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今回は、今やりたいことに集中することが幸せにつながる、ということについてです。
幸せはどこか遠くではなく、今・ここにしかないと思われますが、普段から幸せを感じるためには、ひとつひとつの行動に対して、
- 「~しなくちゃ」
- 「~しなければならない」
- 「~すべき」
と思って行うのではなく、
「~したい」
と強く感じながら行うことが大切になってきます。
つまり、「やりたいことだけをやる」ことに集中することが、幸せになるためのコツなのです。
また、社会に不安を感じたり、経済的に不安定であったりしても、やりたいことを思いきりやっていたほうが、心が良い状態に保たれることで運気が上がり、ハッピーな出来事(幸運)を引き寄せやすくなります。
ちなみに、幸せを感じるためにより大切になってくるのは、明日もあるからという理由づけや、過去の苦い経験を踏まえることによって、「やりたいこと」を先延ばしせずに、今すぐにやってしまうことです。
一方、他人の評価や視線を気にしてばかりいると、自分が本当にやりたいことは出来なくなりますし、誰かに好かれたり関心を持たれたりするために「~しなければならない」ことを続けると、やがてそのことがストレスになり、結局は生命力や生きる歓びが低下していってしまう、というのは私自身の経験です。
たとえば、この「have to」と「want to」について、吉田昌生氏の『1分間瞑想法』には以下のように書かれています。
HAVE TO「するべき」「ねばならない」という思いが出てきたとき、その人の心の中は、義務感、恐怖や不安に支配されています。
人は、不安や恐怖に支配されると、それを抑え込むのにエネルギーを消費し、行動を起こすためのエネルギーが弱くなります。
また義務感、やらされ感で何かをする場合も、エネルギーを相当消費します。自分が意義を感じないものを、無理にやっても、やる気が湧いてきません。
好きでないこと、興味がないことは内側からエネルギー(情熱)が湧いてこないので、努力が必要です。がんばらないといけません。
(吉田昌生『1分間瞑想法』p204~205)
一方で、WANT TO「したい」と思ったとき、心の中にイメージされているのは、得たい結果です。潜在意識は、イメージしたいことを引き寄せます。得たい結果をイメージしているので、それが引き寄せられるのです。
自分がやりたいことをやるとき、エネルギーが内側から湧いてきます。自分が好きなこと、心からやりたいことは、その行為自体に喜びを感じます。
好きなことは努力がいりません。子供がゲームをするように自然とやっています。好きなことは誰に頼まれるでもなく継続的に学び続けます。
だから、うまくいきやすいし、続きやすいのです。
(吉田昌生『1分間瞑想法』p205)
やりたこと「want to」だけをやれば、毎日が楽しい。
つまり、吉田氏も述べているように、やりたいことだけをやるのに、頑張る必要はないし、努力する必要もないのです。
しかしこのように述べると、「言葉で言うのは簡単だが、現実社会ではしなければならないことの方が圧倒的に多い」と感じる方も多いのではないでしょうか?
確かに毎日100%やりたいことだけをやるのは難しいかもしれませんし、例えば仕事や勉強、家事などについては、やりたいことというよりも、やらなければいけないことだと思って行っている方のほうが多いのかもしれません。
そのため、やりたいことだけをやるというのは理想論だとされてしまうのかもしれませんし、やりたいことだけをやっていたら世の中が回らないと考える方もいらっしゃると思いますが、それでも、一日のなかでやりたいことだけやるという選択肢をあえて選んだ方が、一度きりの人生のなかで毎日楽しい日々を送れると私は思っています。
なぜなら、もし周りの考え方や世間の常識、他人の評価などに囚われすぎて、「やらなければいけない」ことばかりを行なっていると、気力は減退し、心身ともに疲弊してしまうからです。
簡単にいえば、毎日の生活のなかで「生きる歓び」がなくなってしまうのです。
人間ですから、人の目、他人からの評価は気になります。
自分の本当にしたい仕事ではなく世間の評判が高い仕事を選んだり、他人に「立派な人だ」と思われたくて見栄ばかり張ったり、嫌われるのが怖くて「イヤだ」と言えなかったりすることもあるかもしれません。
でも、「他人がどう思うか?」「周りの人に何と言われるのか?」に重きを置けば置くほど、自分が本当に求めているものが見えなくなります。
他人の意見や、外側のノイズをシャットダウンして、何もしない自分だけのひとりの時間を持ちましょう。
世間体や世の中の価値観、他人の期待に沿うための人生ではなく、自分で自分の人生を思い描きましょう。
心の声(ハート)に耳を澄ましましょう。
自分の本音に気づき、心で感じていることを大切にし、身体を慈しみ、いたわる時間を持ちましょう。
(吉田昌生『1分間瞑想法』p211~212)
「やりたいこと」が「やらなければならない」(have to)に変わってしまったら?
もし、毎日の時間のほとんどが「しなければいけない(have to)」になってしまっていたら、吉田氏が述べている通り、「自分の本音に気づき、心で感じていることを大切にし、身体を慈しみ、いたわる時間」をもつことが大切だと思われます。
また、やりたいことだけやっているつもりでも、いつの間にか、「やりたいこと」が「やらなければならない」ことに変わってしまっている可能性もあります。
そういう場合は、やりたいことをやっているはずなのに、何だか楽しくないと感じるようになります。
かくいう私も、ブログだけではなく、書評などの文章を好きで書いているのに、他人の視線や評価が気になり、いつのまにか「書きたい」が「書かなければならない」に変わっていることで、やりたいことに集中できなくなってしまっていることがあります。
その場合、自分の願望ではなく、自分が勝手に想像した他人の願望を叶えようとしていることが多いのですが、そういう時は、しばらく書くことをやめて、書きたいという気持ちが湧いてくるまで、休養やメンテナンスをするつもりで、音楽鑑賞や自然散策など、いつもとは違うことを行うようにしています。
そして、この文章をいま書けているのは、書きたい(want to)という気持ちが、心の中で再び強く湧き上がってきたためです。
もし、毎日忙しすぎる時間を送っていることが原因で、脳と体に疲れが溜まり、自分を見失っているように感じたら、しばらくの間、日常の喧騒や他人の目を忘れて、空や海や桜を眺めたり、森林浴を行なったり、マインドフルネス瞑想を実践したりして、自分と向き合ってみると良いかもしれません。
そうすることが、「have to」ではなく自分にとっての「want to」を見つけだす秘訣でもあります。
さらに、やりたいことを続けることで、やりたいことが、わざわざモチベーションを高めなくても、「勝手にやってしまうこと」へと習慣化すれば、最高です。
大切なのは「have to」ではなく「want to」。
ちなみに、私に「want to」の重要性を教えてくれたのは、認知科学者である苫米地英人氏の『いい習慣が脳を変える 健康・仕事・お金・IQ すべて手に入る!』といった著作の数々です。
あなたが現状を抜け出して自らが目指す「目的地」に向かうことは、もはや「しなければならない」ことではありません。それは、あなたが「したい」ことに他なりません。
そのためにあなたがとる必要な選択と行動は、そのすべてが「したい」「選ぶ」「好む」という気持ちから湧き起こります。
このようなポジティブな動機を持てば、問題の解決、対立の解消、満足できる最終結果というポジティブなイメージが潜在意識に刷り込まれます。
そして、このことが、最終的にイメージを満足感、達成感、喜びの感情と結びつけ、目標達成を楽しいものにしてくれるのです。
(苫米地英人『201冊目で私が一番伝えたかったこと』p42)