腸内フローラ

腸内細菌のバランスが健康維持のためにすごく大切なわけ。【腸を元気にする生き方】

腸内細菌のバランスが健康維持のためにすごく大切なわけ。【腸を元気にする生き方】

腸内細菌は「バランス」が大切であるということはご存知でしょうか?

今回は腸内細菌のバランスが、腸を元気にするために非常に大切だということについてです。

 

以前、腸内細菌の役割について述べましたが、およそ1000種類、100兆個以上も私たちの腸に棲息しているとされる腸内細菌は、一般的には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されています。

近年はそれぞれの菌が様々な役割を担っていることが解析技術によって分かってきているため、単純に「善玉菌=良い/悪玉菌=悪い」といったような旧来の図式は成り立たないとされており、

善玉菌・悪玉菌・日和見菌の理想的なバランスは2:1:7

だと言われています。

 

このことは、

腸内の悪玉菌が増え過ぎるのは、確かにからだにとって良くないけれど、かといって善玉菌ばかりを増やしすぎても、腸内フローラの調和が保たれなくなるため、様々な問題が生じる、ということを示唆している

と思われます。

 

善玉菌がおよそ2割を占めるように腸内細菌のバランスを整えていくことが大切。

光岡知足『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』

たとえば、腸内細菌学のパイオニアである東京大学名誉教授の光岡知足氏は、この腸内細菌のバランスに関して以下のように述べています。

 

 人間社会に照らし合わせればわかりますが、すべての人が熱心に働いているような組織というのはどこか窮屈で、気詰まりがしています。ヒトも生物の一員ですから、なかには怠け者もいますが、そうした人が排除されてしまうような環境はけっして健康的とは言えないでしょう。

学校で言えば、優秀な人ばかりではなく、落ちこぼれだって必ずいます。テストの出来がいい・悪いだけで、一人ひとりの個性が蔑ろにされてしまうのであれば、それは健全な教育とは言えません。

どの国、どの時代であっても、悪いことをする人は必ず存在しますが、善いことをする人の割合が一定以上の割合で存在していれば、そうした悪も自然と抑え込まれ、社会の調和は保たれるでしょう。

すべてを変える必要はないのです。腸内細菌で言えば、ヒトの健康のカギを握るのはビフィズス菌ですから、ビフィズス菌が働きやすい環境を整えていくことを常に考えるようにすれば、悪玉菌の増殖は抑えられ、大多数の日和見菌が悪になびくことがなくなっていきます。

そう、わずか2割が変わるだけで腸内フローラのバランスは回復し、私たちは心身の健康を確保することができるのです。

(光岡知足『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』p178~179)

 

光岡知足氏がこのように述べている通り、腸内フローラの調和を保つためには、「善玉菌=善」「悪玉菌=悪」と決めつけて、むやみに善玉菌だけを増やそうとするのではなく、善玉菌がおよそ2割を占めるように、腸内細菌のバランスを整えていくことが大切なのです。

そしてこの腸内細菌の調和が重要であるという視点は、人間社会を考えるうえでも活きてくるように思われます。

 

腸内フローラとは腸内細菌のバランスと多様性のこと。

腸内フローラとは腸内細菌のバランスと多様性のこと

先ほども述べましたが、実際、最近の研究では、これまでのような「善玉菌/悪玉菌/日和見菌」の分類は、通用しなくなってきていると言います。

これはどういうことかと言いますと、善玉菌や悪玉菌、日和見菌は、それぞれがそれぞれの役割を腸内で担っているため、単純に善玉菌のみがカラダにとって良い働きをするわけではなく、悪玉菌と呼ばれる腸内細菌も実は腸やからだの健康を維持するために、いろいろな役割を担っているということです。

 

この腸内フローラのバランスや多様性に関して、若き腸内フローラ研究者の福田真嗣氏が『おなかの調子がよくなる本』のなかで以下のように述べていることが印象的です。

福田真嗣『おなかの調子がよくなる本』

 これまでの科学では、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは、2:1:7くらいであり、善玉菌が常に悪玉菌より多く、悪玉菌を抑えているのが健康的な腸内細菌と考えられてきました。

しかし、腸内細菌については、科学の進歩でさらに詳しいことがわかってきました。これまで善玉菌とされていた中にも働きのいい菌とそうでもない菌がいたり、悪玉菌や日和見菌だと思われていた中にもいい働きをする菌がいたりするのです。

(中略)

また、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが大切でありますが、研究が進むことによって腸内フローラの多様性が重要であるという考え方も広がってきています。病気の人は腸内フローラの多様性が低下してしまっていることがわかってきたからです。

腸の中に特定の微生物ばかりが多いのではなく、たくさんの種類の微生物がいて、あらゆる食べ物の分解に対応できる、つまり何が腸にやってきても対応できることこそが健康につながるのです。

