず不安定であれば、たとえばテレビのニュースに接する度に、お金のことであれ健康のことであれ将来のことであれ、<不安>になって心理的ストレスを感じることは多いと思います。
しかし「不安」とは文字通り、自分でコントロール出来ない不確実な状況に立たされているために安心出来ないこととも言えます。
したがって、不安を解消するためには、いずれ安心できる(結果的にうまくいった)ように、今自分が直面している問題を解決していくことが大切なのです。
「不安」 ≒ 「不運」 ⇒ 「安心」 ≒ 「幸運」 に変えていく。
そしてそのためには、以前の記事で述べたように、マインドフルネス瞑想を実践する習慣によって脳を鍛え、前頭前野を働かせるようにすることが有効であると考えられるのです。
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