腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることで、腸の腸内環境を良好に保つことは、日々の健康や免疫力を維持したり、うつやアレルギーを予防したりするために必要になってきますが、実は腸は皮膚や血液、そして「脳」とも関係しています。
そういうわけで、前回は小腸についてでしたが、今回は、知ってトクする大腸の仕組みと働きについてです。
大腸は長さが1.6~2mある管で、盲腸、結腸、直腸の三つの部分から成っています。
- 盲腸・・・小腸から大腸に移行する部分は回盲弁と呼ばれ、回盲弁より下にある大腸を盲腸と呼ぶ。その末端には虫垂という突起がある。
- 結腸・・・上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸の四つの部分から成る。消化物の残りかすが蠕動運動によって進み、小腸で消化されなかった繊維質などはここで分解・吸収される。
- 直腸・・・S状結腸と肛門を結ぶ20cmほどの長さの器官で、消化・吸収の機能はない。直腸に至ると消化物は大便になっている。
また、大腸の壁は杯細胞で覆われ、大腸の粘液が分泌され、排泄しやすい糞便を形成します。大腸では小腸で吸収されなかった水分の再吸収も行われ、消化物のかすを便として整えていきます。
やがて便は体外に排出されますが、その成分は腸内細菌の死骸や生菌、消化されなかった食物の残りかすなどです。
さらに、大腸の壁面には一定の感覚でくびれとふくらみがありますが、これらは内容物を溜めておくと共に、蠕動(ぜんどう)運動が起きている際に、内容物を絞り、水分を吸収しやすくするために存在しています。
それに加え、大腸には100種類以上の腸内細菌が生息しており、その発酵作用で食物繊維を短鎖脂肪酸に分解します。
短鎖脂肪酸は大腸で吸収され、腸などのエネルギー源となります。そのほか、腸内細菌はビタミンKの産生も行います。
以上が、大腸の仕組みと働きについてです。