この「多様性」というのは重要なキーワードの一つです。これは、余談になりますが、腸内フローラだけではなくて、人間社会とも共通することです。

(福田真嗣『おなかの調子がよくなる本 自分でできる腸内フローラ改善法』p42~45)

 

このように、福田真嗣氏も光岡知足氏と同様のことを述べていますが、やはり腸内環境や腸内フローラを改善していくうえで必要になってくるのは、腸内細菌のバランスと多様性を意識することなのだと思われるのです。

そしてそのことが、腸内細菌の働きによって代謝が良くなり、免疫力も向上し、うつアレルギーも緩和するなど、生きていること自体が気持ち良いと感じられるような、生命力のアップや真の健康の実現にもつながっていくと考えられるのです。

 

そのほか、腸内細菌の酵素を分泌する働きも近頃は注目されています。

体内の酵素を増やすためにも、腸内細菌のバランスを整えることは重要なのです。

そしてその「腸内細菌のバランスを整える」とは、前回の記事やKindle電子書籍で詳しく述べましたが、手段や目的というより、日々の生活習慣の「結果」であるといえるのです。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪

 

「腸内細菌のバランスを整える」とは目的ではなく「結果」だった。

 

『腸内フローラ改善習慣で、腸を元気にする生き方 「腸内細菌のバランスを整える」とは目的ではなく「結果」だった。』

Amazon Kindle で販売中です😊

 

 

当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

関連記事

  1. ハチミツ

    生・純粋ハチミツの腸内環境を改善する効果の実力とは?

    当ブログではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、…

  2. 『土と内臓 微生物がつくる世界』で土壌をはぐくむように腸内環境を育てる。

    腸内フローラ

    『土と内臓 微生物がつくる世界』で土壌をはぐくむように腸内環境を育てる。

    今回は、『土と内臓 微生物がつくる世界』(デイビッド・モンゴメ…

  3. ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

    痩せ菌ダイエット

    『ダイエットの科学』は「「これを食べれば健康になる」のウソを暴く」。

    今回は2017年に白揚社から出版された『ダイエットの科学 「こ…

  4. 【知っておきたい】腸の仕組みと働き。

    腸活・腸内環境

    【知っておきたい】腸の仕組みと働き。

    腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることで、腸…

  5. 乳酸菌の効果・効能が健康維持に役立つワケ。

    乳酸菌

    乳酸菌の効果・効能が健康維持に役立つワケ。

    今回は乳酸菌の効果・効能が健康維持に役立つ理由について述べてい…

  6. 知ってトクする乳酸菌とビフィズス菌の違いとは?

    腸内細菌

    知ってトクする乳酸菌とビフィズス菌の違いとは?

    今回は乳酸菌とビフィズス菌の違いについてです。腸内細菌…

特集記事

  1. 般若心経の【色即是空】を感じることが心身のバランスを整え、一日一日を幸福にする。にある
  2. 発酵食品がこれからの健康生活のためにイチオシなわけ。
  3. 『食事・運動・瞑想で「うつ」な気分を良くする生き方』
  4. 【ジャラハニーの効果・効能】ハチミツ生活のために知っておきたい。
  5. 乳酸菌より注目な「乳酸菌生産物質」の腸への効果とは?

オススメ記事

  1. 糖質制限はゆるやかに行うのがオススメ。
  2. ジャラハニーは腸内細菌のバランスを整える。
  3. うつを治していくための糖質制限とは?
  4. 慢性炎症が生活習慣病の原因になるワケ。
  5. 小さな習慣に「モチベーションはいらない」わけとは?-『小さな…

カテゴリー

『腸内フローラ改善習慣で、腸を元気にする生き方』Kindle で販売中です😊

ブログ内検索

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors

Copyright © 2024 copyrights.ハチミツとミトコンドリア All Rights Reserved.

 

amazonアソシエイトプログラムに参加しています。当ブログの記事には、訪問者様が製品またはサービスをamazonから購入した場合に、管理人が手数料を受け取ることがあるリンクが含まれています。

  1. 299種類もの栄養が注目なサジーの健康効果

    サジー(シーバックソーン)

    299種類もの栄養が注目なサジーの健康効果とは?
  2. 【ジャラハニーの効果・効能】ハチミツ生活のために知っておきたい。

    ハチミツ

    【知っておきたい】ジャラハニーの効果・効能とは? 2024年版
  3. アトピーを治していくために続けていきたい生活習慣

    生活習慣

    アトピーを治すために続けていきたい生活習慣とは?
  4. 乳酸菌より注目な「乳酸菌生産物質」の腸への効果とは?

    腸活・腸内環境

    乳酸菌より注目な「乳酸菌生産物質」の腸への効果とは?
  5. 「運が悪い」は変えられる。 なぜマインドフルネス瞑想を実践すると運が良くなるのか?

    電子書籍

    新刊『「運が悪い」は変えられる。 なぜマインドフルネス瞑想を実践すると運が良くな…
PAGE TOP